Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

渡辺 明 竜王 「絶好調」…前人未到の4連覇に早くも王手!/『第20期 竜王戦 第4局』

2007-11-22 21:47:47 | 将棋
昨日から、佐賀県嬉野市で開幕した、『第20期 竜王戦』の第4局…。

2日目の今日、勝敗が決しましたね

結局、101手まで、先手番の渡辺 明 竜王が、挑戦者・佐藤 康光 二冠を敗って、勝ち星を積み重ねることに成功
このシリーズの戦績を3勝1敗とし、竜王位防衛&4連覇達成に、早くも「王手」をかけました

第3局が、渡辺竜王ご本人は、「勝ちを意識したのは最後の最後」と、ご自身のブログで語って下さいましたが、入門者の小生の見た感じでは、大局観に終始勝り、ほぼ完勝譜で制して迎えた本局…。

渡辺竜王は、一時期全く勝てず、調子を落としていましたが、本タイトル戦に照準を合わせたかのように、好調ムード
逆に佐藤二冠は、A級順位戦を5連敗と、ほぼ誰も予想しなかったほど、昨年と比較したら、調子落ちの感が否めません

そんな中で行われた本局は、どちらが制するかで、一気に流れが傾く可能性を秘めたものとなりましたが、結局、現時点の好不調の差がそのまま結果に結びついた格好になったように感じます。
佐藤二冠にとっては、1週間で流れを変えるには、短すぎたのかもしれませんね…。

さて、本局を少し振り返りましょう。

1日目の封じ手前の41手目に、先手番の渡辺竜王が、7九に金を引いたところで指しかけとなりました。

そして、封じ手の42手目ですが…小生の「第二感」の▲5五歩でした。

後手陣は、銀冠に構えを変化させる含みもあったので、△6二金直が有力かなと思いましたが、4四の銀を2手かけても5四とする狙いだったのでしょうか…。
その方が、確かに先手の穴熊には迫れます。

ただ、立会人の藤井九段が指摘した進行の▲6六歩~▲7八角が、後手の手薄気味の2,3筋に睨みが利きますし、それはすなわち、後手の飛車を狙っている格好になります。
この構想をどう咎めるか…佐藤二冠の指し手に注目していましたが、どうも冴えない感じでした。

小職自身の昼食休憩時に、ちょっとだけ棋譜を拝見しましたが、その時は59手目の▲4五歩の局面。

51手目の▲3四角も、渡辺竜王らしい感じがして調子が良いですし、59手目の▲4五歩は、その前の57手目の▲3四歩が、どう後手の4四の銀が動いても、「と金」に成れるので、好手のように見えました。

竜王戦中継ブログにも終局後の渡辺竜王のコメントにありますが、「3三のと金で何とかなると思った」と語っていらっしゃるように、このあたりの局面が、勝敗をどうも分けたようです。
佐藤二冠も、「1日目から作戦失敗」とネガティブなコメントを残しています。

その後は、後手陣の飛車がいる2筋がどんどん寂しくなる一方で、先手の穴熊は金銀4枚さらには7八の位置に角まで居座っている非常に堅いもの。
その角は、8七の地点がどうあがいても後手が打つ駒がないため、ここにいつでも転回し、2一にいる飛車に見事に当たります。そうなると、いつでも「ロケット発射」が可能です。

61手目にできた「と金」が大活躍した将棋でしたね…。
渡辺竜王の指し手も自然で、入門者のお手本になるような感じさえします

渡辺竜王…竜王戦が開幕してからの将棋は、第2局で「急転直下」を食らった位で、ほぼご自身のペースで進行しているように、素人目からは見えます。

「絶好調」ではないでしょうか

ですが、渡辺竜王は、とにかくファンを大切になさるお方です

恐らく、ご自身のブログで、本局をじっくり解説して下さることでしょう。
序盤は、佐藤二冠が思うほど酷くはなかったですし、本局を終えての渡辺竜王のコメントでも、その様なニュアンスが伝わってきています。
その辺も、きっと触れて下さることでしょう

第4局も良い形で制して、渡辺竜王…挑戦者の佐藤二冠だけでなく、本局の立会人だった藤井九段にも、「引導を渡した」格好になりました
(竜王位3連覇は、渡辺竜王と藤井九段が持つタイ記録。これを渡辺竜王ご自身が破るのに「王手」がかかったわけですから…。)

渡辺竜王が、そのままの勢いで、「引き続き頑張りたい」と語ったように、すんなりと防衛&4連覇達成&『永世竜王』に王手…がなるでしょうか
挑戦者の佐藤二冠が、昨年のフルセットで奪取が叶わなかった悔しさを内に秘め、大逆転で渡辺竜王を倒して、昨年の雪辱を果たすのでしょうか

渡辺竜王は、次の第5局で決めてしまいたいところでしょう。
一方の佐藤二冠は、1勝をとにかく丁寧に返していくことが先決ですが、これで勢いづかせたくはないと、渡辺竜王も考えているはずです。正念場ですね。
ただ、本局でも、いつ投了してもおかしくないような局面で、闘志を燃やして粘っていました。
その闘志を信じたいです
元々は力強い棋風ですからね

さて、本局が行われた佐賀県の嬉野は、九州でも、別府,湯布院,指宿,黒川などと肩を並べる程の温泉街です。
その効能は、美肌に良いらしく、山口の湯田温泉のように、各所に足湯もあるようです。
温泉水をお土産に持ち帰ることができると聞いたことがあります。
ちょっと嬉野市とは離れていますが、小生も8月に神埼市方面へ行きまして、のどかで良いイメージを持ちました。

佐賀県は、今年は何かと『旬』のような気がします。
(その事は、後日、簡単な記事をエントリーする構想を持っています。)
今年『旬』の佐賀県での対局を、「絶好調」と言っても良い渡辺竜王が制しました。佐賀県が活気づくかもしれませんね(はなわさんも、大喜びですかね)。

見所たっぷりの竜王戦…第5局は、またまた間隔を置かず、次週の11月28日と11月29日の2日間、王座戦第3局も行われ、羽生王座が16連覇を決めた、将棋の駒の街、山形県天童市で行われます。

渡辺竜王も、羽生王座(王将)に続いて、験良く防衛を決めることができるでしょうか

非常に楽しみですね

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