以下の文章には、今回のツアーに関するネタバレがふんだんに書かれています。
これから初めてツアーラストに参戦する方は、読まないほうがいいでしょう。
あと、やたらに文章が冗長です(9000文字ほど)。詳細などは、「Perfume ウィキ」で検索すると、ライヴレポートがたくさん上がっていますので、そちらでお楽しみくださいませ。
10月15日、Perfume Second Tour 2009 「直角二等辺三角形TOUR」横浜公演に参戦してきた。
追加公演を含めて、4日間開催されるうちの2日目である。
あ~ちゃんいわく、今回のツアーの「最終日」だそうだ。
今回のツアーでは、私は4回目の参戦で、最後の参戦になる。
関東圏に住んでいる人たちにとっては、ツアー初日の戸田(埼玉県)以来、お待ちかねの横浜アリーナだ。
今回のツアーは、遠征を計画した人は多かっただろうが、関東圏の人たちは、やっと「旅行」せずに行けるライヴになる。
しかしながら、今回の横浜公演は、4日間開催されるすべての日が「平日」という厳しい日程。
私もそうだが、仕事のやりくりをするのに難儀した人は多かったのではないだろうか。
という訳で、仕事をやっつけた後、急いで新横浜へ向かった。
今回は、北海道から来るパフュオタの友人Oさんと一緒に参戦する。
チケットは、そのOさんが用意してくれた。
持つべきものは真のパフュ友である。
毎度上京するたびにアル中の私に美味しそうな北海道の幸をお土産に持ってきてくれる。
サーモン美味しいですOさん。
今回の開催地である横浜アリーナは、7月4日に
「HOT STUFF 30th Anniversary Special Live out of our heads」
が開催されたときに来た。
「木村カエラ∞Perfume」
を見るためである(詳細は「ライヴレポート」をどうぞ)。
そのころは、Perfumeにとっては「逆風」の季節で、なおかつイベントは大失敗。
ガラガラの客席でのライヴとなった。
会場に到着した瞬間に「客が少ないな」と一発で感じた。
「今日はそんなことは無いはず…!」
と信じて17時過ぎに会場に到着。
会場は多数のファンであふれ返っていた。
当たり前の話だが、ちょっとホッとした。
セブンイレブン前で、Oさんと合流。前回の代々木公演以来の再開だ。
仲良しの(笑)AさんとHさんも合流して、しばし歓談してから会場に入った。
今回の座席は、センター(一般的に言うところのアリーナ)C4ブロック。
Y字に張り出した花道ステージの右側の最前列ブロックだ。
「神席!」と叫びたいところだが、最後列なので、背の低い私にとっては背比べ勝負になる。
しかし、花道先端まで15メートルくらいだろうか?表情は読み取れるくらいには近い。
ちょっと感心してしまったのは、センター席の座席の構造だった。
座席に腰をかけると座面が前に倒れ、それと連動して背もたれが後ろに下がる。
逆に、立ち上がると座面は立ち上がり、背もたれは前方に移動する。
簡単に言うと「総立ちになると足元のスペースが広く使える」ということだ。
代々木第一体育館では、前の座席にスネを連打したので、こういったちょっとしたことが嬉しい。
前日のライヴレポをチラチラ読むと、観客のノリがいまいちだったとか、初見の人が多いので、ノリかたを理解している人が少なかったなどと、ちょいとネガティブな感想が見られた。
さてはて、今日はどんな感じになるのだろう…。
大阪公演であ~ちゃんにいじられた「ピンクメガネさん」や、名古屋ではっちゃけた「そうでないひと」の姿を確認。
コスプレイヤーさんたちも数が多い。
開演予定時間の18時半になると、BGMのバスドラを拾っての手拍子開始。
毎度思うのだが、このBGMの音量をもうちょっと上げてくれれば、手拍子もしやすいと思うのだが。
前回のツアーのときの、開演直前に爆音になったメタリカを思い出す。
すでに立ち上がって手拍子をしている人も多数。
こういうノリは良い!
諸注意のアナウンスが流れる。
ここで「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と奇声を発したが、Oさんになだめられた。
周囲の人間には、「ここに要注意人物がいるぞ」というアナウンスになる。
ああ~。いつもながらにこの緊張感がたまらない。
暗転。
総立ち。
まとめウィキよりセットリスト。
01.Take off (ロングver)
02.NIGHT FLIGHT
03.エレクトロ・ワールド
04.Dream Fighter
05.love the world
―MC―
06.Zero Gravity
07.マカロニ
08.SEVENTH HEAVEN
09.Kiss and Music
10.Speed of Sound (着替え曲)
11.edge (⊿-mix)
12.シークレットシークレット
13.コンピューター・シティ
14.I still love U
―MC―
15.ワンルーム・ディスコ
16.セラミック・ガール
17.ジェニーはご機嫌ななめ
―声だし(パッと楽しく遊ぼうのコーナー)―
18.チョコレイト・ディスコ
19.ポリリズム
20.Puppy love
アンコール
E01.パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
E02.Perfume
E03.願い (Album-mix)
さすがに4回目の公演なので、全曲レポは無理です。なので、いくつかの曲を。
MCの内容はずれているかもしれません。ご了承くださいませ。
センターC4ブロックは、ちょうどステージと同じくらいの高さの目線だった。
幸いにも私の前は小柄な女性だったので、視界は確保できたのだが、やはり基本的には誰かの肩越しにステージを見る、という感じだった。
小柄な女性の隣には、美しい日本人女性と、イタリア系?の男性のカップルだった。私はこの男性を「ロレンツォ」と名づけた。
01.Take off (ロングver)
しばしのお別れだ現実社会よ!私は飛び立つ!
周囲は完全に熱狂の渦となった。
私は再び「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と叫ぶが、誰もが叫び声を上げている。
後半にくっつけられたロングバージョンに入り、3人が姿を現す。
無数の手が上がり、3人を歓迎している。
02.NIGHT FLIGHT
ここで、会場の音響を確認してみた。
やはり、名古屋ガイシホールの音圧にはかなわないが、しっかり暴れることができる音圧だった。
大きな音の河が、やや頭上を流れる感じがしたので、スタンドに照準を定めているのかもしれない。
やはり足元のスペースが広いので、飛び跳ねて踊れた。
それでもOさんの足を踏むし、隣の男性とも何度もぶつかった。
03.エレクトロ・ワールド
素晴らしい盛り上がりだセンター席!
ロレンツォも、小柄な女性も飛び跳ねて盛り上がっていた。
この時点で動悸、息切れが激しくなったが、ここで暴れないで一体どこで暴れるというのか。
04.Dream Fighter
05.love the world
―MC―
ここまでノンストップで走りきる。
私のようなおっさんも休憩が必要だが、Perfumeにも休息は必要だろう。
今日はかしゆかがセンターに出てきて、喋ろうとしたが、緊張しているのか言葉が出てこなかった。
それにのっちが助け舟を出す。
昨夜ステージで転倒したかしゆか(大事には至らなかったようで安心)がとても可愛いとのこと。
のっちは「特技」の欄に、「コケかたが上手い」と追加したいとのこと。
それくらいに美しく転倒したそうだが、ただ一回だけなので再びチャレンジをするそうだ。
なんのこっちゃ。
ツアーグッズである「傘」が、前日の豪雨で売れたそうで、大満足のあ~ちゃん。
「やっぱり、日ごろの行いが良いから」ってお前www
前回は長いと感じた客いじりは、実にコンパクトにまとまっていた。
中田ヤスタカのコスが全員残念すぎて笑えた。
「ただ金色のヅラをかぶってサングラスをしている」というレベルw
あ~ちゃんに「いったんクオリティー上げとこ!」と怒られるが、その場でクオリティーを上げられる人間はいないだろう。
「今日はカメラが24台も入っとるよ~」
とのことだが、ここでのMCが短かったのは、それが原因かも知れない。
あ~ちゃんがいじっている客が、すぐにモニターに映されるので、センター席でも十分に楽しめた。
相変わらず、曲が始まったときに「おっ!今日はライヴに来たんだっけな」と思い出す。
06.Zero Gravity
あ~ちゃんくらいに自由になれたら、と思う。
07.マカロニ
すぐ目の前にあ~ちゃん。美しすぎる。
かしゆかは左サイド、のっちは後方(センター前方)。強力な布陣だ。
この曲だけではないが、全体的にどこの客席でも楽しめるように演出やダンスパフォーマンスが考え抜かれている。
08.SEVENTH HEAVEN
間奏部分で、3人が楽しそうに笑っている。
メロディーのためだろうか、見る度に思うが、この幸せそうな三角形が、いつかフッと消えてなくなってしまうのでは?という切なさを感じる。
09.Kiss and Music
今回のツアーでは、この曲は地蔵になる人が多かった。
多かったというより、私以外はほとんどが地蔵と化していた。
「また独りでも踊るさ」
と思っていたら、なんと!ロレンツォと小柄な女性もノリノリでダンスしているじゃないか!
独りでも楽しいが、仲間が増えるともっと楽しい。
10.Speed of Sound (着替え曲)
ここで休憩する人や、トイレに行く人が多くて少し残念~。だが仕方なし。
「さあ!今宵も独りではっちゃけるぞ!」
と思いきや、ロレンツォと小柄な女性もノリノリで踊ってくれた!
シンプルで真っ直ぐな名曲だと思う。
ただ、ロレンツォはどんな曲でも同じようにダンスする。
11.edge (⊿-mix)
この曲のパフォーマンスを初めて見た武道館では度肝を抜かれたが、すでにそれを「過去」として葬り去っている。
前回のレポにも書いたが、Perfumeを越えるのはPerfumeだけだ。
来年の今頃は、これだけ衝撃的だった演出すらも過去に追いやってくれるのだろう。
そして、最新のPerfumeが最高のPerfume。
今日も究極のedgeを体験できた。
センター席周辺も、異常に盛り上がった。
私は、興奮の度合いが何度もピークに達して、ステージを観るでもなく、音楽を聴くでもなく、ただひたすらに真っ暗な天井に向かって叫び声を上げていた。本当に異常。
この演出は、後に映像で残るが、残念ながらこの異常な熱気は収録されないだろう。
「この場」に居合わせなかった連中は、激しく後悔すればいい。
12.シークレットシークレット
edgeの後に続いてもパワー負けしない曲だ。
四つ打ちの「ドッ ドッ ドッ ドッ」という音圧が地中深くから淡々と伝わる感覚。
根は太く黒々としているが、上に咲く花は軽やかで美しい。
13.コンピューター・シティ
シークレットシークレットの最後のマネキンポーズから、この曲のイントロのポーズに変換する3人のシルエットが美しかった。
edgeから引き継いだ硬いグルーヴがここで柔らかくなる。
それにしても良い曲だなあ。
14.I still love U
―MC―
初っ端からのっちが「直角二等辺三角形」と言えずに客席を沸かす。
本気になったのっちはやはり破壊力が凄まじい。
客席を睨みながらも最後に正確に「直角二等辺三角形」と言い放ったときには、暖かい拍手が沸き起こった。
今日ののっちは、私が「木村カエラ∞Perfume」イベントのイベントで見た「美人」なのっちではなく「男前」なのっちだったようである。
あ~ちゃんが、スヌーピーのおまけを収集しているということをライヴで話したら、全部で7セットをプレゼントしてくれて嬉しい、という話から、スヌーピー話を延々と引っ張っておきながら、最後にぽつりと
「私、スヌーピーそんなに好きじゃないんで」
と、プレゼントした人を地獄に突き落とすMC。
誰もが予想できない展開に。
チャーリーブラウンを、チャーリーブラウニーと発言。
細けえこたあどうでもいいんだよ!
15.ワンルーム・ディスコ
あ~ちゃんが煽る煽る!
16.セラミック・ガール
この曲では、観客がしなければならない振り付けがある。
しかし、その説明は一切なかった。
それでも、ほとんどの観客が振り付けをマスターしていたようだ。
本日が初見の人が半数近かったが、ライヴDVDを見て学習したのだろうか?
17.ジェニーはご機嫌ななめ
―声だし(パッと楽しく遊ぼうのコーナー)―
バスドラの音に乗って、声だしと身体を動かす練習をする。
二十歳そこそこの女の子に命令されて簡単に支配される1万5千人。
2ステップの練習では、センター席全員が左右に揺れていた。
Perfumeではない曲での声だし演出がツアーを重ねるたびに強化されてきた。
「ウルトラソウルッ」(ボーン!)では、ステージにスモークが噴出。
このまま行けば、本家を越える演出も時間の問題だろう。
「はみがきじょうずかな」の合唱では、「食べたらみがく、約束げんま~ん」(キラリーン)とSEも挿入されていた。
なんというか、こういった無関係な部分に必要以上にエネルギーを注ぐ姿勢が気持ち良い。
なぜ「はみがきじょうずかな」を全員で合唱しなければならないのか?などと考えてはいけない。感じるんだ。
18.チョコレイト・ディスコ
今回の公演の、どこで言ったかは忘れたが、のっちが「祭りじゃ祭りじゃあ!」と言ったので、遠慮なく暴れさせていただきます。
バレンタインデーの曲を、バレンタインデー当日に発売するPerfumeの攻撃的な姿勢が今でも受け継がれていると信じている。
ここからの3曲での会場の一体感は素晴らしい。
全力で「ディスコ!」コールをした。スタンドから見える我々センター席は美しかったに違いない。
19.ポリリズム
「edge」を一つの頂点だと考えると、もう一つの頂点はこの場所か。
「売れた曲で盛り上がる」傾向は少ないPerfumeだとは思うが、やはりこの曲のキラーっぷりは半端ではない。
普段はほとんど聴かなくなってしまっているが、ライヴでは何度経験しても楽しめる。
20.Puppy love
かつては「上下上上」の振り付けに集中しなければならなかったため、完全な無表情で参加していたが、そろそろ慣れてきたようで、ニヤニヤしながら振り付けができるようになった。
ロレンツォは、後半で振り付けをマスターしていた。
ライヴ後のオフで聞いた話では、この時点でかしゆかの涙腺が緩くなっていたそうだ。
センター席では見られない、壮大な景色が見えたのだと思いたい。
本編はここで終わる。
盛大な歓声と拍手の中、3人はステージ袖に消えていった。
アンコール
―MC―
ここで、ライヴDVDの発売が発表された。
今回のツアーの「edge」の演出が記録として残るのは嬉しい。
前述したが、会場の熱気までは収録されないと思うが、一度でも参加していればあの熱気は脳内で再現できるだろう。尿が漏れ出しそうなほど楽しみだ。
それと、ファンクラブ限定のツアーは、3~4箇所の公演ではなく、全国ツアーにするそうで、10箇所以上は回るらしい。
商売下手なPerfumeのことだから、信じられないような低価格でチケットを販売しそうで恐ろしい。
確かここで、あ~ちゃんのMCから、こちらがどう反応すればいいのか分からない「決めポーズ」を3人が披露してくれた。3回も連続で。なんなのw?
E01.パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
Perfumeが低空飛行(墜落寸前)を続けていたころにリリースされた曲。
「考え深い」とはまさにこのこと。
秋葉原路線に方向転換しようとしていたPerfumeに、「良いものを創っているのだから、方向転換はせずに、このままの路線でいい!」とアドバイスしてくれた掟ポルシェ氏はグッドジョブ過ぎるだろう。
パーフェクトなスターになれたPerfume。本当に良かった。
E02.Perfume
私がこの曲を初めてライヴで経験したのが、前回の「GAMEツアー」横浜千秋楽だった。
「三十路越えてアイドルのライヴ来ちゃったよテヘヘ」
という体で参戦したのだが、この曲が始まったときには全力で「ぐるぐるゆー」をしていた。
半ば号泣しながらである。
それくらいの魔力が潜む危険な一曲だ。
自宅で聴いていてもなんとも思わないが、ライヴでこの曲が始まると、幼稚園児のようにはしゃぎ、誰よりも高くジャンプし、指の先から光線でも出そうな勢いで「ゆー!ゆー!」と斜め45度を指差す。
生きて現実社会に戻ろうなんて考えていない。ロレンツォ以外は皆全力だ。
「い~まひ~き~あ~う~の~」
かしゆかが苦手な歌を一生懸命に歌っている。
この曲では、かしゆか名物「YOU乱れ打ち」というイベントが発生する。
主に最前列付近に向かって、両方の手を使って「ゆー」を連射するのだ。
かしゆかは、ステージ右側の最前列付近にいたので、恐らく周辺は悲惨な状況であったと思われる。
実際の現場を見たかったが、距離があるので、私はモニターを見ながら踊り狂っていた。
そのとき。
かしゆかの顔がモニターに大写しになった。
かしゆかが下を向いて顔を腕で隠している。
「どうした?」
と思った瞬間にかしゆかが顔を上げた。
さっきまで目を▲ ▲にしていたかしゆかの顔はくしゃくしゃになり、号泣しているようだった。
突然の出来事でびっくりした。
それまでの流れが見えなかったので、詳細は分からないが、あまりにも盛り上がりすぎている客席を見て、感情が爆発したのだろうか。
すぐに笑顔に戻り、最後の決めポーズはいつものように適当にポーズを決めてくれた。
E03.願い (Album-mix)
ステージセットが夜空に変わる。
夢のようなPerfume Worldもいよいよ終わりの時間が来る。
皆、思い思いに揺れている。ロレンツォは同伴の女性を抱き寄せて揺れていた。暑いだろうなあ。
深く深く、深く頭を下げる3人。
声援と拍手で応える我々。
私は「ありがとうー!」と何度も叫んだ。
手が痒くなるほどに手を叩いた。
顔を上げる3人。
かしゆかだけ、顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
話すことができないほどに泣いていたが、「ありがとうございました」だけはしっかりと言ってくれた。
あ~ちゃんは清清しい笑顔。
のっちも珍しく鼻を赤くしていた(もしかしたら怒っているのかもしれない)。
前回のツアー千秋楽でかしゆかは、
「正直に言って、楽しもうという気持ちよりも不安のほうが大きかった。それが、ツアーが終わるのが嫌だな、と思えるほどにまで気持ちが変わった」といった感じのことを涙ながらに話していたが、今日も同じように感じたのだろうか?
仙台公演の2日目で、かしゆかが泣いたときにのっちが「泣かしたな?」と客席を睨みつけたそうだが、まさしくそうだと思う。
かしゆかの涙は、客席が作り出したものだろう。
「ライヴは『見に来る』んじゃなく『しに来る』もんじゃ己ら!」(やや誇張)
というのっちの有名なMCがあるが、今回はしみじみとそれを感じることができた。
私もロレンツォも、前の小柄な女性も、センター席のみんなも、アリーナ席のみんなも、スタンド、立ち見のみんなも、地蔵も、みんなでライヴを「しに来た」と思う。
Perfumeのパフォーマンスも最高だったが、俺たちだって上がり腐った。
わきの下がびちょびちょになるくらい暴れた。
「今日のライヴを作った」
と言っては大げさだろうか??
少なくとも、ここまで双方が熱を発するライヴは、私は未だに経験したことは無い。
これでもか!と言わんばかりに拍手と声援を送る。
仙台、名古屋、大阪、横浜と、4回も参戦してしまったが、本当にどの公演も楽しめた。
どの公演もPerfumeは全力でパフォーマンスしたし、オーディエンスも負けずに全力で応えたと思う。
毎度のことだが、感動が折り重なって、会場の外に出てもため息しか出ない。
受け取った情報量を脳がコントロールできない状態になっている。
恍惚とした表情でたたずんでいると、なんと!以前の「木村カエラ∞Perfume」イベントのときに、隣同士座って休憩しながら感想を述べ合っていた男性と再会できた!
こんなに人が多い状況で再会できるとは!
お互いに、再びどこかで合えることを祈って、硬い握手をして別れた。
本当にまた会いたい。
その後は、恍惚とした表情をしている顔見知りの5人が集結して、恍惚としたまま居酒屋に流れた。
そして、恍惚としながらも乾杯をして、恍惚とした表情で語り合った。
酒が旨すぎる。この時間もやっぱり楽しい。「大人で良かったなあ」と思える数少ない瞬間だ。
気がつけば、この居酒屋で居残っているのは、我々を含めて4つのライヴ後パーティーだけとなった。
全員で今日の感想を言い合い、店員さん以外誰にも迷惑をかけないので、はっちゃける。
一人、また一人と帰宅の路につく者を「wonder2」で送り出す。
きっちりと終電を逃したところで私は退席し、タクシーの運転手に気持ちよく1万円を支払った。
8月29日からスタートした私の「ツアー」は、これで終了した。
あ~楽しかった。
何度も何度も頭を下げられたし、お礼も言われたけど、礼を言うのはこちらのほうだ。
ありがとうPerfume。
これから初めてツアーラストに参戦する方は、読まないほうがいいでしょう。
あと、やたらに文章が冗長です(9000文字ほど)。詳細などは、「Perfume ウィキ」で検索すると、ライヴレポートがたくさん上がっていますので、そちらでお楽しみくださいませ。
10月15日、Perfume Second Tour 2009 「直角二等辺三角形TOUR」横浜公演に参戦してきた。
追加公演を含めて、4日間開催されるうちの2日目である。
あ~ちゃんいわく、今回のツアーの「最終日」だそうだ。
今回のツアーでは、私は4回目の参戦で、最後の参戦になる。
関東圏に住んでいる人たちにとっては、ツアー初日の戸田(埼玉県)以来、お待ちかねの横浜アリーナだ。
今回のツアーは、遠征を計画した人は多かっただろうが、関東圏の人たちは、やっと「旅行」せずに行けるライヴになる。
しかしながら、今回の横浜公演は、4日間開催されるすべての日が「平日」という厳しい日程。
私もそうだが、仕事のやりくりをするのに難儀した人は多かったのではないだろうか。
という訳で、仕事をやっつけた後、急いで新横浜へ向かった。
今回は、北海道から来るパフュオタの友人Oさんと一緒に参戦する。
チケットは、そのOさんが用意してくれた。
持つべきものは真のパフュ友である。
毎度上京するたびにアル中の私に美味しそうな北海道の幸をお土産に持ってきてくれる。
サーモン美味しいですOさん。
今回の開催地である横浜アリーナは、7月4日に
「HOT STUFF 30th Anniversary Special Live out of our heads」
が開催されたときに来た。
「木村カエラ∞Perfume」
を見るためである(詳細は「ライヴレポート」をどうぞ)。
そのころは、Perfumeにとっては「逆風」の季節で、なおかつイベントは大失敗。
ガラガラの客席でのライヴとなった。
会場に到着した瞬間に「客が少ないな」と一発で感じた。
「今日はそんなことは無いはず…!」
と信じて17時過ぎに会場に到着。
会場は多数のファンであふれ返っていた。
当たり前の話だが、ちょっとホッとした。
セブンイレブン前で、Oさんと合流。前回の代々木公演以来の再開だ。
仲良しの(笑)AさんとHさんも合流して、しばし歓談してから会場に入った。
今回の座席は、センター(一般的に言うところのアリーナ)C4ブロック。
Y字に張り出した花道ステージの右側の最前列ブロックだ。
「神席!」と叫びたいところだが、最後列なので、背の低い私にとっては背比べ勝負になる。
しかし、花道先端まで15メートルくらいだろうか?表情は読み取れるくらいには近い。
ちょっと感心してしまったのは、センター席の座席の構造だった。
座席に腰をかけると座面が前に倒れ、それと連動して背もたれが後ろに下がる。
逆に、立ち上がると座面は立ち上がり、背もたれは前方に移動する。
簡単に言うと「総立ちになると足元のスペースが広く使える」ということだ。
代々木第一体育館では、前の座席にスネを連打したので、こういったちょっとしたことが嬉しい。
前日のライヴレポをチラチラ読むと、観客のノリがいまいちだったとか、初見の人が多いので、ノリかたを理解している人が少なかったなどと、ちょいとネガティブな感想が見られた。
さてはて、今日はどんな感じになるのだろう…。
大阪公演であ~ちゃんにいじられた「ピンクメガネさん」や、名古屋ではっちゃけた「そうでないひと」の姿を確認。
コスプレイヤーさんたちも数が多い。
開演予定時間の18時半になると、BGMのバスドラを拾っての手拍子開始。
毎度思うのだが、このBGMの音量をもうちょっと上げてくれれば、手拍子もしやすいと思うのだが。
前回のツアーのときの、開演直前に爆音になったメタリカを思い出す。
すでに立ち上がって手拍子をしている人も多数。
こういうノリは良い!
諸注意のアナウンスが流れる。
ここで「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と奇声を発したが、Oさんになだめられた。
周囲の人間には、「ここに要注意人物がいるぞ」というアナウンスになる。
ああ~。いつもながらにこの緊張感がたまらない。
暗転。
総立ち。
まとめウィキよりセットリスト。
01.Take off (ロングver)
02.NIGHT FLIGHT
03.エレクトロ・ワールド
04.Dream Fighter
05.love the world
―MC―
06.Zero Gravity
07.マカロニ
08.SEVENTH HEAVEN
09.Kiss and Music
10.Speed of Sound (着替え曲)
11.edge (⊿-mix)
12.シークレットシークレット
13.コンピューター・シティ
14.I still love U
―MC―
15.ワンルーム・ディスコ
16.セラミック・ガール
17.ジェニーはご機嫌ななめ
―声だし(パッと楽しく遊ぼうのコーナー)―
18.チョコレイト・ディスコ
19.ポリリズム
20.Puppy love
アンコール
E01.パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
E02.Perfume
E03.願い (Album-mix)
さすがに4回目の公演なので、全曲レポは無理です。なので、いくつかの曲を。
MCの内容はずれているかもしれません。ご了承くださいませ。
センターC4ブロックは、ちょうどステージと同じくらいの高さの目線だった。
幸いにも私の前は小柄な女性だったので、視界は確保できたのだが、やはり基本的には誰かの肩越しにステージを見る、という感じだった。
小柄な女性の隣には、美しい日本人女性と、イタリア系?の男性のカップルだった。私はこの男性を「ロレンツォ」と名づけた。
01.Take off (ロングver)
しばしのお別れだ現実社会よ!私は飛び立つ!
周囲は完全に熱狂の渦となった。
私は再び「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と叫ぶが、誰もが叫び声を上げている。
後半にくっつけられたロングバージョンに入り、3人が姿を現す。
無数の手が上がり、3人を歓迎している。
02.NIGHT FLIGHT
ここで、会場の音響を確認してみた。
やはり、名古屋ガイシホールの音圧にはかなわないが、しっかり暴れることができる音圧だった。
大きな音の河が、やや頭上を流れる感じがしたので、スタンドに照準を定めているのかもしれない。
やはり足元のスペースが広いので、飛び跳ねて踊れた。
それでもOさんの足を踏むし、隣の男性とも何度もぶつかった。
03.エレクトロ・ワールド
素晴らしい盛り上がりだセンター席!
ロレンツォも、小柄な女性も飛び跳ねて盛り上がっていた。
この時点で動悸、息切れが激しくなったが、ここで暴れないで一体どこで暴れるというのか。
04.Dream Fighter
05.love the world
―MC―
ここまでノンストップで走りきる。
私のようなおっさんも休憩が必要だが、Perfumeにも休息は必要だろう。
今日はかしゆかがセンターに出てきて、喋ろうとしたが、緊張しているのか言葉が出てこなかった。
それにのっちが助け舟を出す。
昨夜ステージで転倒したかしゆか(大事には至らなかったようで安心)がとても可愛いとのこと。
のっちは「特技」の欄に、「コケかたが上手い」と追加したいとのこと。
それくらいに美しく転倒したそうだが、ただ一回だけなので再びチャレンジをするそうだ。
なんのこっちゃ。
ツアーグッズである「傘」が、前日の豪雨で売れたそうで、大満足のあ~ちゃん。
「やっぱり、日ごろの行いが良いから」ってお前www
前回は長いと感じた客いじりは、実にコンパクトにまとまっていた。
中田ヤスタカのコスが全員残念すぎて笑えた。
「ただ金色のヅラをかぶってサングラスをしている」というレベルw
あ~ちゃんに「いったんクオリティー上げとこ!」と怒られるが、その場でクオリティーを上げられる人間はいないだろう。
「今日はカメラが24台も入っとるよ~」
とのことだが、ここでのMCが短かったのは、それが原因かも知れない。
あ~ちゃんがいじっている客が、すぐにモニターに映されるので、センター席でも十分に楽しめた。
相変わらず、曲が始まったときに「おっ!今日はライヴに来たんだっけな」と思い出す。
06.Zero Gravity
あ~ちゃんくらいに自由になれたら、と思う。
07.マカロニ
すぐ目の前にあ~ちゃん。美しすぎる。
かしゆかは左サイド、のっちは後方(センター前方)。強力な布陣だ。
この曲だけではないが、全体的にどこの客席でも楽しめるように演出やダンスパフォーマンスが考え抜かれている。
08.SEVENTH HEAVEN
間奏部分で、3人が楽しそうに笑っている。
メロディーのためだろうか、見る度に思うが、この幸せそうな三角形が、いつかフッと消えてなくなってしまうのでは?という切なさを感じる。
09.Kiss and Music
今回のツアーでは、この曲は地蔵になる人が多かった。
多かったというより、私以外はほとんどが地蔵と化していた。
「また独りでも踊るさ」
と思っていたら、なんと!ロレンツォと小柄な女性もノリノリでダンスしているじゃないか!
独りでも楽しいが、仲間が増えるともっと楽しい。
10.Speed of Sound (着替え曲)
ここで休憩する人や、トイレに行く人が多くて少し残念~。だが仕方なし。
「さあ!今宵も独りではっちゃけるぞ!」
と思いきや、ロレンツォと小柄な女性もノリノリで踊ってくれた!
シンプルで真っ直ぐな名曲だと思う。
ただ、ロレンツォはどんな曲でも同じようにダンスする。
11.edge (⊿-mix)
この曲のパフォーマンスを初めて見た武道館では度肝を抜かれたが、すでにそれを「過去」として葬り去っている。
前回のレポにも書いたが、Perfumeを越えるのはPerfumeだけだ。
来年の今頃は、これだけ衝撃的だった演出すらも過去に追いやってくれるのだろう。
そして、最新のPerfumeが最高のPerfume。
今日も究極のedgeを体験できた。
センター席周辺も、異常に盛り上がった。
私は、興奮の度合いが何度もピークに達して、ステージを観るでもなく、音楽を聴くでもなく、ただひたすらに真っ暗な天井に向かって叫び声を上げていた。本当に異常。
この演出は、後に映像で残るが、残念ながらこの異常な熱気は収録されないだろう。
「この場」に居合わせなかった連中は、激しく後悔すればいい。
12.シークレットシークレット
edgeの後に続いてもパワー負けしない曲だ。
四つ打ちの「ドッ ドッ ドッ ドッ」という音圧が地中深くから淡々と伝わる感覚。
根は太く黒々としているが、上に咲く花は軽やかで美しい。
13.コンピューター・シティ
シークレットシークレットの最後のマネキンポーズから、この曲のイントロのポーズに変換する3人のシルエットが美しかった。
edgeから引き継いだ硬いグルーヴがここで柔らかくなる。
それにしても良い曲だなあ。
14.I still love U
―MC―
初っ端からのっちが「直角二等辺三角形」と言えずに客席を沸かす。
本気になったのっちはやはり破壊力が凄まじい。
客席を睨みながらも最後に正確に「直角二等辺三角形」と言い放ったときには、暖かい拍手が沸き起こった。
今日ののっちは、私が「木村カエラ∞Perfume」イベントのイベントで見た「美人」なのっちではなく「男前」なのっちだったようである。
あ~ちゃんが、スヌーピーのおまけを収集しているということをライヴで話したら、全部で7セットをプレゼントしてくれて嬉しい、という話から、スヌーピー話を延々と引っ張っておきながら、最後にぽつりと
「私、スヌーピーそんなに好きじゃないんで」
と、プレゼントした人を地獄に突き落とすMC。
誰もが予想できない展開に。
チャーリーブラウンを、チャーリーブラウニーと発言。
細けえこたあどうでもいいんだよ!
15.ワンルーム・ディスコ
あ~ちゃんが煽る煽る!
16.セラミック・ガール
この曲では、観客がしなければならない振り付けがある。
しかし、その説明は一切なかった。
それでも、ほとんどの観客が振り付けをマスターしていたようだ。
本日が初見の人が半数近かったが、ライヴDVDを見て学習したのだろうか?
17.ジェニーはご機嫌ななめ
―声だし(パッと楽しく遊ぼうのコーナー)―
バスドラの音に乗って、声だしと身体を動かす練習をする。
二十歳そこそこの女の子に命令されて簡単に支配される1万5千人。
2ステップの練習では、センター席全員が左右に揺れていた。
Perfumeではない曲での声だし演出がツアーを重ねるたびに強化されてきた。
「ウルトラソウルッ」(ボーン!)では、ステージにスモークが噴出。
このまま行けば、本家を越える演出も時間の問題だろう。
「はみがきじょうずかな」の合唱では、「食べたらみがく、約束げんま~ん」(キラリーン)とSEも挿入されていた。
なんというか、こういった無関係な部分に必要以上にエネルギーを注ぐ姿勢が気持ち良い。
なぜ「はみがきじょうずかな」を全員で合唱しなければならないのか?などと考えてはいけない。感じるんだ。
18.チョコレイト・ディスコ
今回の公演の、どこで言ったかは忘れたが、のっちが「祭りじゃ祭りじゃあ!」と言ったので、遠慮なく暴れさせていただきます。
バレンタインデーの曲を、バレンタインデー当日に発売するPerfumeの攻撃的な姿勢が今でも受け継がれていると信じている。
ここからの3曲での会場の一体感は素晴らしい。
全力で「ディスコ!」コールをした。スタンドから見える我々センター席は美しかったに違いない。
19.ポリリズム
「edge」を一つの頂点だと考えると、もう一つの頂点はこの場所か。
「売れた曲で盛り上がる」傾向は少ないPerfumeだとは思うが、やはりこの曲のキラーっぷりは半端ではない。
普段はほとんど聴かなくなってしまっているが、ライヴでは何度経験しても楽しめる。
20.Puppy love
かつては「上下上上」の振り付けに集中しなければならなかったため、完全な無表情で参加していたが、そろそろ慣れてきたようで、ニヤニヤしながら振り付けができるようになった。
ロレンツォは、後半で振り付けをマスターしていた。
ライヴ後のオフで聞いた話では、この時点でかしゆかの涙腺が緩くなっていたそうだ。
センター席では見られない、壮大な景色が見えたのだと思いたい。
本編はここで終わる。
盛大な歓声と拍手の中、3人はステージ袖に消えていった。
アンコール
―MC―
ここで、ライヴDVDの発売が発表された。
今回のツアーの「edge」の演出が記録として残るのは嬉しい。
前述したが、会場の熱気までは収録されないと思うが、一度でも参加していればあの熱気は脳内で再現できるだろう。尿が漏れ出しそうなほど楽しみだ。
それと、ファンクラブ限定のツアーは、3~4箇所の公演ではなく、全国ツアーにするそうで、10箇所以上は回るらしい。
商売下手なPerfumeのことだから、信じられないような低価格でチケットを販売しそうで恐ろしい。
確かここで、あ~ちゃんのMCから、こちらがどう反応すればいいのか分からない「決めポーズ」を3人が披露してくれた。3回も連続で。なんなのw?
E01.パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
Perfumeが低空飛行(墜落寸前)を続けていたころにリリースされた曲。
「考え深い」とはまさにこのこと。
秋葉原路線に方向転換しようとしていたPerfumeに、「良いものを創っているのだから、方向転換はせずに、このままの路線でいい!」とアドバイスしてくれた掟ポルシェ氏はグッドジョブ過ぎるだろう。
パーフェクトなスターになれたPerfume。本当に良かった。
E02.Perfume
私がこの曲を初めてライヴで経験したのが、前回の「GAMEツアー」横浜千秋楽だった。
「三十路越えてアイドルのライヴ来ちゃったよテヘヘ」
という体で参戦したのだが、この曲が始まったときには全力で「ぐるぐるゆー」をしていた。
半ば号泣しながらである。
それくらいの魔力が潜む危険な一曲だ。
自宅で聴いていてもなんとも思わないが、ライヴでこの曲が始まると、幼稚園児のようにはしゃぎ、誰よりも高くジャンプし、指の先から光線でも出そうな勢いで「ゆー!ゆー!」と斜め45度を指差す。
生きて現実社会に戻ろうなんて考えていない。ロレンツォ以外は皆全力だ。
「い~まひ~き~あ~う~の~」
かしゆかが苦手な歌を一生懸命に歌っている。
この曲では、かしゆか名物「YOU乱れ打ち」というイベントが発生する。
主に最前列付近に向かって、両方の手を使って「ゆー」を連射するのだ。
かしゆかは、ステージ右側の最前列付近にいたので、恐らく周辺は悲惨な状況であったと思われる。
実際の現場を見たかったが、距離があるので、私はモニターを見ながら踊り狂っていた。
そのとき。
かしゆかの顔がモニターに大写しになった。
かしゆかが下を向いて顔を腕で隠している。
「どうした?」
と思った瞬間にかしゆかが顔を上げた。
さっきまで目を▲ ▲にしていたかしゆかの顔はくしゃくしゃになり、号泣しているようだった。
突然の出来事でびっくりした。
それまでの流れが見えなかったので、詳細は分からないが、あまりにも盛り上がりすぎている客席を見て、感情が爆発したのだろうか。
すぐに笑顔に戻り、最後の決めポーズはいつものように適当にポーズを決めてくれた。
E03.願い (Album-mix)
ステージセットが夜空に変わる。
夢のようなPerfume Worldもいよいよ終わりの時間が来る。
皆、思い思いに揺れている。ロレンツォは同伴の女性を抱き寄せて揺れていた。暑いだろうなあ。
深く深く、深く頭を下げる3人。
声援と拍手で応える我々。
私は「ありがとうー!」と何度も叫んだ。
手が痒くなるほどに手を叩いた。
顔を上げる3人。
かしゆかだけ、顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
話すことができないほどに泣いていたが、「ありがとうございました」だけはしっかりと言ってくれた。
あ~ちゃんは清清しい笑顔。
のっちも珍しく鼻を赤くしていた(もしかしたら怒っているのかもしれない)。
前回のツアー千秋楽でかしゆかは、
「正直に言って、楽しもうという気持ちよりも不安のほうが大きかった。それが、ツアーが終わるのが嫌だな、と思えるほどにまで気持ちが変わった」といった感じのことを涙ながらに話していたが、今日も同じように感じたのだろうか?
仙台公演の2日目で、かしゆかが泣いたときにのっちが「泣かしたな?」と客席を睨みつけたそうだが、まさしくそうだと思う。
かしゆかの涙は、客席が作り出したものだろう。
「ライヴは『見に来る』んじゃなく『しに来る』もんじゃ己ら!」(やや誇張)
というのっちの有名なMCがあるが、今回はしみじみとそれを感じることができた。
私もロレンツォも、前の小柄な女性も、センター席のみんなも、アリーナ席のみんなも、スタンド、立ち見のみんなも、地蔵も、みんなでライヴを「しに来た」と思う。
Perfumeのパフォーマンスも最高だったが、俺たちだって上がり腐った。
わきの下がびちょびちょになるくらい暴れた。
「今日のライヴを作った」
と言っては大げさだろうか??
少なくとも、ここまで双方が熱を発するライヴは、私は未だに経験したことは無い。
これでもか!と言わんばかりに拍手と声援を送る。
仙台、名古屋、大阪、横浜と、4回も参戦してしまったが、本当にどの公演も楽しめた。
どの公演もPerfumeは全力でパフォーマンスしたし、オーディエンスも負けずに全力で応えたと思う。
毎度のことだが、感動が折り重なって、会場の外に出てもため息しか出ない。
受け取った情報量を脳がコントロールできない状態になっている。
恍惚とした表情でたたずんでいると、なんと!以前の「木村カエラ∞Perfume」イベントのときに、隣同士座って休憩しながら感想を述べ合っていた男性と再会できた!
こんなに人が多い状況で再会できるとは!
お互いに、再びどこかで合えることを祈って、硬い握手をして別れた。
本当にまた会いたい。
その後は、恍惚とした表情をしている顔見知りの5人が集結して、恍惚としたまま居酒屋に流れた。
そして、恍惚としながらも乾杯をして、恍惚とした表情で語り合った。
酒が旨すぎる。この時間もやっぱり楽しい。「大人で良かったなあ」と思える数少ない瞬間だ。
気がつけば、この居酒屋で居残っているのは、我々を含めて4つのライヴ後パーティーだけとなった。
全員で今日の感想を言い合い、店員さん以外誰にも迷惑をかけないので、はっちゃける。
一人、また一人と帰宅の路につく者を「wonder2」で送り出す。
きっちりと終電を逃したところで私は退席し、タクシーの運転手に気持ちよく1万円を支払った。
8月29日からスタートした私の「ツアー」は、これで終了した。
あ~楽しかった。
何度も何度も頭を下げられたし、お礼も言われたけど、礼を言うのはこちらのほうだ。
ありがとうPerfume。