Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

矢内 理絵子 女流名人が貫禄を示し、決勝五番勝負へ/『第1期 マイナビ女子オープン 準決勝第1局』

2008-02-08 21:21:21 | 将棋
入門者の小生が、将棋に関する記事を3日連続でエントリーするのは、恐らく初めての事なんじゃないかと思います。

昨日は正直言って、nanaponさんの真似ではないですが、「もう、仕事にならないって感じでしたね。

もちろん、業務(研究・開発職なので、実験ですが)を真面目に進めようとはしたのですが、午前9時30分を過ぎたころ、突然相手をしていた装置が暴走してしまい、結局メンテナンスに半日以上が費やされてしまって、実際、全く仕事にならなくなってしまいました

装置のメンテナンスをようやく終えた15時頃、「こんな日もあるか…」と思うことにして、業務は程々に、もう一つの「仕事にならない」理由の方を気にすることにしました

プロ棋士の皆さんなら当然忙しかったと思うのですが、昨日は、『第57期 王将戦 第3局』の2日目と、『マイナビ女子オープン 準決勝 第1局』が同時に行われましたね

『第57期 王将戦 第3局』については、一昨日と昨日の2日間にわたってエントリーしていますので、今日は『マイナビ女子オープン』についてエントリーしたいと思います。


あまり女流棋戦の事は触れないのですが、今回妙に気になったのは、単刀直入に申し上げると、対局者が、矢内 理絵子 女流名人と、鈴木 環那 女流初段だったからです。
今期の本戦では、一番見たいと思っていた対局でしたね
それが実現されたわけですから、仕事にならない程気になるのは、仕方ないところです。

では、そんなに気になるのは何故か…。

矢内女流名人
小生と同じ埼玉県出身で、小生が将棋ファンになった頃に、女流名人位を奪取し、現在までその地位を守り続けている、第一人者

鈴木女流初段
小生が将棋ファンになって初めて見た、NHK将棋講座『屋敷 伸之(九段)の囲いの崩し方』の聞き手を担当していたため、小生が初めて見た女流棋士であり、大学~大学院修士課程の6年間を過ごした千葉県の出身

以上のように、小生には親しみを持ちやすい2人の対局だったからです。

この対局は…

矢内女流名人が貫禄を示すか
それともここまで快進撃を続けている鈴木女流初段が、勢いそのままに矢内女流名人を飲み込むか

というところが焦点でしたね

結局はタイトルにある通り、矢内女流名人が、79手までの短手数で、貫禄を示す形で鈴木女流初段を敗って、決勝五番勝負へ進出しましたが、改めてこの対局を振り返ってみたいと思います。




図は、小生の昼食休憩中で、両対局者の昼食休憩直前の局面です。
戦形は、相矢倉ですね。先手が矢内女流名人、後手が鈴木女流初段です。

ここまでの棋譜を確認しながら見ていましたが、先手が右の桂馬を捌けている点が調子が良い様に見えますが、この局面では、その桂馬は質駒になっています。
途中、先手が右の銀を4六に進出させましたが、後手が△4五歩と突いてその銀を元の位置(3七)にバックさせていますから、後手もまだまだ指せる…と思っていました。
ですが、後手の鈴木女流初段は、局後に語っていますが、この時から「苦しい…」と。
どうも、歩切れを見越して指した矢内女流名人の▲5七歩が、鈴木女流初段にとっては悩ましかった様です



そこで、鈴木女流初段は、2五の桂馬を食いちぎる手を繰り出しました。
局後にはっきりこれを「勝負手」と語っていますから、銀桂交換で損ですが、△3三桂と跳ねて活路を見出そうとした様です。



図では、鈴木女流初段にとっては悩ましかった▲5七歩を、矢内女流名人が突き出して、鈴木女流初段の構想を咎めています。
悩ましかった歩に活躍されては、立て直しはさすがに難しかった様です。



図では、先手が後手玉に近い位置に飛車を成り込ませることに成功していますから、はっきり先手の勝勢となりました。
昼食休憩直前までが、まだまだ後手も指せる将棋だっただけに、こうも一方的になるとは…観戦していた小生も意外でした
逆に言えば、構想を咎めてから一気に形勢有利にした矢内女流名人のその後の指し手は、さすがですね
実績の差が、まともに表れてしまった感がします



投了図以下は、△1四同歩なら▲1三銀,△2一玉,▲4二金で必至ですし、単に△1二玉も▲4二金で、やはり適当な受けがなく、後手玉に見事に寄っています。
後手玉が瞬く間に狭くなるなんて…怖いですね。

本局は、観戦記事を担当なさる片上 大輔 五段語っていらっしゃる様に、鈴木女流初段に、矢内女流名人の前に「気負い」のようなものがあったのかも知れません。
どちらかといえば、鈴木女流初段の方を応援していた対局だったので、個人的には残念です

ですが、ふと振り返ると、この対局は今年度のここまで女流棋士の勝率1位(鈴木女流初段)と2位(矢内女流名人)同士が顔を合わせていたんですね
鈴木女流初段は、各棋戦の大盤解説会の聞き手や指導対局などで引っ張りだこですが、この対局までの勝率が、今年度1位だったことを鑑みれば、徐々に実力も付いてきたと言えると思います。
本局は、結果的に一方的な展開にはなりましたが、負けた他2局はいずれも内容は悪くないと評されてもいます。
(小生も、後で並べてみるつもりですが…。)

来期の本戦シード権も、ベスト4入りで手にしましたから、今期と同じように活躍して、今期以上の成績を是非残して欲しいと思います


勝った矢内女流名人は、山田 久美 女流三段 対 甲斐 智美 女流二段の勝者と、初代『女王』の座を賭けて、五番勝負に挑みます


佳境に入った『マイナビ女子オープン』も、今後の展開が楽しみです
Comments (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする