それでも、風力発電や太陽光発電のようにCO2がゼロにはなりません。AIや電気自動車の普及でさらなる電力が必要になる時代にエネルギー問題は避けては通れない大きな課題です。電力の安定供給を考えれば、石油やLPG(液化天然ガス)などの輸入に大きく依存するのは大変危険です。今でも戦争や円安の影響で原油価格の高騰が続いているのですから。
太平洋戦争は石油の輸入を止められた結果だともいわれているのです。食料もそうですが、自給率が下がるのは国家としてリスクが非常に高いのです。それでも小さな島国日本は資源を輸入に依存せざるを得ないのです。かといって、原子力発電に頼るのは福島第1原発事故を見るまでもなく大変危険です。
原子力発電はカーボンニュートラルには有効な発電方法かもしれませんが、廃炉ひとつに何十年もかかる施設が国内に33もあるのです。稼働しているのは12基ですが、使用済み核燃料の保存先も大きな問題になっています。日本が保有するプルトニウムの総量は、2023年末時点で約44.5トンもあるのです。長崎に投下された原爆には6キログラムのプルトニウムが含まれていたと言われていますので、長崎型原爆7400個分以上にも相当するのです。
『海に眠るダイヤモンド』で炭鉱と共に長崎の被爆者の姿も描かれており、被爆した妊婦がお腹の子供の将来を心配するシーンが印象的でした。CO2を排出する石炭火力発電とクリーンエネルギーを謳う原子力発電のどちらが悪なのでしょう。日本の石炭の埋蔵量は、無煙炭と瀝青炭を含めて約3億6千万トンと言われています。にも拘わらず、日本で採掘を続けているのは北海道釧路市の「釧路コールマイン」のみで、年間生産量は100万トン程度となっているのです。
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