森の隠れ家  by KEIZI

森の中の小さな俺の隠れ家。
隠れ家の中は、他人から見れば子供のおもちゃ箱のようにガラクタばかりなのかもしれない。

地球温暖化と日本の森

2006年11月28日 | 地球環境
いま、地球温暖化問題に伴ってその原因の一つに森林伐採があげられていますよね?
そして、森林伐採を少しでも食い止めるために割り箸などをなるべく使わないように自分の箸を持ち歩く「マイ箸運動」とかも学校などでやっているようです。

しかし、日本の森はほとんど伐採されていないのを知っていますか?

日本は、国土面積の約7割くらいが森林であり世界有数の森林大国なんです。

そして、更に日本の森林の約7割が人工林と言って人間が手を加えることによって生態系を維持してきた森林です。
人工林というと、杉林や檜林のように同じ種類の木が整然と植えられた森林を思い浮かべるかもしれませんが、人が住む周辺の「里山」と呼ばれるような場所の雑木林なども立派な人工林です。

杉や檜は建築資材などに使われて、雑木林の木々は薪として使われていたのです。
そして、日本の場合には、杉や檜林は、伐採された後にちゃんと植林されて、その後、人の手によって除伐、間伐されて手入れをされて生態系を保ってきました。
また、雑木林などの広葉樹林は、来年その集落で必要な薪の量を割り出して、必要な分だけ伐採し、その後は「萌芽更新」と言って切り株から新しい芽が出て幹となり、人の手が加えられながら森林が出来てくるのです。

最近問題になっている温室効果ガスである二酸化炭素の排出量については、なにが問題かというと、何百万年も前に地中深くに地球がしまい込んだ石炭や石油などの化石燃料を掘り起こして、エネルギーとして燃焼させて大気中に二酸化炭素を放出しているから問題なのです。
森林を伐採して、燃料に使用しても二酸化炭素の循環は
「森林→伐採→燃焼→大気へ放出→森林が吸収」
というように地表面だけでの循環で済み増減はありません。

森林は、二酸化炭素を吸って酸素を作り、吸い込んだ二酸化炭素は、その幹や枝に定着固定して大気中の二酸化炭素を減らしてくれます。
しかし、人間の手が加えられていない自然林は、一見理想的な姿と考えられがちですが、地球温暖化の観点から考えると、落ち葉や倒れた老木などが自然に腐りバクテリアの分解により定着固定した二酸化炭素を大気中に放出することになり、森林の二酸化炭素の吸収と放出量はプラスマイナス0なんです。

だから、逆に言うと育った大木は伐採して、それを建築物や家具などに利用して、それらの建築物や家具を大切に代々使い何十年、何百年と使用することによって、木材という形で二酸化炭素を長期間定着固定することの方が大切なのです。
更に伐採した場所には植林などをして、若くてどんどん二酸化炭素を吸ってくれる森を作ることが大切なのです。

現在の森林伐採は、日本が自分の国にある森林に手を付けずに外国の森林を大量に伐採して、植林せずに荒らしっぱなしにしているのが問題であり、他国から非難されているのです。

実は、割り箸についても過去に「マイ箸運動」を行ったときがあり、当時割り箸は日本の林業家の人たちが、森林の手入れの過程で出た間伐材などを売って生計を立てていたのですが、「マイ箸運動」により間伐材の買い手がなくなり、収入源が立たれてしまったのです。

そんなこともあって、ほとんどの林業家の方々は林業を辞めてしまい、その結果、日本の森は誰にも手入れしてもらえず、現在荒れ放題なのが現状のなのです。
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