・・・ は、球速があってラインいっぱいに決まり、相手が一歩も動けない時があるから美しい。さすがに相手が決勝のペトラ・クビトバくらいになると、なかなかそうは決めさせてもらえませんけど。
昨年の全米優勝以来、にわかに大坂ファンになった私は今回の全豪オープンも注目しました。テレビを本腰入れて見るなんて15年ぶりだな。でも大坂なおみのテニスは面白すぎるから、仕方ありません。
ソシンロウバイ。
肝心の写真はこれだけです。あとは、文字ばかりにならないように失敗写真や、お蔵から引っ張り出した写真を載せます。
何か、日本中が祝福ムードですけど、私はこう言います、「他人の頑張りや成績に乗っかって自分のことのように喜ぶ前に、、あなた自身がもっと頑張りなよ!」と。
NHKの中継を見ていて(深夜録画放送含む)、大坂勝利のあと解説の元プロテニス選手、森上さんが泣いていたのに驚きました。何に感激して泣くのか❓ 準決勝のプリスコバ戦のときなど、嗚咽しながら『.. 日本女子テニス界に・・あ、新しい歴史が.... 』とか言ってました。別に、なおみちゃんは日本女子テニス界のために戦ったのではありませんよ? なのにそれを言うのは、大坂なおみを日本女子テニス界のために利用した、と取られても仕方ないことです。
ピンぼけ。ソシンロウバイやロウバイが早いとか、遅いとか言われてますが、この場所(丸亀の南のほう)ではまだ五分咲きでした。例年に比べ、遅いです。勿論、場所によっては満開だったり、木によっては終わっていたりもします。
大坂選手のテニスは面白い。私はだからファンになった。ただそれだけ。日本にとってどうの、は関係ありません。メデイアが「日本人として初めて」を連呼するのが鬱陶しい。そもそも、なおみ自身の属性(アイデンティティ?)に自分が日本人であること、は入っていないと思います。二重国籍という立場上、テニスにおいては日本国籍を選んでいるだけです。
たしかに日本人の母とハイチ系アメリカ人との混血、その認識は当然あるでしょう。しかし、物心ついたときにはアメリカに居て、アメリカの学校へ通い、当然母国語は英語、プロを目指してテニスを始めたのも、練習の拠点も、そしてプロになったのもアメリカにおいてです。米国のテニス界がもっと見る目を持っていれば、今、アメリカ国籍の選手としてプロ活動を行っているのは、疑いようがないと思われます。
蔵出しサザンカ 1/19. 撮影。
2016年の全豪で当時18歳のなおみが、予選からの勝ち上がりで本戦で3回戦まで進んだとき、やっと米国テニス協会はその才能に気づいた。しかしその時すでに言葉は悪いが日本側が、手をつけていた。様々な支援を用意し、与えていました。大坂なおみがテニス選手として日本国籍を選んだ理由と言われています。
ボツ、ソシンロウバイ。1/16. 撮影。
私は昨年の全米制覇の後にネットでなおみの追っかけを始めた、遅れて来たなおみファンです。昨年、急成長がありツアー2勝(インディアンウェルズ、そして全米オープン)、そしてWTAファイナルズにも選ばれました(こちらはラウンドロビンと呼ばれる総当たり戦で3戦全敗、トーナメントに進めない結果に終わる )。
それからのオフシーズン、どんなトレーニングをやったのか、全豪でのなおみ選手のハムストリング(脚の裏側の筋肉)が、以前に増して大きくなっているのに気づきました。オフにしっかり走り込んだという情報も。
元々パワーはあった。(昨年、女子パワーテニスの象徴というべきセリーナ・ウィリアムズを2度下しています。) ただ、精神面の弱さがしばしば指摘されていました。劣勢になると心が折れる、時には涙を流す・・そして自滅する。この全豪オープンではその弱点を克服して来た感が強いのです。シェイ・スーウェイとの一戦や、その次のセバストワ戦で見せた粘り。さらに私が驚きを感じたのが決勝のクビトバ戦です。
蔵から、街角のサザンカ。
全豪決勝。相手は悲運なケガから復活して来たクビトバ。パワーもテクニックもトップクラス。試合前の予想ではわずかにクビトバ優位とされていました。
第1セット、双方好調でキープ合戦、しかし大坂は魔球のようなクビトバのスライスサーブにも素早く慣れて、タイブレークの末、1セットめを取ります。第2セットに入っても調子を維持して、ついに5-3と 勝利まであと1ゲームとなり、さらにそのゲームも3ポイント連取で、早々とチャンピオンシップポイントを握りました。しかもそれは3つ。あと1ポイント取れば全豪優勝で、そのチャンスが3度もある決定的な状況。 ・・・ですがクビトバの驚異的な粘りでその3つとも失う。そしてデュースとなり、優勢だったゲームを落とし、そこからはクビトバのペースで2セットめを取られました。その時なおみは、叫び声をあげ、ボールをコートに叩きつけた。掴みかけたチャンピオンシップを取り逃がした悔しさが明らかに態度に出ていました。見ていて、これは逆転される、あそこで取れなかったのはあまりに痛い、と思ったものです。
サルビア・・
第2セットが終わり、なおみはトイレットブレークを取りました。
そして戻って、第3セットが始まると、大坂なおみの「人」が変わっていた.. 。
顔に表情が出なくなった。何か仏頂面のような趣で、いいプレーでポイントを取ってもいつもの「カモーン!」がなくなり、相手に取られても表情が動かなくなりました。仏像のような顔つきです....
試合後のインタビューで、感情が動かないようにした、と大坂は言っていました。だから声も殆ど出さなかった、と。
これは、、凄いことだ。いいプレーだろうが、ミスをしようが感情を動かさないとは。それはもはや「無の境地」では? 21歳にそれが出来たのか。いや、出来たのです。そうやって平常心を保てたから、2セットめを失ったショックを引きずらなかったのでしょう。そしていつも通りの自分のプレーをやれた。そして・・勝った。
あの第3セットの大坂の仏像みたいな顔は、集中力が究極的に高まったときの顔だったのです。
う〜む、唸ってしまう。なおみからは学ばなければならない。意識と感情は支配できること。集中力に限界がないこと。 勿論、日頃のテニス、また体力のトレーニングあってこそなのでしょうけど。
日本人の皆さん、全豪オープンテニス 日本人初優勝とか、世界ランク1位とかお祝いしたり嬉しがったりしてる場合じゃないですよ。なおみちゃんに倣って、あなた達自身を高めましょうよ。私はもちろん、そうするつもりです。