居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

2011-04-29 13:23:28 | ポエム

   声

  

  きこえない

  声もある

  いたんだこころから

  その声は

  ほそいほそい

  糸のように

  みえないもののようになるから

   

    だれかが

  イヤーホンで

  きいてくれている、と

  しんじて

  だしつづけよう

  その声を

  

  晴れた空に浮かぶ

  雲がはこんでくれるかもしれないから

 

  おちついて

  鉢植えに

  おいしい水をやろう

  きこえない声が

  みごとにさくように

  

 

  

 


One Drop

2011-04-21 18:55:39 | ポエム

One Drop

 

きみは

突然

ぼくの前に

おちてきた

 

なんの

てらいもなく

ただ 当然の様に

 

きみは

散崋のように

ひらひら舞わずに

なにか素っ頓狂に

着地した

 

ぼくは思わず

踏みつけるところだった

 

そっと

崩れないように拾い上げた

それからぼく

きみをどうすればいいのか

かんがえた

わかるはずはないのだった

 

きみはちっておちた

さくらのはなで

ぼくはとおりかゝったにんげんで

なんのかんけいもないのだから

 

でも、ひろいあげたということは

かんけいがあるということではないか

 

ぼくはきみのすがたをスキャンしてほぞんした

でも

もうそのすがたは

きみであってきみでないそんざいになり

ふくざつにおれまがった現実であり

世界としては

一歩前進したことになる

 

こんな小さな前進が

人間が誕生していらい

芋蔓式にとぎれぬ時間の

正体なのかもしれない

 

 

 


あおいみそらに

2011-04-21 02:11:36 | 絵とポエム

 

あおいみそらに 

あかいうお

そんなふうけい

夢みたいだなあ

 

およぐと

そよそよ

なみだのたまった

ひとのみむねを

きれいなくうきで

あらってくれる

 

かなしみは

せいれつなかぜにふかれて

さつきのきせつに

つつまれて

しばしのあいだ

ゆめをみる

たのしいゆめを

 

ああ

こいのぼり

かぜのまなかを

およいでゆくよ

ゆくさきはわからないけど

いっしょうけんめい

およいでゆくよ

 

かぜさん

しばらくふきつづけ

 

 

 

 

 

 

 


さくら

2011-04-12 15:20:57 | 

古木の幹にすがるように

咲いている花たち

天敵もいないようだから

無事咲き終えるだろう

自然の不思議な思想

科学がやっきになって

仕組みを解明する

だが・・・・

或るところで

科学ではなく

心 が

心 で

感じるのに違いない

 


夜更けて

2011-04-12 11:34:41 | ポエム

 (絵をクリックすると拡大します)

冬の夜 ひとりでいる

冬の夜 ひっきりなしに

冬の夜 ひえてくる

冬の夜 しんしんとはきこえぬ

冬の夜 むごんのくうき

冬の夜 むかしよりもさむざむと

冬の夜 ねむりたくないきがする

冬の夜 いつまでおきているつもり

冬の夜 ちゃわんをあらうきがしない

冬の夜 へやはちらけたままでよい

冬の夜 パソコンはオンラインでもメールはこない

冬の夜 オーディオのでんげんライトのブルーてんとう

冬の夜 テレビのでんげんライトのレッドてんとう

冬の夜 にわきのえだにやみがまきつくきりきりと

冬の夜 けいたいにちゃくしんはない

冬の夜 まだいちじだからねむくない

冬の夜 ひとりでいる 

冬の夜 しだいしだいにしずかになる

冬の夜 さめているひとのかずは

冬の夜 かぞえるてだてもなく

冬の夜 パソコンのキーをうつ

冬の夜 かすかなおんりょうでポップスをきく

冬の夜 そとはくもりかまたはれか

冬の夜 エアコンさんがいてくれて

冬の夜 さむくはないのにひえてきた

冬の夜 そろりそろり

冬の夜 ちんもくとせいじゃくと

冬の夜 ふたつあわせで

冬の夜 そのすきまに

冬の夜 ちょうどからだがはいりこむ

 


花瓶の仕業

2011-04-11 00:30:05 | ポエム

 (絵をクリックすると、拡大します)

 

 

言葉を

花瓶にいけて 

ラブ・ミー流

ライティングは

あなたしだいで

ほのかでも

かんかんでりでも

それはどうぞすきにしてください

 

そんなメロディーっぽい

きもちばかりを

バッグにいつもひそませて

ときどきひもとくきみ

 

めのなかのふうけいから

いちばんとおい

まつ毛のかげがよぎるあたりの

ヒコーキ雲が

きえていくと

いそいでかえってしまう

 

どうにかならないのだろうか

その花瓶の花

みつめられると弱そうだけれど

いつまでも

しおれそうもない

ほんに

美しい造花であったのか


紙と、ほっといてくれ

2011-04-08 01:45:10 | ポエム

 (絵をクリックすると拡大します)

 しばらくは

呆けのタイムを活用し

ゆうぜんとしてぼける

こころをうごかさないで

視覚

聴覚

味覚

といったような

ものを楽しくさせるマシーンで

ロボットよりはすこし生き物のさまで

 

そんな居心地のいい場所を

くまなく探しているうちに

目の前の壁に気が付かず

ガシャンとゴンとぶつかった

 

どこをいためたかというと

表面のおうとつがなくなって

ずんべらぼうになっちゃった

 

 

これはヤバい とおもったが

ときすでに間に合わず

そのずんべらぼうを引きずってかくれたが

 

おい おい 君 君 と、みつかって

君は一体

紙かいな

ほっといてくれかいな