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JCロードレースに見た新しい逃げの型(1)

2024-10-21 14:04:40 | プロ・ツール
 宇都宮JCロードレースがニールソン・パウエルの勝利で幕を閉じました。本気で疾走するUCIワールドツアーの選手を日本で間近にする唯一のレースで、年々、賑やかさや熱量が増している感じがしました。流石にポガチャル等のビッグネームはありませんが、マッズ・ピーダスン、サイモン・イエーツ、マイケル・ウッズ、マティ・モホリッチ、トムス・スクインシュといったメンバーに今年グラン・ピエモンテを征したニールソン・パウレスという名前が揃いました。
 ピーダスンは今季ヘント〜ウェヴェルヘムを優勝、サイモンは昨年のツール・ド・フランスで総合4位、ウッズは今年のカナダ・ナショナルチャンピオンでブエルタでもステージ優勝をしている選手です。モホリッチはポガチャルやログリッジと同じスロベニア人で2022年にミラノ〜サンレモを優勝している名選手。スクインシュはラトビア出身の選手で今年の世界選手権でポガチャルを追走し4位に入っている好調な選手なのです。

 そして2022年にこのレースを勝ち日本でも良く知られているニールソン・パウレス。今季はあまり調子が上がらなかったのですが、シーズン終盤の今月イタリアで行われたクラシックレースのグラン・ピエモンテで見事な逃げ切り勝利し、ポガチャルが圧勝したイル・ロンバルディアでも8位と好調をキープしての参戦となりました。若い頃にはU23のアメリカのロードレース・チャンピオンにもなっていた選手なのですが、プロツアーでは振るわずここまでわずか4勝という選手が、クラシックレースに続きJCで2度目の勝利で6勝目と来年が楽しみになりました。

 前日のクリテリウムでも最初から積極的に飛び出し逃げグループを形成すると、そのまま最後のスプリント迄持っていくという好調さを見せていて、このレースでも期待していたのですが、EFのチームとしても序盤から今年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝を挙げているゲオルグ・シュタインハウザーが逃げを形成。その後アーチー・ライアンも加わり集団を分裂させて行きます。

 流石に最初はスクインシュで勝負を狙うリドル・トレックがピーダスンを先頭に積極的に追いかけ、6週回目には集団はひとつになりますが、集団の人数は大きく数を減らしていたのです。残り4周で満を持していたパウレスがアタック。これにはウッズが反応し、登りで遅れたモホリッチとスーダルのファンウィルデルとファンセヴェナントがダウンヒルで合流し5人の逃げが形成されます。

 この有力な逃げに人数を減らしたプロトンは追走を諦めます。残り4週回目で優勝争いはこの5人に絞られます。前半からのアタックによりペースも速く、14周回のレースで3時間30分30秒というのはJCレコードでしょう。JCのゴールが午後1時半とうのは驚きでした。
 ここまで「新しい逃げの型」という記事も書いて来ましたが、今季はこうした逃げの展開のレースが増えています。最長はポガチャルのストラーデビアンケの80kmを越える独走でしたが、パウレスもグラン・ピエモンテで40km以上の単独走で勝っているのです。ロンド・ファン・フラーデレンとパリ~ルーベではファンデルプールの独走もありました。ポガチャルは世界選手権に続きイル・ロンバルディアでも独走勝利でした。
 



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