川と水
昔の川は
飲み水にでも
洗濯にでも
野菜や茶碗洗いにでも
とにかくそこに比重をおいての
検査や調査もなく
川辺のひとたちの
暮らしのかなめであったときく
いま
そんな水は
川にながれているのだろうか
スーパーやコンビニの
紳士のような立派な厚いガラス戸のなかで
兵隊のようにいならんでいる天然水
その水は
もともとは川の水
ペットボトルというケミカル瓶につめこまれて
その水は
遠くの川までいちいち汲みにいかなくても
経済がはこんでくれる
科学が保証してくれる
清らかで安全で美味しい水
昔の川も
いまの川も
なにかのしごとを
人知れず
苦労しながら
耐えながら
ながれているのだ
いつまでかわからぬままに