5月28日の読売新聞は「2015年日本記者クラブ賞」を「編集手帳」担当の竹内政明氏(59)が受賞したと報じていました。それを記念して竹内氏の編集手帳傑作選の小冊子を無償贈呈(送料140円必要)するとの案内を目にしたので申し込んだ。数週間以内に届く。(その中に冊子とともに送料をご案内したお手紙を同封いたします。冊子到着後、送料分の切手を郵送して・・)と案内された。
読売は喫茶店でほぼ空いていれば読むし、「編集手帳」子のファンでもある。竹内さんおめでとうございます。
思い出に残るのは数年前、北海道湧別町で吹雪に行く手を阻まれた父娘が遭難し、父は中学生の娘を抱くようにして息絶えていた痛ましい事故があった。翌朝、娘は父の腕の下で助かった。そのとき竹内氏は万葉集を引いて書いていたのを思い出す。
「旅人の 宿りせむ野に 霜降らば わが子羽ぐくめ 天(あめ)の鶴群(たずむら) 巻9-1784 遣唐使の母、作者不詳」
4ヶ月の間、長年取っていた朝日購読を止め、5月から再購読し1ケ月が過ぎた。朝日は変わったか。
社長メッセージが郵送され改善方針を示されたが、読者と双方向性を強化されたのはよい。
「編集手帳」子が記者クラブ賞を受賞された数日前の23日、朝日は新設されたパブリック・エディターの河野通和さん(元中央公論編集長等歴任)が、「天声人語 いまこそ遊び心を」と書いておられた。
” いつ頃からという潮目がはっきりしているわけではありませんが、「天声人語」が話題にのぼる時、まるで時候の挨拶(あいさつ)のように「最近の天声人語はつまらないね」「昔はもっと面白かったのに」というセリフを聞くようになりました。” 云々と・・。
”「文章のお手本」という定評は残っていますが、批判と期待が渦まく中で、いまの執筆たちはどのような日々を過ごしているのか、福島申二さん(59)と根本清樹さん(55)に率直に聞きました。担当してそれぞれ9年目と3年目になります。” という記事はいい評論で切り抜いた。
「今の字数は603字(編集手帳は500字)、木靴を履かされているような制約がある」そうだ。「そもそも新聞記者を志したのは、高校時代に深代淳郎さんの天声人語(1973.2.15~75.11.1)を読んだからです」と言われたそうです。
「書くものには人柄が出ますから、身の丈にあったものを誠実に書くしかありません」との言葉に、納得し感じ入った次第です。
パブリック・エディターとは、社長から郵送されたパンフ「信頼回復と再生のための行動計画」7項目の第1番にある。
” 掲載した記事に対するご指摘・ご意見をきちんと受け止め、より迅速に報道に生かす体制を強化するためパブリック・エディター制度を新設しました。パブリック・エディターは、社内外の数人で構成し、記事を書く編集部門から独立した立場で編集します。担当部署に事情を聴き、必要があれば、説明や訂正を求めます。” とありました。
社外では河野さんはじめ4人が任命され4月から活動している。
昨日は朝日の決算を載せていた。29日発表の2015年3月期決算
売上高 前年比 7.1%減の 4361億円
本業のもうけを示す営業利益 23.4%減の 75億円
最終的なもうけを示す純利益 57.6%減の 54億円
だった。朝日は社史に残る苦難の年だったのだろうと思います。