そのうちに
ぼくは
とんだ思いを
ある日のみしらぬ街角の
ショーウィンドウのなかの
うつくしい言葉のかたちの
ハンドバッグのなかえ
こっそりとかくした
しばらくは
ぼくは未熟な心象風景をスケッチし
その風景をどうしたら輝かせられるかを
こころみたが
あのみしらぬ街角のショーウィンドウのなかの
あのハンドバッグのなかえかくしたとんだ思いが
筆先を混乱させるのに抵抗できず
突風のように
吹き乱れてしまった
それからというものは
もう毎日あのみしらぬ街角にたって
ショーウィンドウをみながら
うつくしい言葉のかたちの
ハンドバッグばかりが
めについてはなれなくなって
日がな一日通行人を
映しこむ
一枚のこわれやすい
ショーウィンドウのガラスと化した
ぼくなりの
これが
あたらしい
セイカツに
なったんだ
そして
今日はおおぞらはれて
太陽が
ぼくを
かがやかせてくれたかもしれないような
まぶしさをかんじていた
きっと
あの
とんだ思いが
結露したんだ