昨日から、島根県大田市を舞台に始まった『第57期 王将戦』の第4局。
2日目の今日、勝敗が決しましたね。
結局、113手まで、羽生 善治 王将が、挑戦者・久保 利明 八段を敗って3勝目を挙げ、防衛と王将位の4連覇に早くも王手をかけました。
羽生王将は、第3局に敗れてから迎えた第33期 棋王戦 第1局で、187手の激闘の末に佐藤 康光 棋王(棋聖)を敗って、一時期の不調から復調したようですね。
一方、久保八段は、本局を落としたことでカド番に追い込まれ、後がなくなりました…。
改めて、本局を少し振り返りましょう。
図は、昨日の記事でも触れましたが、久保八段が38手目を封じた局面です。
ここは、手堅く行けば△2一歩、積極的に指すなら△3五銀などが考えられる局面ですね。
小生は第一感として手堅い方の△2一歩を第一感とし、次候補として△3五銀と△3五角を予想しました。
ですが、第1局の大胆な手を封じた事もありますし、正直、△1二角の狙い筋が分からなかったので、当てる自信はなかったですね。
そして今日、封を開けると…
図のように、久保八段の封じた手は、「△3五銀」でした。
想定内ではありましたが、小生の性格みたいなものが出ましたか…予想した手は、手堅すぎだったかもしれません。
この手は、一時的に飛車取りになりますし、まだまだアヤがありそうな2,3筋に睨みが利いていますから、結果論ですが有力ですよね。
同じように飛車取りを狙うなら、同じ地点に角を投入する手もありますが、やはり、手持ちの方が後々の事を考えた場合は得でしょうから、ちょっと勿体ない気がします。
そう考えると、順当な封じ手だったようです。
この手ですと、千日手含み(▲3四飛から、△4四銀,▲2四飛,△3五銀…)ですが、先手番の羽生王将は指せると見たのでしょう。この進行順ではなく、▲2八飛と飛車を引きました。
局後の感想戦でも、封じ手直前の久保八段の△1二角とした局面が検討されたようですが、局後久保八段が語っていたように、この△1二角は「予定変更」だったようです。
この局面では△2二歩を想定していたようで、そちらの方が良かったそうですね。
ですが、入門者の小生には「研究課題」です。
△2二歩以下の手順でも、果たして後手が良くなるのか、並べてみないとちょっと分かりません。
結果的に、本譜の△1二角の働きが悪く、後手が大変な将棋となっている間に、先手が優勢になり、そのまま寄り切った感じ…に、小生には映りました。
久保八段に、大変になる△1二角のような手を指させてしまうところに、いわゆる『羽生マジック』があるのかもしれません。
もしそうならば、羽生王将…さすがですね。
投了図では、先手が駒得の上、持ち駒に桂馬が二枚ありますから、どちらへ玉が逃げても狭く、止むなしでしょうね。
結局、6~9筋はそんなに触られていないまま、終局となりました。
玉型が、先手の方が今日になって引き締まって堅くなりましたし、投了図でも鉄壁です。
本局は、第2局や第3局のように、どちらかが一方的…良く言えば「完勝譜」という感じではないですから、久保八段も、カド番とはいえ、まだまだ食い下がれる余地はあると思います。
ですが、羽生王将が本シリーズの「ターニングポイント」とも言うべき本局を制して防衛&4連覇に王手をかけたのは大きいですね。
久保八段には、もう後がありません。
“鈍感力”を存分に活かして、3連勝することだけを考えて立ち向かって欲しいと思います。それでこそ、本シリーズが盛り上がります。
正念場ですが、奪取に向かって頑張って下さい。
羽生王将が、貫禄を示す形で久保八段を圧倒し、防衛に成功するでしょうか…。
それとも、後がなくなった久保八段ですが、“鈍感力”で打開し、残る3局全て制して大逆転で羽生王将を倒して、タイトル奪取が叶うでしょうか…。
第5局は、来週の2月27日と28日に、神奈川県東箱根町で行われます。
久保八段の底力に期待しています。
ところで今日は、矢内 理絵子 女流名人が、挑戦者の斎田 晴子 女流四段に2連勝して、防衛&3連覇に王手をかけた状態で迎えた『第34期 女流名人戦 第3局』も行われていました。
珍しい進行でしたが、結局144手まで、後手番の矢内女流名人が、ストレートの3連勝で防衛&3連覇を達成しています。
おめでとうございます。
しかし…矢内名人の勝率…凄いですね。すっかり貫禄が付いた感じです。
「地位が人を育てる」とはよく言いますが、その通りですから…。
2日目の今日、勝敗が決しましたね。
結局、113手まで、羽生 善治 王将が、挑戦者・久保 利明 八段を敗って3勝目を挙げ、防衛と王将位の4連覇に早くも王手をかけました。
羽生王将は、第3局に敗れてから迎えた第33期 棋王戦 第1局で、187手の激闘の末に佐藤 康光 棋王(棋聖)を敗って、一時期の不調から復調したようですね。
一方、久保八段は、本局を落としたことでカド番に追い込まれ、後がなくなりました…。
改めて、本局を少し振り返りましょう。
図は、昨日の記事でも触れましたが、久保八段が38手目を封じた局面です。
ここは、手堅く行けば△2一歩、積極的に指すなら△3五銀などが考えられる局面ですね。
小生は第一感として手堅い方の△2一歩を第一感とし、次候補として△3五銀と△3五角を予想しました。
ですが、第1局の大胆な手を封じた事もありますし、正直、△1二角の狙い筋が分からなかったので、当てる自信はなかったですね。
そして今日、封を開けると…
図のように、久保八段の封じた手は、「△3五銀」でした。
想定内ではありましたが、小生の性格みたいなものが出ましたか…予想した手は、手堅すぎだったかもしれません。
この手は、一時的に飛車取りになりますし、まだまだアヤがありそうな2,3筋に睨みが利いていますから、結果論ですが有力ですよね。
同じように飛車取りを狙うなら、同じ地点に角を投入する手もありますが、やはり、手持ちの方が後々の事を考えた場合は得でしょうから、ちょっと勿体ない気がします。
そう考えると、順当な封じ手だったようです。
この手ですと、千日手含み(▲3四飛から、△4四銀,▲2四飛,△3五銀…)ですが、先手番の羽生王将は指せると見たのでしょう。この進行順ではなく、▲2八飛と飛車を引きました。
局後の感想戦でも、封じ手直前の久保八段の△1二角とした局面が検討されたようですが、局後久保八段が語っていたように、この△1二角は「予定変更」だったようです。
この局面では△2二歩を想定していたようで、そちらの方が良かったそうですね。
ですが、入門者の小生には「研究課題」です。
△2二歩以下の手順でも、果たして後手が良くなるのか、並べてみないとちょっと分かりません。
結果的に、本譜の△1二角の働きが悪く、後手が大変な将棋となっている間に、先手が優勢になり、そのまま寄り切った感じ…に、小生には映りました。
久保八段に、大変になる△1二角のような手を指させてしまうところに、いわゆる『羽生マジック』があるのかもしれません。
もしそうならば、羽生王将…さすがですね。
投了図では、先手が駒得の上、持ち駒に桂馬が二枚ありますから、どちらへ玉が逃げても狭く、止むなしでしょうね。
結局、6~9筋はそんなに触られていないまま、終局となりました。
玉型が、先手の方が今日になって引き締まって堅くなりましたし、投了図でも鉄壁です。
本局は、第2局や第3局のように、どちらかが一方的…良く言えば「完勝譜」という感じではないですから、久保八段も、カド番とはいえ、まだまだ食い下がれる余地はあると思います。
ですが、羽生王将が本シリーズの「ターニングポイント」とも言うべき本局を制して防衛&4連覇に王手をかけたのは大きいですね。
久保八段には、もう後がありません。
“鈍感力”を存分に活かして、3連勝することだけを考えて立ち向かって欲しいと思います。それでこそ、本シリーズが盛り上がります。
正念場ですが、奪取に向かって頑張って下さい。
羽生王将が、貫禄を示す形で久保八段を圧倒し、防衛に成功するでしょうか…。
それとも、後がなくなった久保八段ですが、“鈍感力”で打開し、残る3局全て制して大逆転で羽生王将を倒して、タイトル奪取が叶うでしょうか…。
第5局は、来週の2月27日と28日に、神奈川県東箱根町で行われます。
久保八段の底力に期待しています。
ところで今日は、矢内 理絵子 女流名人が、挑戦者の斎田 晴子 女流四段に2連勝して、防衛&3連覇に王手をかけた状態で迎えた『第34期 女流名人戦 第3局』も行われていました。
珍しい進行でしたが、結局144手まで、後手番の矢内女流名人が、ストレートの3連勝で防衛&3連覇を達成しています。
おめでとうございます。
しかし…矢内名人の勝率…凄いですね。すっかり貫禄が付いた感じです。
「地位が人を育てる」とはよく言いますが、その通りですから…。