今回で、いよいよ「リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼」(秋田県藤里町で起きた、畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件をモチーフにして描いた童話作品。)も感動の最終回です。ただ、この作品を書いていて強く感じたことは、“せっかく自分がすごく苦しい思いをし、お腹を痛めて生んだ子供を、いくら自分が生きて行くのに邪魔になったからとはいえ、いとも簡単にそこら辺いる虫けらのように我が娘を殺すことが出来るって、その本人でないとその本当の答えは分からないことですが、そのときの母親というのは、果たしてどんな心境なのでしょうかね・・・”という、人間の業の奥深さと精神構造の複雑さです。
~最後のクリスマスプレゼント ~
作 / 猪 寿
♪Silent night holy night
君の命は 君のものだから
君の幸せは 君のものだから
誰にも 君のその命を
誰にも 君のその幸福を
奪う権利はない 壊す資格はない
君が永遠に眠る その日まで
その理由は、くも丸の本当の優しさや思いやりに出会えたお陰で、自分が天の国に行くことを決心できたお礼を、彼に伝えたかったからでした。
ただ、くも丸にはそんなさくらちゃんの思いが通じなかったのか、天の国行きの汽車の発車の時間になっても、彼はホームには姿を見せませんでした。
――プォーォー、プォーォー、プォーォー・・・――
――シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、ゴットンガットン、ゴットンガットン、ゴットンガットン・・・ゴオォォォー、ゴオォォォー、ゴオォォォー・・・――
やがて、さくらちゃんがくも丸に再び会うことをもう諦めて汽車に乗ると、天の国行きの汽車は大きな汽笛の音を名残惜しそうに二、三度鳴らし、どこまでも透き通る冬の夜空に飛び立ちました。
「さようなら、くも丸・・・」
さくらちゃんが、そう心の中で独り言を呟いて、もう二度とくも丸と会うことはないと諦めていたときでした。
――ヒュルヒュルヒュルヒュル・・・バーン、バーン、バーン、バーン・・・――
天の国行きの汽車がブナの森の駅を出発して、どのくらいの時間が経っていたのでしょうか。
突然、真っ青な冬空の星の群れの中を、天の国に向かって走り続ける汽車の前方に、次々に色鮮やかな花火が打ちあがり、乗客みんなを驚かせました。
そして、その花火が静かに冬の夜空に消えていくと、今度は次々に空いっぱいに、大きな花火で描かれた文字が浮かび上がりました。
そして、そこには“さくらちゃん Merry Xmas”と書かれていました。
「も、も、もしかしてくも丸?!」
さくらちゃんが、この突然のクリスマス祝いに大慌てして窓から顔を出して周囲を見回すと、赤鼻のトナカイが引くあでやかに装飾されて橇に乗ったくも丸が、サンタクロースの姿をして汽車の上空から手を振っていました。
さくらちゃんはくも丸の姿を見たとたん、これまで沈んでいた気持ちなどどこかに吹っ飛んでしまい、見る見るうちに元気を取り戻しました。
そして、さっきまでずっとくも丸に伝えようと思っていたお礼の言葉を、自分の声が枯れてしまうほど、彼のいる場所に向かって何度も何度も繰り返して叫び続けました。
「ありがとう~くも丸~・・・」
「さくらの最後の願いを聞いてくれて~・・・」
「くも丸と出会えたことが~・・・さくらにとっては最高のクリスマスプレゼントだからね~・・・」
ただ一瞬、さくらちゃんの脳裏を話の最中に、「もしかしてさくらの声、汽車が走る騒音に掻き消されて、くも丸に聞こえていないのでは・・・」という不安が過ぎりましたが、すぐにその不安は彼女の中から思いもよらぬ出来事がおこり消えました。
それは、「ちゃんと聞こえているから、心配しないで大丈夫だよ・・・」だという、くも丸からリトルサンタの特技のひとつである、人間の子供とテレパシーを使って会話ができる、心のメッセージが届いたからでした。
くも丸からそのメッセージを聴こえたとたん、さくらちゃんの表情はこれ以上の喜びはないというような、満足感に溢れていました。
そしてその瞬間、さくらちゃんの心に残っていた人間の世界での最後のわだかまりも、すべて消えてなくなりました。
やがて、さくらちゃんを乗せた汽車が、冬の星座の群れの中に小さな点になって消えていくと、くも丸がひと言呟いた。
「こんど生まれて来る時は、絶対に幸せになるんだよ・・・」
さくらちゃんが天の国行きの汽車に乗る日に決めたのは、くも丸がリトルサンタとしてブナの森の子供たちに、クリスマスのプレゼントを届けにやって来るクリスマスイブでした。
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