ある日 僕は
都会の繁華街をゆきずりに
とおった
あふれて
こぼれて
ほこりまみれになって
物という物が
人間の欲望を
写しだしていた
ぎしぎし
がりがり
ばらばら
時には
軍隊のように
整列して
どうしようもなく
やるせない政策のような
ラッパが鳴り響いている時もあった
突然 地方の商店街の風が
ひんやりとして
僕のなかをふきすぎていった
が
目前にするものは
乱雑の展示と
あと少しの享楽をにおわせた
物品たちの囁きであった
人波は途切れずにやってきて
当然のように
僕をかるがると
飲み込んでいった
舌鼓(したづつみ)をうちながら