エアー枕
川がながれ
春は華やぐ
櫻や蒲公英
農家の庭に
やすらかな藁が
にぶくかがやく
山の上に浮かぶ雲
そのかたちで
みんながすきかってに
こころをのせる
ひつじにみえても
やぎだという
やぎにみえても
うしだという
うしにみえても
ふねだという
きりがなくて
かってにしたら
と
おおきな意見が
雲たちに
ひとつひとつの
いのちをふきこむ
鋼鉄製の枕よりも
エアー枕のほうが
ぐっすりねむれそうだ
あまりはっきりみえないほうが
芸術的だとおもいませんか
ねぇ みなさま
かえれないなら
にんげんたちは
かこにはかえれない
みらいにしかかえれない
かえるということばのしようじょうけんは
ここでみごとに
こわされる
こわしてから
かけていって
ころんでたちあがったような
おさなごのかおつきになる
ほうこうをかえても
かこはなつかしむもの
みらいは・・・
なつかしむことはできない
が
なつかしむようにすることはできる
そのつもりになれば
みらいとイコールのきょうを
いきればいい
そして
かえることなぞ
おもいものぞみも
しなくていい
だからみらいにかえれ