クイチガイ
くいちがう前に
いきちがい
それから
せかいが
バランバランと
はずれていって
くいちがう
断片また断片
かってなことを
たくさんたくさん
よんだり かいたりして
ものごとが
こんらんするばかり
あるようなことを
ないといったり
ないようなことを
あるといったり
かってにいえるのは
鉄工所の鋳型のような
頑丈な囲いがあって
そこに居座る人が
勝手にいっているのだ
たいがいはそうだが
なかには ほんのたまたま
ほんとうのことが
もれだすことがあって
あわてて鋳型をつくりなおすのだ
真実は
もれだしてきてこそ
いきはじめる