「前、ゼンザブロニカ欲しいって言ってたよね」
「はい…」
「前、サモカ35スーパー欲しいって言ってたよね」
「はい…」
「ずっと前、オリンパスのペンエフ欲しいって言ってたよね」
「はい…」
「そういえば最近、オリンパス35をよく探していたよね」
「はい…」
「フェイクライカ…」
「…」
「…なにこれ?」
「(目を逸らす)」
何を血迷ったか、ソヴィエトのカメラが来ました。御三家のひとつ『Kiev4aM』です。ロシアカメラと言わなかったのは、旧ソヴィエト連邦のウクライナで生産されたものだから。
1950年代から生産されたキエフ4というカメラから露出計を外した廉価版「キエフ4a」の改良モデルです。2次大戦終了後、旧ソ連がイェーナからツァイスの工場一式(設備から従業員まで根こそぎ)攫ってきて、自国で生産をしたツァイス・コンタックスが、他国での改良の波に揉まれずに生き残っていました。
レンジファインダー3兄弟。一番古いカメラが一番小さい。
1980年製だからホットシューが付いてる。
レンズはジュピター8M(50mm/f2)、必要にして充分なスペック。
コンタックスマウント、と言われたけど、同時に見つけた35mm(ジュピター12)とマウントの形が違う。慌てて買わないで命拾いした。
ファインダーの中が、やはり汚れてる。
「撮影に影響なし」と言われたレンズは、磨き傷みたいなのが…
前のオーナーのものなのか、「FD」のイニシアルが彫ってある。
テナックス1とコニカ3はレンズの中にシャッターユニットが組み込まれているいわゆる「レンズシャッター」機ですが、これはレンズとシャッターが分かれているので「レンジファインダー」機になります。
メタルキャップ。縁が歪んでいたので直したら、ガバガバになったので慌てて歪めた。本当にコレが正しいのかたまたま事故でこうなったのかよくわからないところが『大陸の国』的。更に言えばシャッター速度も(細かい部分で)大雑把。速度が変わっているのは分かるけど、正しい速度が出ているか心配(それでも多分写真は撮れる)。あとフィルムの巻き上げが怪しくて、24枚撮り入れても20枚しか撮れないとか。細かい事が気になる人には向かない感じです。
ソヴィエトカメラに手を出した自分を、「まだイタリアやフランスのカメラに手を出さないだけマシ」と慰めてみる。
(中華カメラは例外)
ソビエト製ってだけで、なんだかワクワクする~
色々調べると、「誰でも一度は誘惑される道」みたいでw
カーテンの向こう側のものだから怖いもの見たさもあるけど、「君子危うきに近寄らず」とも言いますし。とりあえず動くので、近いうちに試射してきます。