おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

青春うたものがたりシリーズ2「幸せという名の不幸 」 11

2008-06-19 20:13:20 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜今回再スタートした、~青春うたものがたり2~「幸せという名の不幸」は、各話ともにすべてを再編集して、すべて前あらすじ書きを省き作品の内容をより鮮明にして読みやすくした上に、あらすじの内容そのものも新たなに加筆し重圧感のあるものにしました。つきましては、これまで以上に人としての涙や感動に出会えると思いますので、ぜひご覧になってください。

音譜本作品から、現在OCNCafeで開店中の当Cafe「Fairy Land」を訪れたみなさんの中で、毎回もっとも印象深いHNや面白くて楽しかった足跡メッセージを選ばせて貰い、訪問者のみなさんとの親睦の交流の輪をよりもっと楽しくて大きなものにしていくために、当ブログと当Cafeを連動させたひとつのエンターテイメントプレイとしまして、本作品のストリーの中に加えて掲載しご紹介させていただいています。そのHNや足跡メッセージの内容が掲載されています部分は、すぐにその当事者本人が閲覧できるように、赤い文字で記述しています。

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第11話/哀しみの結婚招待状
~もう私は死ぬことしかない・・・ / 自殺~

<こんな寂しい夜だから>

Happy life そう今日も何もなく 無事に過ごせることが

一番の幸せと 小さい頃から母が教えてくれた

そんな母も 今では思い出の中でしか話せない 星の空に旅立った

Lonely destiny 独りぼっちで 時間(とき)の流れの中に取り残されて

女一人で生きていく運命(さだめ)なんて 惨めすぎるから

恋人を気取って自分に自分で メールを書くなんて馬鹿げた話しよね

もしもあの時にあなたと もっと話し合える時間があったとしたら

「本当に幸せに 巡り会えていたでしょうか・・・」

過去の悲しみに引きずられ ah幸せという名の不幸の中で

Smiling face at the heart  Unhappiness with a name as happiness

ああ心の笑顔を失くして生きるより いっそこの命神に捧げても一度生まれ変わってやり直したい

ああ涙に埋もれてこのまま生きるより 今すぐに母のもとへと旅立って〔子供の時代(とき)のように〕その腕の中に抱かれて眠りたい


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ありさは、白川郷の“せせらぎの宿”の旅行から帰ると、また普段と変わらない病院に行って母洋子の世話をすることと、スーパーのレジ打ちの仕事の生活に戻っていた。

ただ、“せせらぎの宿”の女将の花山小春との出会いが、ありさの失恋で傷ついた心を癒してくれて、ポジティブに物事を考えられるようになったせいか、かなり旅行に行く前に比べて、その表情は明るくなっていた。

しかし、ありさがそんなポジティブに物事を考えられる時間も、わずか三か月で終ってしまい、再び彼女を悲しみのドン底に突き落とす出来事(運命)が待っていた。

それは、彼女宛に届いた、一通の結婚式の招待状だった。

その差出人の相手の名前は、かつて彼女の恋人で彼にプロポーズされたにもかかわらず、母洋子の病気のことが気がかりになり、彼へのプロポーズの返事を半年以上もうやむやにしていたばかりに、彼女とのプロポーズを白紙に戻された櫻井翔太からだった。

翔太の結婚相手は、ありさと同じ演劇部に所属していた大学時代の一番仲のいい友達(同級生)で、彼女と翔太が交際しているのを知っていながら、翔太に好意を抱いていた上野さくらだった。

ありさは、その結婚式の招待状を目にした瞬間、めまいを起こしそうになった。

翔太がどういう思いで、ありさに対してその結婚式の招待状を送ったのかは分からないが、彼女にとっては女として耐えられない、最大の仕打ちであり侮辱だったからである。

それもまだ、ありさとまったく無関係の女性との結婚だったら、これほどまでにまるでクギを踏んでしまったような、精神的にダメージを受けることはなかったのかもしれないが、よりによって彼女がよく知っている大学時代の一番仲のいい友達であり、ある意味では翔太をめぐって恋敵の女性だったからである。

ありさは、「どうして、私はこんなに苦しまなければいけないのだろうか・・・」と、自分の悲運を恨んだが、どんなに努力しても一度狂った自分の人生の運命の時計の針を、もと通りに戻すことはそう容易いことではなかった。

それは、この世の中は不可思議なことも多く、まったく自分の意志や行動などには関係なく、今回のありさに結婚式の招待状が届いたように、突然交通事故や殺人事件などの悲運に巻き込まれる人が、数多くいることも事実だからである。

もちろん、ありさが翔太と上野さくらの結婚式に出席することはなかったが、このまま自分の惨めさだけが強調される形で、ポロポーズを白紙に戻されてことが終わってしまうことがとても耐えられなかったので、丁重に仕事の都合で出席出来ないことを手紙に書いて、翔太宛に祝儀だけは送っておいた。

ただ、ありさの人生にとっての大きな不幸は、今回のような悲運な出来事が起こったときに、一番頼りになる母が脳溢血で倒れてしまい、口や右手が不自由な上に下半身不随になり、車椅子生活を余儀なくされてしまったために、安心して自分の心の苦しみを打ち明けて相談できる相手が、まったく彼女の傍に誰一人としていないことだった。

ありさが、自分の感情の整理ができずに、大量の睡眠薬を飲んで自殺を図ったのは、それから二日後のことだった。

だが幸いにも、パートの勤務時間になってもありさが姿を見せずに、まったく連絡が取れないことを不審に思ったスーパーSの店長が、彼女のアパートを訪ねてみると、彼女が居間の床に倒れている姿が、少し開けっ放しになっていた台所の窓から見えたために、すぐに救急車を呼んでくれて病院での手当が早かったために、なんとか命は取り止めることが出来た。

それに、今の睡眠薬はかなりの量を飲んでも、そんなに以前の睡眠薬ように直接命に害を及ぼすことが少なく作られていて、そんなに簡単に人が死ぬことがないことも幸いした。

だが、やはりありさにとって自殺未遂事件を起こして以来、また以前のようにスーパーSに戻って働き始めたものの、決して気のせいではないと極端に分かるほど、急になんだか同じ職場の同僚もそうだが、客の視線も冷ややかになったように感じるようになり、自らスーパーSのパートを止める決心をせざるを得なくなった。


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青春うたものがたりシリーズ2「幸せという名の不幸 」 10

2008-06-19 20:10:03 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜今回再スタートした、~青春うたものがたり2~「幸せという名の不幸」は、各話ともにすべてを再編集して、すべて前あらすじ書きを省き作品の内容をより鮮明にして読みやすくした上に、あらすじの内容そのものも新たなに加筆し重圧感のあるものにしました。つきましては、これまで以上に人としての涙や感動に出会えると思いますので、ぜひご覧になってください。

音譜本作品から、現在OCNCafeで開店中の当Cafe「Fairy Land」を訪れたみなさんの中で、毎回もっとも印象深いHNや面白くて楽しかった足跡メッセージを選ばせて貰い、訪問者のみなさんとの親睦の交流の輪をよりもっと楽しくて大きなものにしていくために、当ブログと当Cafeを連動させたひとつのエンターテイメントプレイとしまして、本作品のストリーの中に加えて掲載しご紹介させていただいています。そのHNや足跡メッセージの内容が掲載されています部分は、すぐにその当事者本人が閲覧できるように、赤い文字で記述しています。


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第10話/せせらぎの宿 3
~失恋の心の傷に効く温泉?!~

<こんな寂しい夜だから>

Sentiment travel 気まぐれな秋風に 背中を押されるように

行き先も決めずに 片道切符を買って汽車に乗る

荷物といえば ふたりの五年の思い出を詰めるのには ちょっと小さすぎるけど

Happy travel 初めてふたりが旅行する時に買った

紺の揃いのスーツケースが一個だけ 淋しすぎよね

住み慣れた都会(まち)を汽車が離れ ひと駅ひと駅と通り過ぎて行く度に

愛を刻んだあなたとの またひとつ思い出が遠ざかっていく

「真実(ほんとう)の愛に 気づく時間(とき)もないまま・・・」

お互いに傷つけ合うほど ah別にたいしたケンカをしたわけでもないのに

別れ話が切り出されて ah心の鍵を掛けあった二人

Traveling alone I am very lonely

ああひとり旅は初めてじゃないのに 頬を涙が濡らすのはやっぱりあなたが隣にいないせいですかね?


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ありさは、“せせらぎの宿”を訪れて以来も三日目くらいたった頃から、だんだんと自分の心の痛みが和らいで来ているのを直感するようになっていた。

それは、この温泉宿の女将である小春との出会いが、まるで元気な頃の母洋子とでも話しているかのように、ありさの心の大きな励ましや癒しとなったからだった。

小春は、ありさと宿の内外に関係なく顔を合わせる度に、いつも愛想よく自分や客の体験談を交えながら、心が自然にポジティブになってくるような話を、まるでわが子にでも言い聞かせるかのようにしてくれた。

そのせいもあり、いつしかありさは小春に母親のような感情を抱くようになっていた。

また、小春もありさのことを気に入ってくれたのか、そんな彼女の感情を何の躊躇いもなく、すぐに素直に受け入れてくれた。

よほど、そんな小春の人柄の良さや人情味が妙薬なったのだろう。

気がつくと、ありさは自分から小春の部屋にわざわざ出向いて行って、彼女の部屋に寝泊りして、今後の人生ことについて色々な相談をするくらい、彼女ことを信頼するようになっていた。

そんな小春の進めもあって、ありさは気分転換に彼女に付き合って、宿の周辺の野山に山菜取りに行ったり、市場に宿で使う食材の買出しの手伝いに行ったりするようになった。

よほど気分がいいのか、ありさの口から小春に付き合って出掛けるたびに、“*♪きたよ~♪きてね~♪)*”なんて鼻歌さえ出るようになっていた。

「ところで、ありさちゃんその鼻歌って初めて聞く歌だけどなんていうの?」

「すみません、なんかこの作品の作者のCafeによく遊びに来てくれる方が、いつも遊びに来るたびに書き残している足跡メッセージのようで、きっと作者の頭の中にこびり付いていて、きっとついとっさに浮かんで書いたものだと思いますので、私にはその歌のタイトルまでは分からなくて・・・」

「あっそうなの。それじゃああなたに聞いても分からないわよね・・・」

「じゃあ、私は歌はあまり上手くないから、シャレにでも一発かましますかね・・・」

小春もありさに負けまいと、「♪(●・^))モーッァルト野球をやったらもうツーアウト」と、ダジャレを言って笑わせた。

「アッハハハ・・・」

「ホッホホホ・・・」

もうこのあたりになると、小春はありさに対してお客と温泉宿の女将の関係のように敬語を使わなくなり、まるで家族の一員か昔からの知人とでも会話をしているかのように、気軽に話仕掛けるようになっていた。

逆に言うと、それだけそれは、二人の間柄が親しくなっていることを示す証でもあった。


――おっとと、チョット失礼。作者は人がいいのでみなさんに直接面と向かって言えないようなので、ナレーター役の僕が代わりに言わせて貰うね。最近、作者が作品のストリートとみなさんのHNや足跡メッセージを組み合わせるのに相当苦労しているようで可哀相なので、もっとみなさん作者が使いやすいようなHNや足跡メッセージ残してあげてね。「おお、お前もたまにはいいこというね。/ 担当ディレクター談」)――



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「そうそう、せっかく白川郷まで来たのだから、合掌集落を見て来たら・・・」

「そうですね。ここへお邪魔する途中に、白川郷の観光協会には寄って来たんですけどね・・・」

「世界遺産にもなっている場所だから、とても歴史やロマンを感じさせる上に、今は紅葉の見頃と重なってとても奇麗だと思うから、多少時間を掛けて見たって、決して損はないと思うわよ・・・」

「じゃあ、さっそく明日にでも行って来ます・・・」

「それと話は少しかわるけど、このあたりは春になると野山が“さくら”でいっぱいになって、とても奇麗になるの・・・」

「だから、今度来るときは春にいらっしゃいよ・・・」

「じゃあその時は、小春さんと一緒にお花見に行きましょうね^^それに私“さくらんぼ”が大好きだし・・・」

「ありさちゃん、いくらなんでも桜の花見の話とさくらんぼが大好きだという話は、まったく違うと思うんだけど・・・」


―♪京都、大原、三千院。あっそうそう、桜で思い出したけど、桜は奈良の吉野の千本桜も有名ですけど、京都の御室桜や醍醐寺、嵐山などの桜も有名なんだよね。そして、京都といえばいつも作者のCafe「Fairy Land」を訪れて奥ゆかしい京都弁の足跡メッセージを残してくれる、aoya3さんのことを、作者は心が温かくて優しい小春さんのようなイメージを持っているみたいでよ。―


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「あっ、そうそううっかり忘れていたけど、今日の夕ご飯の御菜は何にしようかしらね・・・」

「躰にはいいし、夕食は春菊たっぷりのすき焼なんかどうですか・・・」

「そうね、じゃあそうさせて貰おうかしらね・・・」

翌日、小春の進められたように“せせらぎの宿”を朝早く出て、白川郷の合掌集落を見学に行った。

バスは、タクシーとは違い色んなバス停を立ち寄るために、ありさが最初に“せせらぎの宿”を訪ねたときよりもかなり時間が掛かったが、朝宿を出るのが早かったためにそれほど道路の混雑はなかった。

やはり、合掌集落内の施設の見学が、利用可能な時間の午前9時が近づくにつれ、どこからともなく多くのバスや自家用車などがやって来て、500台ほどは駐車が可能だと思われるせせらぎ公園駐車場が見る見るうちに車でいっぱいになり、いつの間にかもう目や指で数えることが不可能なほどに観光客の数が増えていた。

その日は、季節柄まだ寒くとぼとぼと冷たい小雨までが降っていたが、たまたま日曜日と行くこともあり、ありさが思っていた以上に家族連れを含め、老若男女を問わない観光客が多かった。

合掌集落内には車の乗り入れが禁止されているために、せせらぎ公園駐車場がある場所から、10ほど歩いて合掌集落内に入るのだが、ここの見学システムは一般的なテーマパークやや遊園地などとは少し違っていて、合掌集落内には別途入場料を支払うことなく入場することが出来るかわりに、自分が見たいと思う気に入った建物(家屋)ごとに、決められた料金を支払ってその中を見学するというシステムになっていた。

ただ、その中でもやはりありさが興味を引かれたのは、テレビや雑誌などでは見たことがあるものの、初めて“せせらぎの宿”でその本物を目にした、合掌集落内の和田家の一階の居間にある“囲炉裏”だった。



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その日は、小雨ながら雨が降っていて多少霞がかかって全体的に山々の見難さはあったものの、駐車場脇に架かっているであい橋から眺める風景は、普段はなかなか触れ合うことがない自然とののどかな時間が楽しめ、なかなか雰囲気的にはいい感じだった。

その中でも特に白山の雪と、その周辺の紅葉とがコラボレート風景は、ありさの心に大きな感動を与えた。

※本作品は、白川郷の合掌集落や観光協会をあらすじの舞台として取り上げて描いていますが、本作品中で描かれています人物名や宿名、その他のすべてのものがフィクションであり、いっさい白川郷の合掌集落や観光協会とは無関係であることをご了承ください。

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青春うたものがたりシリーズ2「幸せという名の不幸 」 9

2008-06-19 20:09:15 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

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第9話/歌詞編

<こんな寂しい夜だから>


(一)

Lost love 失恋したての こんな寂しい夜だから

少しくらいお酒を飲んで グチってもいいでしょう

こんな日くらい 意地悪な恋の神様だって 許してくれるでしょう

Broken heart 孤独な胸のうち 誰かに分かって欲しくて

仲のいい友達に電話を入れたけど 留守電コール
 
今日はクリスマスイヴだもの こんな男と女が恋愛(こい)の魔法にかかって

夢の中を旅する夜に 家なんかにいるわけがないわよね

「あの娘は私と違って、モテるんだもの・・・」

化粧を落とす鏡の中の ah自分に自分で失恋話している

そんな姿が悲しくて ah勝手に涙が溢れてくる

Anyone is good It is good only tonight.

ああ誰か今夜だけでいいから 何も言わずにその温かい腕の中で眠らせて欲しい



(二)

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(三)

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My エッセイ


ハリー・ポッター・ワールドはこちら_セブンアンドワイ


本当の“ハリー・ポッター”の本や映画の魅力の虜にされるまで、この本が世界60カ国で翻訳出版されて、日本でも500万部以上の売り上げをしたという話題は、当時マスメディアの仕事をしていた関係で、誰かと公私を含めて会うたびに話のネタとして出るために、毎日耳にタコが出来るくらい聞いていました。ただ、当初は正直に言って、しょせん子供の魔法使いを主人公にした、単なるアニメや漫画ような世界の話のモノマネのような作品だろと勝手に思い込み、まったく興味はありませんでした。しかし、無理やり子供(小学生の娘と息子)たちにせがまれて、今から約7年前の2001年12月に日本で初公開された『ハリー・ポッターと賢者の石』の映画を見に行った瞬間、いかに自分の思いが浅はかで軽薄なものだったのかを知らされました。それは、ディズニーランドが現実の世界でエンターテイメントの実体験ができる夢と魔法の国なら、“ハリー・ポッター”は本や映画の世界でエンターテイメントの疑似体験ができる夢と魔法の国だったからです。オンライン書店のセブンアンドワイは、お客様のそんな夢とニーズのおすすめの本を届けてくれる、まさにWebの世界における魔法の本屋さんかもしれませんね。

青春うたものがたりシリーズ2「幸せという名の不幸 」 8

2008-06-19 20:08:20 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
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第8話/せせらぎの宿 2

~失恋の心の傷に効く温泉?!~

<こんな寂しい夜だから>

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「実は・・・私・・・今回この宿にお邪魔したのは失恋で傷ついた心の痛みを治すのが目的で来たんです・・・」

「と、言いますと?」

「私の父と母は、私が小学二年生のときに離婚しました。それ以来、母は私と妹、弟の三人を女手ひとつで育てるために、昼夜なく我が身を削って働きここまで育ててくれました。しかし、その母が私の結婚を目前にして脳溢血で倒れてしまい、口がきけず右手しか使えなくなった上に、下半身不随になり車椅子生活を余儀なくされたことになりました。彼からプロポーズされたのが、母が脳溢血で倒れる前だったこともあり、私自身はもちろんですが、母も私が彼と結婚することを自分のことにように、その時点まではもの凄く喜んでいてくれていました。しかし、母が脳溢血で倒れてしまい入院することになってしまったのをきっかけに、私の人生の時計はすべてが狂い始めました・・・」

「それは、どういうことですか?」

「もう妹は結婚してしまっているし、せっかく弟は私と母が苦労して銀行の教育ローンを組んで金を工面し、大学の入学金や学費などを支払ったのにもかかわらず、その大学をわずか半年たらずで中退したことが原因で、私や母と大喧嘩になり家を出て行ってしまいました。」

「そのせいで、もう姉妹弟の中で家に残っている者は、私しか誰もいなくなったのです。ですから、そのために母の面倒を見る者が私以外に誰もいないということもありますが、それと同時に私自身は長女ということもあり、母が私や妹、弟の三人を女手ひとつで育てるために、昼夜なく我が身を削って働いて苦労していたことをよく知っていますから、いくら自分が幸せになるためだとはいえ、正直に言いましてそんな病気の母親を独りだけ取り残して、どうしても彼のプロポーズにすぐに“はい”と言って返事をして、彼と結婚することの決心が付けられなかったのです・・・」

「それから、その話はどうなったのですか?」

結局、その結果クリスマスイヴの日に彼から連絡があって呼び出され、彼にプロポーズを白紙に戻されました・・・」

「そんなことが、あったのですか。さぞ辛かったでしょうね・・・」

「いくら、母の病気のせいだとはいえ、彼からのプロポーズの返事を、半年以上もうやむやにして引き伸ばしていた私が悪いのは、自分でも分かっているんですけどね・・・」

「ただ、あなたにとっては、自分の人生の選択としてどちらを選択しても、いずれにしてもどちらかを傷つけることになる大きな問題でしたから、とても辛い話でしたね・・・」

「そうですね・・・」

「でも、少し無責任な言い方かもしれませんが、そんなときにこそ心を強く持って、これからの新しい人生に立ち向かって行くことが大切なことだと思いますよ・・・」

「そうですね。いつも辛いとか苦しいとかそんなことばかりを考えていますと、すべてがネガティブな物の考え方をしてしまうようになってしまい、何をやっても上手く行かないことが多くなるのではないかと思いますし、少しでもどちらかといえばポジティブな物の考え方をして、常に気持ちにも余裕を持って、心の笑顔で生きていくのが一番いいことだと思いますからね・・・」

「そうですね。それは人が生きていくことにとっては、一番大切なことだと思いますね・・・」

ありさは、話が一段落して小春が部屋を出て行く際に、彼女に心に溜まっていたわだかまり聞いてもらいだいぶ気分的に落ち着いたせいか、最高の笑顔で「ありがとうございました・・・」と、お礼を言った。

夕食は、白川郷の合掌集落の建物(民家)にあるのと同じような、一階の居間にある囲炉裏を囲んで行われた。

ありさは、夕食そのものよりも雑誌などでは見たことがあったが、初めて見る本物の囲炉裏に、すごい興味をそそられた。

だがありさ以外に、初老と四十代半ばくらいの夫婦二組と、一人旅の三十代の男女に各一組と、ありさと同年くらいと思われる女性の合計で七人の宿泊客がいたが、それぞれの宿泊客がありさのように何かわけがありそうな客ばかりで、どちらかというとそっちの方が気になって、とても囲炉裏に興味をそそいでいる余裕などはなかった。

夕食の内容そのものは、普通の温泉宿と似たような食前酒、前菜、カニ、鮎の甘露煮、牛ステーキなどのメニューだったが、まったく玄関前の看板にも書かれていたように他の温泉宿と違ったのは、夕食時においてそれぞれの宿泊客同士が、自分の悩みや不安ごとなどを他の客に聞いてもらうことにより、自分の心の重荷(痛みや苦しみなど)なっている負担を軽くするというものだった。

「食事を採りながらでいいですから、私のために少し時間をいただいて、宿の玄関口の楯看板に書かれている内容のことについて話しをさせて貰っていいですかね?」

「この当温泉宿にいらっしゃってくださるみなさんは、単なる普通のお客様のような旅行目的のお客様ではなく、何かしらほとんどのみなさんが辛いことや悲しい出来事があって、心身ともにお疲れになっている方が多いようです。つきましては、当宿ではそんなみなさんの心身の痛みや苦しみなどを少しでも取り除いていただくために、一人ずつの方にこの食事の時間を使って、自分が思っていることや言いたいことを気軽にお話していただき、みなさんにお聞きしてもらうことにしています・・・」

小春はそう言うと、最初は宿泊客の心を和ませるためか、自分の人生の体験談やジョークを交えながら、この“せせらぎの宿”の玄関前の案内の看板に、普通の温泉宿とは違う一期一会、家族の温もり、心のやすらぎ、涙のかけ流し、失恋傷の心の治湯、などの、書かれている文字の内容の意味について、こと細かく説明をし始めた。


新幹線の中で、若い二人連れの乗客の女性が“失恋した時の恋の傷に効くという”という、岐阜の白川郷にある温泉宿(せせらぎの宿)の正体は、そう今温泉宿でありながらテレビや雑誌などでよく見かける、米国で行われている心理療法(精神療法)のカウンセリングの一種のような、旅行者のための心のケアをしてくれる憩いの場(温泉宿)だったのである。



※本作品は、白川郷の合掌集落や観光協会をあらすじの舞台として取り上げて描いていますが、本作品中で描かれています人物名や宿名、その他のすべてのものがフィクションであり、いっさい白川郷の合掌集落や観光協会とは無関係であることをご了承ください。



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青春うたものがたりシリーズ2「幸せという名の不幸 」 7

2008-06-19 20:07:29 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
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第7話/せせらぎの宿 1
~失恋の心の傷に効く温泉?!~

<こんな寂しい夜だから>

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ありさと同席したのは、初老の年の割にはとても華やか格好をしている女性だったが、たまたま通路を挟んで隣の席に座っている若い二人連れの女性が面白い話をしていたので、その話を座席にもたれて眠った振りをして聞くことにした。

その話は、失恋した時の恋の傷に効くという、温泉宿が岐阜の白川郷にあるという話だった。

まあ、それは単なる噂話だろうとは思ったが、まだ別にどこへ行くかも決めていなかったので、
「もしかしたら、何かいいことあるかな・・・」なんて興味もあったりもして、その温泉に行ってみることにした。

新幹線を名古屋で降りると、JR高山線の電車に乗り換えて飛騨高山まで行き、バスで白川郷に向かった。

しかし、白川郷に着き、新幹線の中で若い二人連れの女性が話していた、失恋した時の恋の傷に効くという温泉宿のことを駅員や町の人たち聞いても、近隣の「子宝の湯」のとして有名な平瀬温泉郷には、リウマチや皮膚病、糖尿病などに効くという様々な温泉宿やビジネスホテルはあるもの、誰ひとりとして白川郷自体にそんな温泉宿があることなど知らなかった。

ただ、彼女自身よくよく自分で考えてみると、もう二十七歳にもなる女がこんな幼稚で恥ずかしい話をしていることにかなりの抵抗を感じたが、もう今さら白川郷まで来た以上そう簡単に引き返す訳にはいかなかった。

仕方なく、これから先の行動に困ったありさは、とりあえず白川郷の荻町にある観光協会を訪ねて、その話について尋ねてみることにした。

白川郷の観光協会は、荻町の世界遺産にも指定されている合掌集落の手前にある合掌造り民家園の駐車場(せせらぎ公園駐車場)のすぐ傍にあった。

合掌集落内には、車の乗り入れが禁止されているために、いったん観光客はここでバスや車を降りて駐車場の代金を支払い、集落内までに四、五分ほどかけて歩いて行き、合掌集落内の建物や風景などを見学するシステムになっていた。(ちなみに、その後の合掌集落内においての入場料については、自分が立ち寄った家屋ごとに支払うことになっているという。)

だが、ありさの場合は合掌集落を見学することが本来の目的ではなかったために、民家園の駐車場でタクシーに待ってもらうと、すぐに観光協会がある建物に向かった。

観光協会の建物自体も、茅葺屋根に本を開いて立てたような三角形をした合掌づくりで、まるでその外観のすべてが童話の世界にでも出てくるような、ファンタスチックそのものだった。

年の頃は、五十歳前後ってとこだろうか?

かなり、自分の中でも子供じみた話しを聞くことへの照れ臭さはあったが、タクシーを待たせているぶんその料金のことを考えると、そんなことも言っておれずに観光協会の中に入ると、すぐに案内係の窓口に座っているその女性に、恋の傷に効く温泉宿のことについて尋ねてみた。

そのとたん、その女性は掛けていた眼鏡を何度となく上下にずらしながら、「この人は何を言っているんだろう?」というような、まるで呆気に取られたような顔つきをして、ありさに少し待ってくれるように伝えると、すぐに上司らしき人物の所へその話を確かめに行った。

その上司らしき人懐っこそうな中年の男性は、おそらく出された名刺に観光案内課の次長“大竹博”と書かれているだけあって、この白川郷の地域の事情については、かなり詳しい人物なのだろう。

すぐに、その窓口係りの担当をしている女性の話を聞いて、すぐにありさが尋ねていることに対してピン来たようだった。

「きっと、小春さんがやっている“せせらぎの宿の”ことだろう・・・」と言って、その宿がある場所を快く教えてくれた。

そして、ありさがお礼を言って帰ろうとすると、「小春さんの温泉宿は、お客さんにとって何が一番効くかというと、小春さんの笑顔と人柄かな・・・」と、ひと言にこやかな笑顔で付け加えて言った。



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その噂の温泉宿は、さっきまでありさが居た観光協会の建物と同じように、茅葺屋根に本を開いて立てたような三角形をした合掌づくりで作られており、その名の通りに小川に面して“水のせせらぎの音”が聞こえる場所にあった。

そして、確かに新幹線の中で若い二人連れの女性たちが話していたように、宿の玄関口の温泉の効能が書かれている楯看板には、普通の温泉宿が書いているようなリウマチ、運動器障害、虚弱児童、婦人病などの文字はまったくなく、一期一会、家族の温もり、心のやすらぎ、涙のかけ流し、失恋傷の心の治湯、などの文字が書かれている、かなり風変わりの温泉宿だった。

ただ逆に、ありさはその楯看板に書かれている効能の文字を見て、ますますこの温泉宿に心を引きかれ、一時も早くこの温泉宿の暖簾をくぐって、さっき白川郷観光協会の観光案内課の次長大竹博が話していた、この温泉宿の女将の小春さんという人に会ってみたかった。

きっと、そんな感情の高ぶりからだろう、タクシー料金のつり銭を貰うのを、うっかり忘すれてしまい、そのままタクシーを返してしまった。

せせらぎ宿の中に入ると、ありさの予想していたイメージ以上の、人のよさそうな初老の上品な着物姿の女性が、にこやかな笑顔を見せながら応対に出て来た。

おそらく、ありさはこの上品な着物姿とにこやかな笑顔を見て、この人が観光協会の大竹博が話していた、このせせらぎ宿の女将の小春さんっていう人だろうとピンと来た。

「当宿によくおいでくれましたね。どちらからいらっしゃっんたんですか?」

「東京です・・・」

ありさが、小春の問いかけにそう答えると、彼女は相変わらずのにこやかな笑顔で「長旅で疲れたでしょうね・・・」と言いながら、すぐに仲居さんを呼んで足を洗うための盥を用意させ、彼女の足を洗ってあげるように指示した。

ありさは、そのこれまでの旅では一度も体験したこともない、小春の細やかな気遣いに恐縮して、自分で足を洗うことを提言したが、彼女にこの宿の決まりだからと丁重な口調で説明されたために、この場はそのまま彼女の言葉に素直に従うことにした。

そしてその後、仲居さんがありさの足を洗うのが終わると、すぐに小春は今日ありさが宿泊する、一階の廊下の奥にある“蛍”と書かれた名札の部屋に案内した。

その部屋は、露天風呂までついている上に、小川に直接面していて水のせせらぎ
の音がよく聞こえる、とても心が休まる部屋だった。


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長年宿泊客を見て来ている感からだろうか?

すぐに、小春はありさがただの旅行目的の客ではないことが分かったらしく、部屋に着くなりお茶の用意をしながら、今回の旅行の目的について尋ねて来た。

「あなたがどんな理由があって、この宿のやって来たのかは分かりませんが、いつも私は今日一日が平凡に過ごせますようにと思って、暮らしているの・・・」

「私はそれが、一番人にとって必要な心がけだし、大切なことだと思いますからね・・・」

「ただ、逆に言うと平凡に生きることって、一番簡単なようで一番難しいことですけどね・・・」

ありさは、小春のちょっと話を聞いただけでも、すっかり彼女の人情の温かさを感じる人柄に触れ、 “この人なら本当のことを話してもいいかな・・・”とついつい思うようになった。

そして、これまでに自分の身の回りで起きたすべてのことについて打ち明けて、たとえそれが一期一会の旅行者との触れ合いとはいえ、これまで色んな客の人生模様を見て来て、ずっと普通の人よりは人生経験が豊富だと思われる、小春に自分の悩みの相談に乗ってもらう決意をした。


※本作品は、白川郷の合掌集落や観光協会をあらすじの舞台として取り上げて描いていますが、本作品中で描かれています人物名や宿名、その他のすべてのものがフィクションであり、いっさい白川郷の合掌集落や観光協会とは無関係であることをご了承ください。


OCNブログ「おとぎのお家」
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