昨日から、静岡県浜松市を舞台に始まった『第57期 王将戦』の第3局。
2日目の今日、勝敗が決しましたね。
結局、111手まで、挑戦者・久保 利明 八段が、羽生 善治 王将を敗って1勝を返し、このシリーズの対戦成績を1勝2敗としました。
久保八段が本局を制したことで、対羽生王将(王座)戦の連敗を「8」で、今年度のタイトル戦に限っての連敗を「5」でストップさせました。
久保八段は、開幕の第1局を積極的すぎて失敗し、第2局も後手番の時の「エース戦形」であるゴキゲン中飛車で敗れましたが、本局は四間飛車で制しました。
ここを落とせば、完全に本シリーズの流れが羽生王将に傾くところでしたが、得意な戦形でようやく勝ち星を挙げることに成功しましたね。
改めて、本局を少し振り返りましょう。
図は、昨日の久保八段が47手目を封じた局面です。
ここは、ほぼ▲4五銀か、▲4五歩と思われました。
昨日、記事をエントリーしてから、非常に遅い時間にも拘らず、渡辺 明 竜王の師匠である所司 和晴 七段から、第1局,第2局に引き続き大変ありがたくもコメントを頂戴しましたが、小生は第一感として銀交換か、すぐに△4二角とする▲4五銀を予想しました。
所司先生のコメントの封じ手予想にもあった、▲4五歩ももちろん考えられる手ですよね。
先手は、とにかく後手の穴熊に迫る格好で攻め続ける必要がありますから、銀を引く手や、左に進む手は考えにくい局面です。
ですが、第1局の大胆な手を封じた事もあって、候補手は絞られる局面ですが、自信はなかったですね。
そして今日、封を切ると…
図のように、久保八段の封じた手は、「▲4五銀」でした。
手が絞られていたので、見えた手ですし、ほぼ二者択一でしたから、当たって良かったです。
まだまだ入門者ですが、今回は少しだけ自分を褒めたい気持ちです。
その後も、ほぼ銀交換になるのかな…(▲4五銀には、△同銀,▲同桂,△4二角)と思っていましたが、その通りに進行して、先手の久保八段が穴熊の急所の▲2四歩と迫りました。
昨日の37手目(▲2五歩)辺りから、後手が穴熊に組むのは間に合うのか(小生なら、焦ってぶつけられた歩を取ってしまいそう…)と思っていましたが、局後に羽生王将が「指しすぎ」と語っていたように、このタイミングではやや無理があったようです。
図では、先手が後手の穴熊にかなり迫っていますし、攻めも続いています。
本局は、振り飛車ペースになった気が、この局面を小生自身の今日の昼食休憩時に見た時に感じました。
その後も、6筋の飛車が走れて先手の攻めが続き、後手の羽生王将も終盤に王手をかけるなど反撃はありましたが、羽生王将曰く「最後は全く足りない」感じでした。
投了図以下は、▲2一竜,△同玉,▲3三桂以下の後手玉に詰めろがかかっている一方で、先手玉は広く捕まらないので羽生王将の投了止むなしとなりました。
本局は、先手の久保八段の、後手の穴熊を牽制する指し回しが光った内容で、第2局の完敗の影響を殆ど感じさせなかった気がします。
穴熊にあのタイミングで組んだ羽生王将が「指しすぎ」と語った以上に、久保八段の積極性が奏功した感じですね。
ですが、依然羽生王将がシリーズをリードしている格好は変わりません。
久保八段には、“鈍感力”で敗れた序盤2局のことは過去の事として、第4局以降もこの調子で着実に勝ち星を積み上げ、先ずは2勝2敗のタイに持ち込んで、このシリーズを是非盛り上げて欲しいと思います。
羽生王将が、貫禄を示す形で今後も久保八段を圧倒し、防衛に成功するでしょうか…。
それとも、“鈍感力”で依然リードされている嫌な流れを打開し、最後には羽生王将を倒して、タイトル奪取が叶うでしょうか…。
第4局は、2週間後の2月19日と20日に、島根県大田市で行われます。
久保八段の頑張りに期待したいですし、まだまだ興味は尽きませんね。
追記
所司先生へ…。
昨日エントリーした入門者の駄文を綴った記事に対し、第1局,第2局同様に、恐れ多くも封じ手を予想した貴重なコメントを頂戴し、誠にありがとうございました。
(また、順位戦で田丸 昇 八段に勝ち、降級点も消えましたね…おめでとうございます。)
コメントを大変ありがたく拝読させていただきましたが、大変勉強になる内容です。
今後も、タイトル戦を楽しみながら観戦し、自身でも将棋を指して棋力向上に努めて参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2日目の今日、勝敗が決しましたね。
結局、111手まで、挑戦者・久保 利明 八段が、羽生 善治 王将を敗って1勝を返し、このシリーズの対戦成績を1勝2敗としました。
久保八段が本局を制したことで、対羽生王将(王座)戦の連敗を「8」で、今年度のタイトル戦に限っての連敗を「5」でストップさせました。
久保八段は、開幕の第1局を積極的すぎて失敗し、第2局も後手番の時の「エース戦形」であるゴキゲン中飛車で敗れましたが、本局は四間飛車で制しました。
ここを落とせば、完全に本シリーズの流れが羽生王将に傾くところでしたが、得意な戦形でようやく勝ち星を挙げることに成功しましたね。
改めて、本局を少し振り返りましょう。
図は、昨日の久保八段が47手目を封じた局面です。
ここは、ほぼ▲4五銀か、▲4五歩と思われました。
昨日、記事をエントリーしてから、非常に遅い時間にも拘らず、渡辺 明 竜王の師匠である所司 和晴 七段から、第1局,第2局に引き続き大変ありがたくもコメントを頂戴しましたが、小生は第一感として銀交換か、すぐに△4二角とする▲4五銀を予想しました。
所司先生のコメントの封じ手予想にもあった、▲4五歩ももちろん考えられる手ですよね。
先手は、とにかく後手の穴熊に迫る格好で攻め続ける必要がありますから、銀を引く手や、左に進む手は考えにくい局面です。
ですが、第1局の大胆な手を封じた事もあって、候補手は絞られる局面ですが、自信はなかったですね。
そして今日、封を切ると…
図のように、久保八段の封じた手は、「▲4五銀」でした。
手が絞られていたので、見えた手ですし、ほぼ二者択一でしたから、当たって良かったです。
まだまだ入門者ですが、今回は少しだけ自分を褒めたい気持ちです。
その後も、ほぼ銀交換になるのかな…(▲4五銀には、△同銀,▲同桂,△4二角)と思っていましたが、その通りに進行して、先手の久保八段が穴熊の急所の▲2四歩と迫りました。
昨日の37手目(▲2五歩)辺りから、後手が穴熊に組むのは間に合うのか(小生なら、焦ってぶつけられた歩を取ってしまいそう…)と思っていましたが、局後に羽生王将が「指しすぎ」と語っていたように、このタイミングではやや無理があったようです。
図では、先手が後手の穴熊にかなり迫っていますし、攻めも続いています。
本局は、振り飛車ペースになった気が、この局面を小生自身の今日の昼食休憩時に見た時に感じました。
その後も、6筋の飛車が走れて先手の攻めが続き、後手の羽生王将も終盤に王手をかけるなど反撃はありましたが、羽生王将曰く「最後は全く足りない」感じでした。
投了図以下は、▲2一竜,△同玉,▲3三桂以下の後手玉に詰めろがかかっている一方で、先手玉は広く捕まらないので羽生王将の投了止むなしとなりました。
本局は、先手の久保八段の、後手の穴熊を牽制する指し回しが光った内容で、第2局の完敗の影響を殆ど感じさせなかった気がします。
穴熊にあのタイミングで組んだ羽生王将が「指しすぎ」と語った以上に、久保八段の積極性が奏功した感じですね。
ですが、依然羽生王将がシリーズをリードしている格好は変わりません。
久保八段には、“鈍感力”で敗れた序盤2局のことは過去の事として、第4局以降もこの調子で着実に勝ち星を積み上げ、先ずは2勝2敗のタイに持ち込んで、このシリーズを是非盛り上げて欲しいと思います。
羽生王将が、貫禄を示す形で今後も久保八段を圧倒し、防衛に成功するでしょうか…。
それとも、“鈍感力”で依然リードされている嫌な流れを打開し、最後には羽生王将を倒して、タイトル奪取が叶うでしょうか…。
第4局は、2週間後の2月19日と20日に、島根県大田市で行われます。
久保八段の頑張りに期待したいですし、まだまだ興味は尽きませんね。
追記
所司先生へ…。
昨日エントリーした入門者の駄文を綴った記事に対し、第1局,第2局同様に、恐れ多くも封じ手を予想した貴重なコメントを頂戴し、誠にありがとうございました。
(また、順位戦で田丸 昇 八段に勝ち、降級点も消えましたね…おめでとうございます。)
コメントを大変ありがたく拝読させていただきましたが、大変勉強になる内容です。
今後も、タイトル戦を楽しみながら観戦し、自身でも将棋を指して棋力向上に努めて参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。