居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

文庫本

2012-03-29 01:01:10 | ポエム

文庫本

 

夕方
買い物をするときに
ちいさな本屋さんの前を通る
入ると
おくの方で
犬がちいさく
吠える

この本屋さんには
時々再刊の文庫本が
数冊ならぶことがある
再刊でも新刊だから
テカテカそこだけ
かがやいている
どんな本でも
なかみにかんけいなくだが

照り映えているその輝きに
ついひかれて買う
面白そうなのを
一冊えらんで誰もいないレジへ

大声あげてよびだしてその文庫本を買う
かえって直ぐに三頁ほど読む
そしてそれからてきとうに
隙間をうめるように置く
ジ-ドの横にリルケがならんでいる
そのうしろにはディドロや青木繁がいる
各種辞典が寝そべっているかと思えば
重なる様に誰かがいて
呻いている

「おまえだれ」
「ぼくボオドレール」
「上にいる奴重い奴」
「永遠の・・・と言う奴」
「そいつをのけてくれ」

 


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