居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

時代の矛先

2012-12-23 11:03:57 | ポエム

時代の矛先

 

皇紀とは
ひかった
矛先?
それとも頑丈な矛盾?
天土(あめつち)の神楽(かぐら)唄(うた)を
十二の春に唄い
衆人のさなかで
はなやかに
紅白の衣を着た少女の振る鈴の音が響いて
玉砂利の音と交錯した

それから不吉なことばかりがおこり
なにはともあれ
お金がたくさん必要になり
それも、必要以上に
音のする硬貨などは眼もくれないで
火をつければ燃えてしまう
高額紙幣争奪戦がはばかり
皇紀などは
羽を折られた鳥となって
きえさったのだが

時代の感情は
羽毛が風に舞うように
七転八倒したうえに
通りすぎねばならない路上に
不気味な怪獣の世界をかもしだした

 

 

 

 

(註)1940年を皇紀2600年として全国で祝賀会が催された。当時は氏神さんが敬愛され、神道が隆盛、小学生も参加した。 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ふたたび? (えのも)
2012-12-31 21:08:34
高貴な唄や純な少女の美しい姿に惑わされる恐ろしさ、「不気味な怪獣の世界」に衆人が巻き込まれる、そんな時代の矛先がみえる今、私は何をすればいいのでしょう。
この詩を読ませていただいてつよく考えます。
返信する
Unknown (居間塵)
2013-01-03 19:43:12
えのもさん、グローバルという言葉で世界が一つの方向に進んでいくのは、ほんとうに良いのかどうかです。
怯えているだけでは駄目だと思います。しかし、日常という風は容赦なく吹き続けます。若い世代にお願いするしかないと思います。しっかりとした考えを持っている若者は、沢山います。申し訳ないが、次世代の若者におねがいしましょう。
返信する