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巨樹に魅せられて

巨樹巡りを趣味としていますが、気がつくと神社巡り。その周辺の話題もココに書き留めています。

「鎮守の森」による防災林を

2012-02-26 10:02:30 | 
 東日本大震災で、沿岸の「防災林」としてのマツ林が根こそぎ倒れたことは皆さんご存じのことと思います。
 1本だけ生き残ったマツも枯れてしまいました。

 その際、生き残った樹木が注目されています。
 もともとその地域に自生する広葉樹(タブノキなど)です。
 特に「鎮守の森」として神社境内に植えられていたものは強く、神様を守りました。

 広葉樹は地中に深く根を伸ばすので、倒れにくい。
 一方、針葉樹は根の張り方が浅いので倒れやすい。
 砂浜のマツ林は景観は美しいけれど、実は津波対策にはなり得なかったのです。

 最近、自分の庭に植えたクスノキから落ちた種が芽吹いて苗木になったものを植え替えました。
 ほんの30cmの木ですが、根っこはゆうに50cm以上伸びていてビックリ。「大地に根を張る」ことを実感した次第です。



 うまく根付いてくれるといいのですが・・・。

 「鎮守の森」の著書で有名な宮脇昭さんが立ち上がりました。
瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る: 植樹による復興・防災の緊急提言
 がれきを埋め立てて土手を作り、そこに土地固有の広葉樹を植えるべしと指南しています。
 すると、根っこが伸びて土手を自然の強固な防波堤にしてくれる、がれき処理もできると一石二鳥。

 すばらしい!

 がれき処理は日本全国の市町村がその受け入れを躊躇している難題です。
 環境省には、そもそもがれきをその土地で活用するという視点がありません。
 凝り固まった認識を新たにして、対応していただきたいと思います。

 東北地方ではカキ養殖家の畠山重篤さんも活動しています。
 彼も「森は海の恋人」としてカキを育てるのは豊かな森であることに着目して植林を続け、東日本大震災で大打撃を受けた養殖業が、森の力で見事に蘇った自然の力を実感していると見聞きしました。

 「日本固有の広葉樹林による森の再生
 これは震災復興のみならず、日本再生のキーワードでもあると思います。
 「花粉が飛ばないスギ」を研究している場合じゃない。


※ 後日談(2012.3.20追加)
 上記内容が記事になりました。実際に行う方針のようですね。

がれきを防災林の土台に 仙台平野で6月にも着手(2012年03月19日:河北新報)

 細野豪志環境相は18日、宮城県庁で村井嘉浩知事と会談し、東日本大震災で発生したがれきを、仙台平野沿岸部に整備する防災林の土台として活用する方針を明らかにした。村井知事は「非常に有効な方法だ。自治体の負担も軽くなる」と協力する考えを示した。
 林野庁が仙台平野の海岸線数十キロで実施する海岸防災林復旧事業として、6月にも着手する。放射性物質や有害物質の安全性を確認できたがれきだけを活用し、盛り土に混ぜて土台を造る。細野氏は「従来の発想を超えた迅速な処理ができるのではないか」と述べた。
 細野氏は県内の廃棄物最終処分場についても、がれきや焼却灰を埋め立てて耐用年数が短くなり、自治体が処分場を拡充する場合、国が財政支援する意向を伝えた。環境省は広域処理の受け入れ自治体に対し、同様の財政支援策を打ち出している。
 会談終了後、村井知事は「(財政支援により)県内処理も相当進むのではないか」と評価し、「県としてもしっかりと責任を果たしたい」と語った。



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