その日
その日は
青い空が
海のような色をして
波のような色をして
雲がいったりして
さまざまなかたちを
絵にかいてくれる
絵はしばらくすると
みたこともないかたちを
つくりはじめる
ひつじだというと
うまだろうといい
うしだよといい
だちょうのむれだともいう
それぞれの眼には
それぞれの思惑がある
大きな意見が
風にのってきたら
みんなあざやかに
けしていった
それぞれの思惑は
けされずに
脳裏にすみついて
はばたくのだが
もう眼にはみえないものになってしまった
なにか
羽音がするのは
そういうときにちがいない