時代の矛先
皇紀とは
ひかった
矛先?
それとも頑丈な矛盾?
天土(あめつち)の神楽(かぐら)唄(うた)を
十二の春に唄い
衆人のさなかで
はなやかに
紅白の衣を着た少女の振る鈴の音が響いて
玉砂利の音と交錯した
それから不吉なことばかりがおこり
なにはともあれ
お金がたくさん必要になり
それも、必要以上に
音のする硬貨などは眼もくれないで
火をつければ燃えてしまう
高額紙幣争奪戦がはばかり
皇紀などは
羽を折られた鳥となって
きえさったのだが
時代の感情は
羽毛が風に舞うように
七転八倒したうえに
通りすぎねばならない路上に
不気味な怪獣の世界をかもしだした
(註)1940年を皇紀2600年として全国で祝賀会が催された。当時は氏神さんが敬愛され、神道が隆盛、小学生も参加した。
この詩を読ませていただいてつよく考えます。
怯えているだけでは駄目だと思います。しかし、日常という風は容赦なく吹き続けます。若い世代にお願いするしかないと思います。しっかりとした考えを持っている若者は、沢山います。申し訳ないが、次世代の若者におねがいしましょう。