あたまのなかに窓があるなら
あたまのなかの窓は常時開放
あつい空気が逆上して通っても
冷たい空気が厳しさをかざして通っても
なま暖かい風が昏睡をさそって通っても
震えるような冷たい風が冷酷に振舞いながら通っても
あたまのなかの窓という窓をすべて開放しておけば
すべての空気や
すべての思惑を
窓からほうりだして
静寂と黙考を手にすることができる
窓を閉ざした部屋で孕む
赤い舌と青ざめた歯牙のそよぐ場所を
あたえてはならない
いつもどんな風も空気も
吹き過ぎるものだから
枝や葉の先々の鳥たちのように
とまどってはならぬ
やがて開かれていた窓から
優美ななにかがおくりこまれたら
その場ですべての窓をとじ
酒でものんでいればよい
そしてこれがいちばんというもので
シンプルにいきてみたら
松竹梅などと言わずに
結構楽しいよ