「
【冒頭発言】
私から、ここまでに入っている状況等についてご報告申し上げる。
まず、先般からご報告している東京電力福島第一原子力発電所3号機における水素爆発の状況。周囲のモニタリングを注視をしているが、いまのところ特段の観測値の上昇などは見られない。爆発の影響で注水作業が中断をしていたが、現在、復旧に向け努力をしている。いまのところ各原子炉のデータなどは安定しているが、早期の注水再開に向けて努力をしているところ。なお、これまで注水していた1号機、3号機に加えて、2号機についても3号機の爆発後、原子炉の冷却装置が停止して、水位が低下しつつあるので、これについても海水注入の準備を進めている。
この爆発でけがをされた皆さんだが、自衛隊関係の4人については、けがの程度は軽く、すでに隊に戻られているとの報告を受けている。残り7人の東京電力関係の皆さんについては、それぞれのけがの状態があるが、1人が重傷の模様であるものの、意識はあるという報告が初期の段階で入っていて、その後の新しい情報は入っていない。20キロ圏外への退避過程にあられた皆さんについては、屋内退避を14時12分解除し、可能な方から移動を再開するよう促しているところ。
日銀から公表されているかと思うが、政策決定会合において基金による資産買い入れの増額5兆円~10兆円が決定されたということで報告を受けている。東北電力原町火力発電所敷地内の火災については、現地、南相馬地区の相馬消防本部から15時30分、県に入った報告に基づくと、火力発電所内のクレーンが倒れ、そのクレーン用の燃料が燃えているという状況で、延焼防止に努めている。物資支援にかかる経費への予備費の使用だが、まずは302億円を食料、飲料、毛布、医薬品、日常生活品等の物資の支援のため、国費率100%で支出をする。その閣議決定をこの後、持ち回り閣議で行う予定。
さらに現地の厳しい状況が伝えられている。総理においては、こうした避難所等でご苦労されている皆さんの状況をはじめ、現地状況を直接把握したいという強いご要望があったが、現地と若干の調整をしたところ、総理においでいただくことは現状では救援・救命活動の状況から現時点ではなかなか受け入れが困難という事情が拝察できたので、現時点では、現地からの適切な情報が官邸にあがってくることをもって、現地の皆さまのニーズに適切に応えるべく当面努力していこうという判断をした。
【質疑】
【福島第一原発】
――昼前の会見で、3号機の爆発以降、注水を継続していると言っていたが。
あの段階で、爆発の時点で注水がなされていた、そこから退避を、そのまま注水されている状態で退避をしているので、注水されているのではないかという見通しをお示しした。その後、状況が安定して、復旧のために作業員の皆さん、3号機、そして1号機や2号機の対処のために現状を把握したところ、水が入っていない状況が把握されたので、この復旧に向けて努力をしているところ。
――2号機の冷却装置が停止して水位が低下しつつあるのは、3号機の爆発と関係あるのか。
これはある段階で、冷却のシステムからいずれにしても水を注入する状況へと安定化させていくプロセスのなかで進んでいかざるを得ないというか、次の対応策に進んでいかなければならないということは想定をしていた。ただ、爆発の影響でこれを注入する、海水注入へと段階を変えるための作業がいま若干当初の想定より遅れている。
――燃料棒は露出しているのか。
いまのところ露出をするか、していないか、ギリギリぐらいの状況ではないかと思う。
――1号機、3号機のような爆発の可能性は。
露出の時間や、露出している部分の大きさ等を最小化するべく全力をあげて現場の皆さん、努力をしていただいているところ。
――福島第一原発で避難民を誘導していた警察官が被曝(ひばく)したとの情報。
避難されておられる皆さんについては、発電所周辺で放射線量を検出している。従って、放射性物資が周辺にあるということ。ただ、これは人体に直接影響をするものではない数値でこの間、推移をしている。10キロ圏内、20キロ圏内、こうしたものが量的なところ、風の影響等で正確なところは判断できないが、周辺部での数値に基づけば人体に影響を与える可能性の少ない量の放射性物質が付着等している可能性があるということで、これは一般的にそのチェックは行っている。具体的に、どこでどういった方が放射性物質が付着等をしてということについての情報はまだ集約はしていない。
――警察官2人は重症との情報も。
その情報は私がここに入ってくる段階では入っていない
――自衛隊4人は被曝(ひばく)の調査、放射線量の調査はしているのか。
――当然のことながら、そうしたプロセスが必要になると思っているので、そうしたプロセスをされているものと思うが、確認は改めてはしていない。
【被災地への支援】
――緊急物資の被災地への運搬状況は。
全力をあげて行っているが、当然、被災地の皆さんからすれば一刻も早くということなので、そうしたニーズに完全にお応えできているわけではない。それにできるだけお応えできるよう全力をあげている。
【福島第一原発その2】
――政府も保安院も東電も随時記者会見をしているが、速やかな情報提供ができていると考えるか。原発周辺の住民からは東電の情報提供が遅いとの指摘も。役割分担、あるべき姿についてはどう考えるか。
この件についての情報については、できるだけ早く、しかも正確な情報をお伝えをすることが重要だと考えている。それは官邸の対策本部としても、できるだけ早く正確な情報を把握することが対応方針を判断するうえで重要だと思っているし、国民の皆さまにご心配をできるだけお与えしないためにも、それを適切にお伝えしていくことが重要だと考えている。一方で、不正確な情報をお伝えすることは、これまた別の意味で国民の皆さんにご心配をお与えし、混乱を生じさせるということになる。
対策本部としても情報が正確なものであるかどうか、あるいは、その確からしさがどういったものであるかどうかということを検証しながら、正確さについてしっかりとご説明できる段階の情報については適宜発表させていただいていると思っている。これについては、さらにできるだけその段階、スピードを早めるように現場、現地に対しても求めているし、私たちも努力してまいりたいと思っている。
――国際原子力機関(IAEA)が福島第一原発についていかなる支援も提供する用意があると発表。IAEAと日本政府でやりとりしているか。
直接対策本部の方ではしていないが、関係省庁を通じて連絡はとらせていただいている。定期的に関係省庁を通じて連絡はとっている。
――米国の原子力規制委員会が担当者2人を日本に派遣したと発表。可能な限りの支援をするとのこと。どういう支援を求めているのか。
専門的なニュースの分野なので、具体的に海外の専門家の皆さんの知見が、必要な情報があれば、適宜、その知見を活用させて頂くべく、相談させていただく態勢はとっているが、すみません、これは私が関わる対応本部、全体の構造の中では、直接、具体的にこういう相談をした、相談をする、という状況は報告は受けていない。専門家のレベル同士のところでは、一定の連絡、相談はさせていただいているということ。
――海外からの支援が必要になっているという認識はあるか。
これについては、いま、対策本部の立場、状況から見ているところでは、いわゆる技術的な専門的な知識、知見の問題以上に、状況、情勢の正確かつ早期の把握と、それに対して、原子力に対する知見が前提になるが、それ以外の対処手段、それの迅速化が問われてきている場面が、この間、続いてきたと私どもなりには判断しているが、同時に、原子力、原子力発電所のシステム等に対する専門的な知見が必要であるという点では、さらに海外の専門家の皆さんの知見も活用させて頂けるように、これは、現場の専門家、東京の専門家に連絡をしたいと思っている。
【計画停電】
――政府として計画停電が必要になる可能性が高いと、いつごろ把握したのか。最終的に決定されたのは、総理発表のどれくらい前だったのか。
この状況の連続なので、正確に東電から、可能性の情報として、本部にあがってきた時刻等については、必要があれば、改めて確認して、報告したい。当然、発表の前の段階で、可能性については報告を受けていた。決定と公表のタイミングだが、様々な最低限の発表にあたって、整理していく情報について、整理して、これで行こうという段階からは、そうした大きな時間差はなく公表させてもらったと記憶している。そのあたりの時間的な流れについては、必要があれば改めて報告したい。
【福島第一原発その3】
――原子炉をどれくらいの時間冷却すれば、事態が収束するのか。
一般的に水で冷やし続けると、水を新たに注入しながら冷やし続けて、どれくらいで安定した状態になるかは、専門的な分野だが、いま、私どもは、そうした冷却で収束に向かう状況に向けたプロセスをつくりあげて、安定させる努力を続けているところ。いまの専門的な、時間的な想定については、専門家の知見、必要があれば次回私から報告するし、保安院への会見等でお尋ね頂ければ。
【計画停電その2】
――計画停電で、昨日、実施するエリア、スケジュールの発表が夜遅くなったことが混乱の一因に。明日以降のエリア、スケジュールの発表の見通しは。
その点の問題意識は共有している。従って、私からは、できるだけ早い時間に発表して、周知を図るように、東電に指示している。この会見後、その点について、東電と直接連絡をとろうと思っている。
【福島第一原発その4】
――原発の爆発の件。1号機と3号機が爆発したが、いずれも冷却機能がストップして、海水を入れて爆発した。2号機でも同じことをやると、同じような爆発が起きるのでは。
そうした事態を回避すべく、できるだけ早く海水を入れて、安定化させたいという作業を現地で全力を挙げていただいている。
――海水を入れると、水素が発生して……。
そういうことではない。海水を入れる前のプロセスの所の時間を、短くできるかということだと聞いている。
――福島第一原発のほかの炉のついて冷却がどうなっているのか。冷却装置が次々故障を起こしている。予防的措置は打てないのか。
ご承知の通り、第1、第3とも、すでに海水注入、冷却のプロセスに入っている。第2についても、そのプロセスに入らざるを得ない段階の所で、前回報告の爆発があったという中で、三つの炉とも、海水注入をできるだけ早期に回復して、それをできるだけ安定的に継続するというのが、冷却のための手段ということで、これに全力で取り組んでいるというところ。
【計画停電その3】
――計画停電。できるだけ早い段階で発表して周知を図るという指示を昨日も東電にした上で、発表が午後8時になったのか。
それは、できるだけ、あらゆる情報について、できるだけ早く決定して、できるだけ早く周知して、計画停電による混乱を、あるいは不便を最小化するようにということは、この問題が、途上に上った最初の段階から、言っている。
――夜8時は早いと思うか。
国民の立場からは、もっと早い時間にという思いを持たれるのは当然だと思う。一方で、地震発生から、週末を挟んでいたが、週明けの月曜日には電力消費が、一般的には消費量が上がるという状況の中で、その間に、本当にこの間、特に昨夜、昨日の午後くらいからは、例えば病院関係、鉄道関係、あるいは警察の信号その他、あらゆる分野のところの周知と対応の取り組みを行ってきた。
そうしたものをセットして、そして、具体的な方法を決めて公表するということについての、できるだけ早くという対応を進めてきたということの中で、結果的に国民の立場から見れば、いまのような状況になったのは、大変残念に思っているし、大変遺憾に思っている。
――この後計画停電で実際に供給が止まるが、国民にどのような対応を呼びかけるか。
本日はここまでのところ、そろそろ実施に移すのか、もうすぐなのかというぐらいのタイミングだが、実際には電力供給をストップすることなく、ここまでくることができた。これは本当に多くの国民が節電に最大限の協力をいただいている結果だと心から感謝と敬意を申し上げる次第だ。
しかし、いよいよ電力供給をストップするという作業に入らざるを得ない状況であると報告受けている。約3時間、電気が届かないという状況に置かれることになる皆さんには大変心配だろうと思うが、ぜひ全体の予測されない停電というものを防ぐためにやむを得ない措置なので、冷静に対応いただければと思っている。
――その間、政府として支援することはあるか。
すでにその間必要な支援については、昨日来万全を期して対応をしてきている。この対応が実際に結果につながることを祈って、さらにぎりぎりの所までその対応を継続しているところだ。
――首相が質疑に応じないので聞くが、首相が昨日、社民党首に対し原発事故の原因を「東電の報告が遅かった」と述べた。事実関係は。長官はどういう認識か。
個別のトップ同士の話の中身なので、相手方もある話なので、軽々に外に申し上げるべきではない。私の認識としては、特に現場の発電所の関係者の皆さん、最善を尽くす努力を重ねてきていただいているが、できるだけ早い情報が正確に入れば、保安院、原子力安全委員会、日本最高の専門家の知見を生かして対処方針を決められる。これについては早すぎて悪いことはない。できるだけ早いことが被害拡大を最小化するために必要だと思っている。
――鉄道事業者と政府の調整はどうなっているのか。
少なくとも対策本部としては、国交省に対しては鉄道に限らないが、関連するあらゆる分野部門に対して節電の協力のお願いの指示をしている。そこと具体的な電力受給者との関係は直接には把握していない。主に電力契約の問題なので電力会社のほうでは相手先との契約の量その他も分かっているので、大口需要者中心に自主的に電力を使わないという協力のお願いを電力会社の方からしていただくことを、私のほうから要請した。
――停電がいつ解除するか分からないが、東電側にめどを聞くことはできないか。
これについては、いま、使えていない発電所の機能の回復がどのタイミングでどういうふうにできていくのかが一つの要素。もう一つの要素は国民が節電にどう協力していただけるか、さまざまな生活、経済活動などの前提で認容される範囲内で、最大限の節約というものを安定的にとっていただくことが可能であれば、それとの関係で、需要と供給のバランスで決まるので、今の段階では具体的な想定を申し上げるのは時期尚早であるということを申し上げている。
節電の協力を申し上げた結果として、節電の協力をいただき、本日は計画停電のプロセスに入ったが、実際の電力供給のストップというのを後ろに倒すことができた。皆さんの協力の積み重ねの中でできるだけ早く計画停電という手法によらず節電努力の中で対応できる状況が望ましいと思っているので、こうした積み重ねの中で見通しを示してまいりたい。
――国民の協力を求めたいということだが、政令で縛りをかける考えはないか。
まずは、多くの国民にとっても事業者にとっても、それぞれの工夫の中でできる小さな積み重ねというものは多々ある。これは法規範で縛ってできる範囲のものではない。こうした積み重ねの上に、現実に今日は計画停電、そのことがなされるだろうという現実の中での、さまざまな節電努力がなされたことはさまざまな活動に一定の大きな影響を与えている。まずは影響の小さな身近な所でできる努力を積み重ね、その上で全体としての節電の状況と電力供給とのバランスをみながら、対応していく必要があるんだろう。
【福島第一原発その5】
――米海軍が、三陸で救援活動していたヘリ部隊員から放射線が検出されたと発表したが、把握しているか
これはこの間、福島第一、第二の原発の対応、このうち放射性物質が外に出ている可能性があるのは第一原発の三つの炉だが、この三炉について圧力を弱めるためには一定の放射性物質が外に出るということは、この間、皆さんにお伝えしてきた。人体に影響を与えない範囲の放出だが、放出されているのは事実であり、そうした物質が付着している可能性というのは一般的にあり得る。
【被災地への支援その2】
――救援物資をヘリから届けるということだが、どの程度実施できているか。
届け出しているということは間違いないが、いままさに必要なところに、どんどんまず送る作業に全力を挙げている。まさに被災から時間もたっている。ある段階で集約して報告できるのではないか。
」
2011年3月14日20時38分
枝野幸男官房長官の14日午後4時15分の記者会見の内容は次の通り。【冒頭発言】
私から、ここまでに入っている状況等についてご報告申し上げる。
まず、先般からご報告している東京電力福島第一原子力発電所3号機における水素爆発の状況。周囲のモニタリングを注視をしているが、いまのところ特段の観測値の上昇などは見られない。爆発の影響で注水作業が中断をしていたが、現在、復旧に向け努力をしている。いまのところ各原子炉のデータなどは安定しているが、早期の注水再開に向けて努力をしているところ。なお、これまで注水していた1号機、3号機に加えて、2号機についても3号機の爆発後、原子炉の冷却装置が停止して、水位が低下しつつあるので、これについても海水注入の準備を進めている。
この爆発でけがをされた皆さんだが、自衛隊関係の4人については、けがの程度は軽く、すでに隊に戻られているとの報告を受けている。残り7人の東京電力関係の皆さんについては、それぞれのけがの状態があるが、1人が重傷の模様であるものの、意識はあるという報告が初期の段階で入っていて、その後の新しい情報は入っていない。20キロ圏外への退避過程にあられた皆さんについては、屋内退避を14時12分解除し、可能な方から移動を再開するよう促しているところ。
日銀から公表されているかと思うが、政策決定会合において基金による資産買い入れの増額5兆円~10兆円が決定されたということで報告を受けている。東北電力原町火力発電所敷地内の火災については、現地、南相馬地区の相馬消防本部から15時30分、県に入った報告に基づくと、火力発電所内のクレーンが倒れ、そのクレーン用の燃料が燃えているという状況で、延焼防止に努めている。物資支援にかかる経費への予備費の使用だが、まずは302億円を食料、飲料、毛布、医薬品、日常生活品等の物資の支援のため、国費率100%で支出をする。その閣議決定をこの後、持ち回り閣議で行う予定。
さらに現地の厳しい状況が伝えられている。総理においては、こうした避難所等でご苦労されている皆さんの状況をはじめ、現地状況を直接把握したいという強いご要望があったが、現地と若干の調整をしたところ、総理においでいただくことは現状では救援・救命活動の状況から現時点ではなかなか受け入れが困難という事情が拝察できたので、現時点では、現地からの適切な情報が官邸にあがってくることをもって、現地の皆さまのニーズに適切に応えるべく当面努力していこうという判断をした。
【質疑】
【福島第一原発】
――昼前の会見で、3号機の爆発以降、注水を継続していると言っていたが。
あの段階で、爆発の時点で注水がなされていた、そこから退避を、そのまま注水されている状態で退避をしているので、注水されているのではないかという見通しをお示しした。その後、状況が安定して、復旧のために作業員の皆さん、3号機、そして1号機や2号機の対処のために現状を把握したところ、水が入っていない状況が把握されたので、この復旧に向けて努力をしているところ。
――2号機の冷却装置が停止して水位が低下しつつあるのは、3号機の爆発と関係あるのか。
これはある段階で、冷却のシステムからいずれにしても水を注入する状況へと安定化させていくプロセスのなかで進んでいかざるを得ないというか、次の対応策に進んでいかなければならないということは想定をしていた。ただ、爆発の影響でこれを注入する、海水注入へと段階を変えるための作業がいま若干当初の想定より遅れている。
――燃料棒は露出しているのか。
いまのところ露出をするか、していないか、ギリギリぐらいの状況ではないかと思う。
――1号機、3号機のような爆発の可能性は。
露出の時間や、露出している部分の大きさ等を最小化するべく全力をあげて現場の皆さん、努力をしていただいているところ。
――福島第一原発で避難民を誘導していた警察官が被曝(ひばく)したとの情報。
避難されておられる皆さんについては、発電所周辺で放射線量を検出している。従って、放射性物資が周辺にあるということ。ただ、これは人体に直接影響をするものではない数値でこの間、推移をしている。10キロ圏内、20キロ圏内、こうしたものが量的なところ、風の影響等で正確なところは判断できないが、周辺部での数値に基づけば人体に影響を与える可能性の少ない量の放射性物質が付着等している可能性があるということで、これは一般的にそのチェックは行っている。具体的に、どこでどういった方が放射性物質が付着等をしてということについての情報はまだ集約はしていない。
――警察官2人は重症との情報も。
その情報は私がここに入ってくる段階では入っていない
――自衛隊4人は被曝(ひばく)の調査、放射線量の調査はしているのか。
――当然のことながら、そうしたプロセスが必要になると思っているので、そうしたプロセスをされているものと思うが、確認は改めてはしていない。
【被災地への支援】
――緊急物資の被災地への運搬状況は。
全力をあげて行っているが、当然、被災地の皆さんからすれば一刻も早くということなので、そうしたニーズに完全にお応えできているわけではない。それにできるだけお応えできるよう全力をあげている。
【福島第一原発その2】
――政府も保安院も東電も随時記者会見をしているが、速やかな情報提供ができていると考えるか。原発周辺の住民からは東電の情報提供が遅いとの指摘も。役割分担、あるべき姿についてはどう考えるか。
この件についての情報については、できるだけ早く、しかも正確な情報をお伝えをすることが重要だと考えている。それは官邸の対策本部としても、できるだけ早く正確な情報を把握することが対応方針を判断するうえで重要だと思っているし、国民の皆さまにご心配をできるだけお与えしないためにも、それを適切にお伝えしていくことが重要だと考えている。一方で、不正確な情報をお伝えすることは、これまた別の意味で国民の皆さんにご心配をお与えし、混乱を生じさせるということになる。
対策本部としても情報が正確なものであるかどうか、あるいは、その確からしさがどういったものであるかどうかということを検証しながら、正確さについてしっかりとご説明できる段階の情報については適宜発表させていただいていると思っている。これについては、さらにできるだけその段階、スピードを早めるように現場、現地に対しても求めているし、私たちも努力してまいりたいと思っている。
――国際原子力機関(IAEA)が福島第一原発についていかなる支援も提供する用意があると発表。IAEAと日本政府でやりとりしているか。
直接対策本部の方ではしていないが、関係省庁を通じて連絡はとらせていただいている。定期的に関係省庁を通じて連絡はとっている。
――米国の原子力規制委員会が担当者2人を日本に派遣したと発表。可能な限りの支援をするとのこと。どういう支援を求めているのか。
専門的なニュースの分野なので、具体的に海外の専門家の皆さんの知見が、必要な情報があれば、適宜、その知見を活用させて頂くべく、相談させていただく態勢はとっているが、すみません、これは私が関わる対応本部、全体の構造の中では、直接、具体的にこういう相談をした、相談をする、という状況は報告は受けていない。専門家のレベル同士のところでは、一定の連絡、相談はさせていただいているということ。
――海外からの支援が必要になっているという認識はあるか。
これについては、いま、対策本部の立場、状況から見ているところでは、いわゆる技術的な専門的な知識、知見の問題以上に、状況、情勢の正確かつ早期の把握と、それに対して、原子力に対する知見が前提になるが、それ以外の対処手段、それの迅速化が問われてきている場面が、この間、続いてきたと私どもなりには判断しているが、同時に、原子力、原子力発電所のシステム等に対する専門的な知見が必要であるという点では、さらに海外の専門家の皆さんの知見も活用させて頂けるように、これは、現場の専門家、東京の専門家に連絡をしたいと思っている。
【計画停電】
――政府として計画停電が必要になる可能性が高いと、いつごろ把握したのか。最終的に決定されたのは、総理発表のどれくらい前だったのか。
この状況の連続なので、正確に東電から、可能性の情報として、本部にあがってきた時刻等については、必要があれば、改めて確認して、報告したい。当然、発表の前の段階で、可能性については報告を受けていた。決定と公表のタイミングだが、様々な最低限の発表にあたって、整理していく情報について、整理して、これで行こうという段階からは、そうした大きな時間差はなく公表させてもらったと記憶している。そのあたりの時間的な流れについては、必要があれば改めて報告したい。
【福島第一原発その3】
――原子炉をどれくらいの時間冷却すれば、事態が収束するのか。
一般的に水で冷やし続けると、水を新たに注入しながら冷やし続けて、どれくらいで安定した状態になるかは、専門的な分野だが、いま、私どもは、そうした冷却で収束に向かう状況に向けたプロセスをつくりあげて、安定させる努力を続けているところ。いまの専門的な、時間的な想定については、専門家の知見、必要があれば次回私から報告するし、保安院への会見等でお尋ね頂ければ。
【計画停電その2】
――計画停電で、昨日、実施するエリア、スケジュールの発表が夜遅くなったことが混乱の一因に。明日以降のエリア、スケジュールの発表の見通しは。
その点の問題意識は共有している。従って、私からは、できるだけ早い時間に発表して、周知を図るように、東電に指示している。この会見後、その点について、東電と直接連絡をとろうと思っている。
【福島第一原発その4】
――原発の爆発の件。1号機と3号機が爆発したが、いずれも冷却機能がストップして、海水を入れて爆発した。2号機でも同じことをやると、同じような爆発が起きるのでは。
そうした事態を回避すべく、できるだけ早く海水を入れて、安定化させたいという作業を現地で全力を挙げていただいている。
――海水を入れると、水素が発生して……。
そういうことではない。海水を入れる前のプロセスの所の時間を、短くできるかということだと聞いている。
――福島第一原発のほかの炉のついて冷却がどうなっているのか。冷却装置が次々故障を起こしている。予防的措置は打てないのか。
ご承知の通り、第1、第3とも、すでに海水注入、冷却のプロセスに入っている。第2についても、そのプロセスに入らざるを得ない段階の所で、前回報告の爆発があったという中で、三つの炉とも、海水注入をできるだけ早期に回復して、それをできるだけ安定的に継続するというのが、冷却のための手段ということで、これに全力で取り組んでいるというところ。
【計画停電その3】
――計画停電。できるだけ早い段階で発表して周知を図るという指示を昨日も東電にした上で、発表が午後8時になったのか。
それは、できるだけ、あらゆる情報について、できるだけ早く決定して、できるだけ早く周知して、計画停電による混乱を、あるいは不便を最小化するようにということは、この問題が、途上に上った最初の段階から、言っている。
――夜8時は早いと思うか。
国民の立場からは、もっと早い時間にという思いを持たれるのは当然だと思う。一方で、地震発生から、週末を挟んでいたが、週明けの月曜日には電力消費が、一般的には消費量が上がるという状況の中で、その間に、本当にこの間、特に昨夜、昨日の午後くらいからは、例えば病院関係、鉄道関係、あるいは警察の信号その他、あらゆる分野のところの周知と対応の取り組みを行ってきた。
そうしたものをセットして、そして、具体的な方法を決めて公表するということについての、できるだけ早くという対応を進めてきたということの中で、結果的に国民の立場から見れば、いまのような状況になったのは、大変残念に思っているし、大変遺憾に思っている。
――この後計画停電で実際に供給が止まるが、国民にどのような対応を呼びかけるか。
本日はここまでのところ、そろそろ実施に移すのか、もうすぐなのかというぐらいのタイミングだが、実際には電力供給をストップすることなく、ここまでくることができた。これは本当に多くの国民が節電に最大限の協力をいただいている結果だと心から感謝と敬意を申し上げる次第だ。
しかし、いよいよ電力供給をストップするという作業に入らざるを得ない状況であると報告受けている。約3時間、電気が届かないという状況に置かれることになる皆さんには大変心配だろうと思うが、ぜひ全体の予測されない停電というものを防ぐためにやむを得ない措置なので、冷静に対応いただければと思っている。
――その間、政府として支援することはあるか。
すでにその間必要な支援については、昨日来万全を期して対応をしてきている。この対応が実際に結果につながることを祈って、さらにぎりぎりの所までその対応を継続しているところだ。
――首相が質疑に応じないので聞くが、首相が昨日、社民党首に対し原発事故の原因を「東電の報告が遅かった」と述べた。事実関係は。長官はどういう認識か。
個別のトップ同士の話の中身なので、相手方もある話なので、軽々に外に申し上げるべきではない。私の認識としては、特に現場の発電所の関係者の皆さん、最善を尽くす努力を重ねてきていただいているが、できるだけ早い情報が正確に入れば、保安院、原子力安全委員会、日本最高の専門家の知見を生かして対処方針を決められる。これについては早すぎて悪いことはない。できるだけ早いことが被害拡大を最小化するために必要だと思っている。
――鉄道事業者と政府の調整はどうなっているのか。
少なくとも対策本部としては、国交省に対しては鉄道に限らないが、関連するあらゆる分野部門に対して節電の協力のお願いの指示をしている。そこと具体的な電力受給者との関係は直接には把握していない。主に電力契約の問題なので電力会社のほうでは相手先との契約の量その他も分かっているので、大口需要者中心に自主的に電力を使わないという協力のお願いを電力会社の方からしていただくことを、私のほうから要請した。
――停電がいつ解除するか分からないが、東電側にめどを聞くことはできないか。
これについては、いま、使えていない発電所の機能の回復がどのタイミングでどういうふうにできていくのかが一つの要素。もう一つの要素は国民が節電にどう協力していただけるか、さまざまな生活、経済活動などの前提で認容される範囲内で、最大限の節約というものを安定的にとっていただくことが可能であれば、それとの関係で、需要と供給のバランスで決まるので、今の段階では具体的な想定を申し上げるのは時期尚早であるということを申し上げている。
節電の協力を申し上げた結果として、節電の協力をいただき、本日は計画停電のプロセスに入ったが、実際の電力供給のストップというのを後ろに倒すことができた。皆さんの協力の積み重ねの中でできるだけ早く計画停電という手法によらず節電努力の中で対応できる状況が望ましいと思っているので、こうした積み重ねの中で見通しを示してまいりたい。
――国民の協力を求めたいということだが、政令で縛りをかける考えはないか。
まずは、多くの国民にとっても事業者にとっても、それぞれの工夫の中でできる小さな積み重ねというものは多々ある。これは法規範で縛ってできる範囲のものではない。こうした積み重ねの上に、現実に今日は計画停電、そのことがなされるだろうという現実の中での、さまざまな節電努力がなされたことはさまざまな活動に一定の大きな影響を与えている。まずは影響の小さな身近な所でできる努力を積み重ね、その上で全体としての節電の状況と電力供給とのバランスをみながら、対応していく必要があるんだろう。
【福島第一原発その5】
――米海軍が、三陸で救援活動していたヘリ部隊員から放射線が検出されたと発表したが、把握しているか
これはこの間、福島第一、第二の原発の対応、このうち放射性物質が外に出ている可能性があるのは第一原発の三つの炉だが、この三炉について圧力を弱めるためには一定の放射性物質が外に出るということは、この間、皆さんにお伝えしてきた。人体に影響を与えない範囲の放出だが、放出されているのは事実であり、そうした物質が付着している可能性というのは一般的にあり得る。
【被災地への支援その2】
――救援物資をヘリから届けるということだが、どの程度実施できているか。
届け出しているということは間違いないが、いままさに必要なところに、どんどんまず送る作業に全力を挙げている。まさに被災から時間もたっている。ある段階で集約して報告できるのではないか。
」