本棚のはじっこにあった小さな本がナナメになって飛び出していた。
落ちそうと思い、久しぶりに手にとってみた。
あらまぁインディアンの本だ、この本なつかしいなんて思いながら見ると、その本と同じくらい大きな紙が何枚かあちこちのページに挟んであった。
ああ、これを読んだ時に、このページに何か興味をそそる様な事が書かれてあったんだなと思い、わざとらしい位にしっかりと紙が挟まれたそのページを開いてみた。
そこにはこんな文章が書かれていた。
お恵みくださったすべての恩恵に対し、われわれはグレートスピリットに感謝する。
たとえば私自身、湧いている泉の水を飲むときには必ず、
ありがたさで心が満たされるのを待ってから水を口に含むようにしている。
ありがたさで心が満たされるのを待ってから・・・。
してなかった。
最初にこの本を読んだ時に自分でしるしをつけていたにも関わらず、していなかった。
たとえば食事の時に、「いただきます」と、手を合わせる事はあっても、ありがたさで心満たされるのを待ったりしていなかったかもしれない。
思い出せてよかった。
しるしをつけていてよかった。
この本と出会えてよかった。
この本と再会できてよかった。
よかった。
ありがとう。