2022年と2023年のツール・ド・フランスでヴィンゲゴーに敗れ続けたポガチャルですが、今年は始動を遅らせジロとツールのWツール制覇を目指します。ジロとツールのWツールはマルコ・パンターニ以来の大記録で、最初は誰もが半信半疑だったと思います。ジロは勝ててもツールは厳しいのではという意見も少なくありませんでした。そこで「ポガチャルのWツールを考える」という記事を書き始めたのです。
今季の初戦ストラーデビアンケで80km超の独走勝利で終え、ミラノ~サンレモこそスプリント勝負で3位に敗れますが、リエージュ・バストーニュ・リエージュも独走勝利。初参戦となったジロ・デ・イタリアでは何かを試すような走りを見せながらもステージ6勝で他を圧倒してマリア・ローザを獲得してしまうのです。まさに、ジロをツールのトレーニングに使った感じでした。
その後ぶっつけで挑んだツール・ド・フランスでも開幕前は4強といわれていたにも拘らず、ステージ6勝で2位以下に10分近い差をつける圧勝すると、オリンピックをスキップし世界選手権に目標を絞ります。オリンピックに出ていたらエヴェネプールの2冠は無かったかもしれません。
ツール後ポガチャルには様々な選択肢があったはずです。ブエルタ・ア・エスパーニャに出場し前人未到の個人による3大ツール完全制覇やオリンピックでの金メダルに世界選手権のアルカンシエル等々です。ただ、ポガチャル自身は初めからブエルタへ出場する気は無かったようで、ツール後は世界選手権を目指すと明言しているのです。
オリンピックに関しては色々と取りざたされましたが、結果的にはスキップしたことが功を奏したようです。というのも、今シーズンでポガチャルを最も苦しめたレースが世界選手権だったからです。ここまで何度もチャレンジしながら昨年の3位が最高という、ポガチャルにとっては苦手なレースでしたし、獲得標高の高い今年のコースも味方し、ギリギリの逃げ切り勝利という結果でした。ステージレースでのスプリント勝利以外では最小の34秒というタイム差がその証左でしょう。
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