声
きこえない
声もある
いたんだこころから
その声は
ほそいほそい
糸のように
みえないもののようになるから
だれかが
イヤーホンで
きいてくれている、と
しんじて
だしつづけよう
その声を
晴れた空に浮かぶ
雲がはこんでくれるかもしれないから
おちついて
鉢植えに
おいしい水をやろう
きこえない声が
みごとにさくように
声
きこえない
声もある
いたんだこころから
その声は
ほそいほそい
糸のように
みえないもののようになるから
だれかが
イヤーホンで
きいてくれている、と
しんじて
だしつづけよう
その声を
晴れた空に浮かぶ
雲がはこんでくれるかもしれないから
おちついて
鉢植えに
おいしい水をやろう
きこえない声が
みごとにさくように
One Drop
きみは
突然
ぼくの前に
おちてきた
なんの
てらいもなく
ただ 当然の様に
きみは
散崋のように
ひらひら舞わずに
なにか素っ頓狂に
着地した
ぼくは思わず
踏みつけるところだった
そっと
崩れないように拾い上げた
が
それからぼくは
きみをどうすればいいのか
と
かんがえた
が
わかるはずはないのだった
きみはちっておちた
さくらのはなで
ぼくはとおりかゝったにんげんで
なんのかんけいもないのだから
でも、ひろいあげたということは
かんけいがあるということではないか
ぼくはきみのすがたをスキャンしてほぞんした
でも
もうそのすがたは
きみであってきみでないそんざいになり
ふくざつにおれまがった現実であり
世界としては
一歩前進したことになる
こんな小さな前進が
人間が誕生していらい
芋蔓式にとぎれぬ時間の
正体なのかもしれない
あおいみそらに
あかいうお
そんなふうけい
夢みたいだなあ
およぐと
そよそよ
なみだのたまった
ひとのみむねを
きれいなくうきで
あらってくれる
かなしみは
せいれつなかぜにふかれて
さつきのきせつに
つつまれて
しばしのあいだ
ゆめをみる
たのしいゆめを
ああ
こいのぼり
かぜのまなかを
およいでゆくよ
ゆくさきはわからないけど
いっしょうけんめい
およいでゆくよ
かぜさん
しばらくふきつづけ
古木の幹にすがるように
咲いている花たち
天敵もいないようだから
無事咲き終えるだろう
自然の不思議な思想
科学がやっきになって
仕組みを解明する
だが・・・・
或るところで
科学ではなく
心 が
心 で
感じるのに違いない
冬の夜 ひとりでいる
冬の夜 ひっきりなしに
冬の夜 ひえてくる
冬の夜 しんしんとはきこえぬ
冬の夜 むごんのくうき
冬の夜 むかしよりもさむざむと
冬の夜 ねむりたくないきがする
冬の夜 いつまでおきているつもり
冬の夜 ちゃわんをあらうきがしない
冬の夜 へやはちらけたままでよい
冬の夜 パソコンはオンラインでもメールはこない
冬の夜 オーディオのでんげんライトのブルーてんとう
冬の夜 テレビのでんげんライトのレッドてんとう
冬の夜 にわきのえだにやみがまきつくきりきりと
冬の夜 けいたいにちゃくしんはない
冬の夜 まだいちじだからねむくない
冬の夜 ひとりでいる
冬の夜 しだいしだいにしずかになる
冬の夜 さめているひとのかずは
冬の夜 かぞえるてだてもなく
冬の夜 パソコンのキーをうつ
冬の夜 かすかなおんりょうでポップスをきく
冬の夜 そとはくもりかまたはれか
冬の夜 エアコンさんがいてくれて
冬の夜 さむくはないのにひえてきた
冬の夜 そろりそろり
冬の夜 ちんもくとせいじゃくと
冬の夜 ふたつあわせで
冬の夜 そのすきまに
冬の夜 ちょうどからだがはいりこむ