居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

逢う

2013-01-04 00:00:12 | ポエム

逢う

 

すこし旅人でゆれている
行先ナビゲーターが
速くておいつけない

田舎の街なのに
いくつものかどをつかまえて
くどかないと
場所が浮いてこない

やがて迷路にはいったらしい
家並みがなくなり
いちめんの草原だ
ひとひらの花もない

いくどとなく川をわたる
ぐるぐる草原を描く絵
逢えばちいさい奇跡になる

草庵はいまもあるはず
鰐革の花生けと水中花と
土器色のカップ

いましばらくは
迷路の中をつたって
彷徨うべきだ
諦めは破ろう


幸福論

2013-01-03 23:51:39 | ポエム

幸福論

 

生態系のように
頂点を描くと

それを珠玉のように
さしあげるのは
その忠実な兵士たち

かつがれている
自覚から
解放されることは
死にいたるまでお預け

朝いきなり年月日時をつかまえる
夜は夢のデスクで揺れねばならない

さて人情は
赤い花か白い花か
どちらだろう
デジタルとアナログ
どちらだろう

あたたかい、といえば
赤い、がたちこめて
人は涙をけさない
真っ赤に燃える天空から
手をつたってくるぬくもりが
おもわずふれたように
むせぶ肉体
さしあげられた頂点は
ざわめいているのか

いきてゆくのは
葦ではなく
もえる藁かもしれない