偽ハチミツ

　　中谷　勇　　元 山形大学理学部（生物学科）教授
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　今年の冬は厳しい寒さが長く続きましたね。私は、この寒さで本物のハチミツを見つけることができると楽しみにしていました。今日、ある店で白い結晶ができつつある偽ハチミツを見かけました。これが偽であることは私には判ります。本物のハチミツは、結晶のでき始めは白い結晶の小さな塊がハチミツの中全体に浮遊しています。そして結晶が徐々に成長して最後には固まります。ハチミツ全体が結晶になるまではドロッとしています。
　今日見たものは、容器の底の方全体が一様に白くなっており、上層にいくにつれ白さは薄らぎ上層は白くなっていませんでした。白くなっている部分は、見た目にはなめらかに見えました。本当のハチミツの結晶は、注意してよく見ると小さな結晶が寄り集まって見掛け上ザラザラに見えます。
　数日前、ハチミツを結晶の出来方があやしいなと思いつつ、また本物にしては値段が安いと思いつつ一瓶買って見ました。上層までは白くなっていませんでした。これを冷凍庫に入れ冷えると結晶の出来ていない部分も硬くなりました。これは、偽ハチミツです。
　現在、ハチミツと称して出回っているものは、ほとんどが偽ハチミツあるいは混ぜ物であると思わざるをえません。
　以前、このブログで、本物のハチミツは冷凍庫で冷やすと白い結晶ができると掲載しましたが、偽ハチミツも白い結晶ができるようにつくっているものも有ります。上述したように、本物であれば、冷やして全部が完全に結晶化するまではドロッとしています。