おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

りとるさんた / 永遠のきずな1

2011-12-19 00:07:06 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望


クリスマスツリーもしも、みなさんの中で本作品『りとるさんた / 永遠のきずな』をご覧になって、ひとつぶの涙を流したり一度の感動も受けなかったという方がいましたら、ぜひ私の方へご連絡ください。それだけ、本作品は一人のハルという五歳の女の子の人生を通して、「親子の愛」「家族の愛」「人間の愛」について真剣に問いかけ、その答えを導き出した作品です。それだけに、すべての読者のみなさんに本物の“愛”と“感動”を必ず届けてくれると思います。

企画 / 下家 猪誠
著作 / 猪 寿

子どものいちばんの夢ってなんだろう

子どものいちばんの愛ってなんだろう

子どものいちばんの幸福ってなんだろう

それは・・・いつも手を伸ばすと・・・

真実の優しさや温もりがすぐ届くところにある

心のやすらぐ生活の場所があることかもしれない


(一)

りとるさんたは、遥か空の上にあるおとぎの国、ホワイトランドに住んでいます。

その姿は、小さなサンタクロースの身形をしています。

毎年、クリスマスの時期になるとやって来て、世界中の純粋な心を持った子どもたちの、夢や願いごとを叶えてくれます。

でも、りとるさんたの姿は、決して大人たちには見えません。

それは、りとるさんたが、子どもたちの純粋な心のエナジー(エネルギー)で創られた、幻想の国の妖精だからです。


ウーウーウー ウーウーウー・・・・・


今年も、りとるさんたの集まりを知らせるハート型のサイレンの音が、ホワイトランドの国中に鳴り響きました。

さあいよいよ、りとるさんたの出動の季節がやって来ました。

サイレンの音が鳴った瞬間、まるでこの時期を待ちかまえていたかのように、今年もホワイトランドのあっちこっちから、りとるさんたの任命を受けた何百人、いや何千人もの妖精たちが、子どもの夢の製造工場があるメルヘンシティー(ホワイトランドの中心都市)に続々と集まって来ました。

その目的は、世界中の子どもたちの家に、クリスマスのプレゼントを届けるためにやって来たのです。

りとるさんたは、大人になっても人間の赤ちゃんほどの大きさしかありません。

子どものときはその半分ほどの大きさです。

普段のりとるさんたは、人間の子どもたちと同じように、ホワイトランドの町の小学校や塾などに通っている、普通の男の子や女の子たちです。

今回、海辺の町ショコラビーチからやって来たチッチも、普段は小学校に通う男の子です。

ただ、りとるさんたは人間とは違って妖精ですので、そのぶん空の上を縦横無尽に飛びまわったり、人間の子どもや動物たちとテレパシーを使って話したり、現在から過去や未来の時間の空間をの中を自由自在に移動したり、人間(大人を含む)や動物の夢の中にワープできるなどの、数多くの特技(超能力)を持っています。

ただし、子ども以外に現実や夢の世界などで、大人に自分の姿を見られたり大人と話したりすると、極端に体のエナジーが消滅してナメクジのように干からびていき、最後には生命の危険に晒されてしまうという弱点があります。

さっそく、チッチは夢の製造工場に着くと、お気に入りの黄色いサンタクロースの衣装に着替えて、りとるさんたに早変わりです。

ちなみにチッチは、りとるさんたに任命されるのは今回が初めてで、この役目をすごく楽しみにしている反面、心の中はとてもドキドキして緊張していました。


―ドーン!ドーン!ドーン! シュルシュルシュル パーンパーンパーン・・・―


「メリークリスマス!」

「メリークリスマス!」

メルヘンシティーの夜空に、何万発もの色鮮やかな花火が次々に打ちあがり、町中のあっちこっちで大勢の見物客が賑わう中、ひときわあでやかなクリスマスを祝うパレードが始まりました。

さあ、いよいよ待ちに待った、りとるさんたの出発の時です。


りとるさんたに変身したチッチは、子どもたちの夢や願いごとがいっぱい詰まった、大きなプレゼント用の袋を赤鼻のトナカイの橇に乗せると、ほかのりとるさんたの仲間たちと一緒に、元気よく満天の星の中に飛び立って行きました。


(二)

チッチが最初に向かったのは、あるダウンタウンのパン工場の近くにある、ハルという名前の女の子の家です。

ハルはおばあさんの手伝いをしながら、チッチと同じようにこの町の小学校に通う、とてもがんばり屋で心のやさしい女の子です。

ただ彼女には両親がいません。

彼女が五歳の時、交通事故で亡くなりました。

両親を交通事故で亡くして以来、ずっとおばあさんと二人で暮らしています。

まだ幼かったとはいえ、両親ふたりを一緒に失くしたことは、ハルにとっては大きなショックでした。

そのせいで、ハルはそのことを知ると、しだいにすべての物事から遠ざかり、みんなに心を閉ざすようになりました。

そして、いつも近所の子どもたちに誘われても、一緒に学校に行ったり遊んだりするのを嫌がり、いつしか独りで部屋にひきこもることが多くなりました。

そんなハルの心の痛みや悲しみを取り除いてくれたのが、おばあさんのいつでも変わらないやさしい笑顔と、温かい愛情でした。

今では、おばあさんはハルにとって、パパでもありママでもある両親のような存在です。
彼女が良いことをすると、自分のことのように喜んで褒めてくれ、彼女が悪いことをすると、大粒の泪を流して本気で怒ってくれます。


ハルは、そんなおばあさんが大好きで、今では自分の一番大切な宝物のように思っています。


チョコみなさん、次回のりとるさんた世界でいちばんの贈り物~は、エミリーちゃんの願いごと(ペルシャ猫の子猫を飼いたい)を叶えてあげるための、クリスマスイブまであと1日と迫った時間の中で、チッチは“りとるさんた”が持っているどんな超能力を使って、彼女に世界でいちばんのクリスマスプレゼントを贈るとおもいますか?アッ!と驚くような予想もしないストリー展開に、みなさん自身もこれまで一度も体験したことがない超ファンタヂックの世界を、今年のクリスマスはこの作品で初めて童心に返って体感することができ、その幸せな気分を思う存分に楽しめることになると思いますので、ぜひご覧になってくださいね。