※『ボッケモン』の作品と合わせて見ると、単独で見るより10倍オモシロイよ!
南の空の遥か彼方。
青い海と宝石のような緑の島の空の上。
そこには、くも丸一家が住む町、マシュマロタウンがありました。
ちび雲のくも丸は、その町でお父さんとお母さんそれに妹のわた雲ちゃんの4人で、楽しく暮らしていました。
季節は、熱い夏も終わり。
町の風景も秋のファッションに様変わりする頃でした。
くも丸がいつものように友だちと鬼ごっこやかくれんぼをして遊んでいると、急にそこら中が暗くなり、強い風が吹いて来ました。
ゴオォォォーーーーッ
ゴオォォォーーーーッ
風は凄みの聞いた低いぶきみな唸り声をあげ、そこら辺りの店の看板やビルの窓ガラスなどを、我が物顔でガタガタと揺らし始めました。
空はもう真っ暗です。
「ハリケーンおやじだー!」
誰かの悲鳴にも似た叫び声が聞こえました。
ならず者のハリケーンおやじが、お酒に酔って暴れだしたのです!
「あ、あれ、あれれれ・・・」
くも丸は吹き飛ばされないように必死に踏ん張りましたが、小さなくも丸の体は、あっというまにハリケーンおやじの風の渦の中に呑み込まれてしまいました。
「お父さーん! お母さーん!」
「助けてー」
それから、どれくらい時間が過ぎたのだろう?!
「坊や、坊や。大丈夫かい?」
くも丸は誰かが自分を呼ぶ、やさしい声で目を覚ましました。
「ここ、ここはどこ?」
「シベリア海峡の上。私の家さ」
いわし雲のおばあさんが言いました。
窓の外は、くも丸が見たこともない氷と雪の銀世界が広がっていました。
「おばあさん、助けてくれてありがとう。ぼく、お家に帰らなくちゃ。お父さんとお母さんたちが心配するといけないから・・・」
「坊や、そんな体じゃとてもお家までは帰れりゃしないよ。この季節は世界中のらんぼう者たちが、いろんな所で大暴れしているからね・・・」
「でも・・・」
「こういうときは、我儘を言わずに年寄りの言うことを聞くもんだよ。きっと、今そんな体で無理して外に出て行ってしまったら、旅の途中で病気にかかって凍え死んでしまうよ・・・」
「本当に、お父さんやお母さんたちに会いたかったら、今はあたしの言うことを聞くんだね。分かったかい、坊や・・・」
「う、うん…」
「ほらほら、温かいミルクをお飲み・・・」
いわし雲のおばあさんが差し出してくれたミルクは、とても熱くてくも丸の体を芯から温めてくれました。
「あたしゃ坊やより長く生きているぶん、うーんとたくさんのことを体験して来ているからね。亀の甲より年の功。大丈夫、おばあさんに任せておいで・・・」
「でも、ぼ、ぼく・・・」
「坊や、今は何にも考えずに、その体の傷が癒えるまでゆっくりお休み。分かったね・・・」
いわし雲のおばあさんは、くも丸の頭をやさしく撫でながら言いました。
その手は、しわくちゃだらけだけでしたが、とても温かいでした。
でもやはり、その夜くなかなか眠れませんでした。
傷の痛みのせいもありましたが、お父さんやお母さんたちと遠く離れてしまい、知らない場所に来てしまった寂しさが、くも丸の小さな胸を深く傷つけて痛めたからです。
そしてそのせいで、その夜はいくら歯をくいしばっても、くも丸の目からは勝手に涙が溢れ出て、いつまでも止まることはありませんでした。
「ぼく、がんばる・・・」
くも丸は涙をなんども拭きながら呟きました。
「絶対に、お家に帰るんだ・・・」
冷たい夜空の星たちが、きらきら光って心配そうにくも丸の姿を見つめていました。
これから、家族のすむマシュマロタウンを目指して、くも丸の厳しく長い冒険の旅が始まるのです。
クリックよろしくね!(^^♪
本作品は、鹿児島で若い人たちと一緒に、アニメや絵本、漫画づくりを一緒になって学んでいるときに、その学習のための試作品として作ったものです。ぜひ、この作品をご覧になった皆様に方に、鹿児島を始めとするその他の地域の若い人たちの中には、アニメや絵本、漫画づくりこんな色々な才能や技術力を持っている若い人たちがいっぱいいることを知って貰い、彼らの社会進出のきっかけづくりのためにご支援いただきますようよろしくお願いします。
また本作品は、実際には文章と画が一緒になって描かれていますが、ブログにおいての画像の掲載容量が限られていますので、今回は画の掲載は省かせていただいています。
クリックよろしくね!(^^♪
当関連ブログ
OCNブログ「おとぎのお家」
http://wildboar.blog.ocn.ne.jp/blog/
アメーバーブログ「おとぎのお家と仲間たち」
http://ameblo.jp/phoenix720/
楽天ブログ「日本一商店」
http://plaza.rakuten.co.jp/Dream0720/
クリックよろしくね!(^^♪