夕方4時過ぎ漸く順番が回ってきて、車椅子で手術室へ。
医療系のドラマみたいに、帽子にマスク、そして半袖の術着を着た先生と、助手さん、それに看護師さん1名待っておられました。
手術台に上がろうとするが、幅の狭さにビックリ・・・先生「さあ、どうぞ、踏み台使っていいから、ベッドに横になって」と急かすけど、マジで「アイロン台」位しか無い。
それでもそろそろと登って横たわったら、「待ってました」とてきぱきと土嚢袋みたいな布地で半分簀巻きにされ、体の表面に青い風呂敷みたいなのを被せられる。
そして右手の「術野」だけ穴が開いているようで、そこから手術室の冷気がすうすう入って来る。
右手を手のひらを上にして、ガムテープみたいなので、固定。強盗が猿ぐつわするアレみたいなもんだろう。
「はい、血圧計左手に巻きます。点滴始めます」と、一旦寝てしまうと、皆さんやる事の早い事!
「では、右手に麻酔しますね。ちょっとチクッとしますよ~」とおっしゃったが、「チク」じゃなくて、ぐいぐい押される圧の方が勝っていた。
「ではカテーテル入れていきます」
「先生、お尋ねしたいのですが」
「はいっ、何でしょう?」
「くしゃみ出そうになったら、どうしましょう」
「あ~、我慢せずにやっちゃって下さい~」「はい・・分かりました」
「じゃ、入れて行きますよ~、くしゃみ出そうだったらしていいですよ。痛かったら言って下さいね」
手首の辺りに、先生が、ぐいぐい押している感じが分かる。そして、腕の中を、何か氷のような冷たいミミズのような物がうねうねを這って行くのが分かる。
でも、肩付近になると、ふっと何もかもが消えた。
静寂に包まれた手術室。聞こえるのは心電図の「ピッピッ」という音と血圧計のプシュープシューという音だけ。
薄目を開けて辺りを見ると、私めがけて、大きなアームロボットの先にiPadみたいなのが付いている機械が、グイーンと寄って来る。
少し経つと、それは3本アームで、あちこちから、私の胸めがけて、規則正しくズームして来る。
つまりが、あれだ、私は「自動車工場のセット中の車」なのだ。
車だとベルトコンベヤーで動いて行って、ロボットが固定されていて、ドアつけたり、ハンドル付けたりしていくのだが、私の場合、私は固定されていて、ロボットアームが、私の上でメリーゴーラウンドのように回っているのだ。
特にハプニングもなく、手術は1時間半ほどで終了。車椅子で部屋に帰ったのが7時頃だった。
右手のカテーテルを入れた所は、「お子ちゃまの浮き輪」みたいなので、きっちきちに絞められている。
看護師さんが、今から2時間毎に6CCづつ空気を抜いて行くのだそうな。
「まあ、一気に抜く訳に行かないのね」
「そんな事したら、大出血しますよ」「あらま」
そこから彼女は律儀に2時間おきに空気を抜きに来てくれて、結局終わったのが午前零時。
「ご苦労様でした、お休みなさーい」と言ったんだけど、待てよ、彼女今日夜勤じゃん、寝られへんやん。ああ、私だけ寝ていいのかしら・・と小心者の私はくよくよしながら、爆睡するのだった。
翌朝7時頃先生やってきて「どうですか?痛いとか気分悪いとか無いですか?」
「はいっ、ありません」
「mioさんの心電図ね、はい、これ」とパソコンに表示して、「ここ、枝分かれしてるトコ分かる?ここ狭窄してるよ」
「あちゃ~」
「数字で言うと、ボクは70だったら、そのまま何もしなくていいよと言います。
80だったら、即手術を勧めます。 で、mioさんはね・・・・・78なのです。
どうする?」
と私を覗き込んで回答を求める先生。そんな今すぐ返事できないですってば。
「一度帰宅して、家族と相談してから決めます」とお返事した。
退院する時当然「浮袋」は外してもらえた。
術後1週間、右手はこんな感じ。痛くも何ともないけど、痛々しい。
さあ、手術やりますか、やりませんか?と選択を迫られているけれど、「78」とは悩ましい数字だなあと、後一歩が踏み出せないのであります。
医療系のドラマみたいに、帽子にマスク、そして半袖の術着を着た先生と、助手さん、それに看護師さん1名待っておられました。
手術台に上がろうとするが、幅の狭さにビックリ・・・先生「さあ、どうぞ、踏み台使っていいから、ベッドに横になって」と急かすけど、マジで「アイロン台」位しか無い。
それでもそろそろと登って横たわったら、「待ってました」とてきぱきと土嚢袋みたいな布地で半分簀巻きにされ、体の表面に青い風呂敷みたいなのを被せられる。
そして右手の「術野」だけ穴が開いているようで、そこから手術室の冷気がすうすう入って来る。
右手を手のひらを上にして、ガムテープみたいなので、固定。強盗が猿ぐつわするアレみたいなもんだろう。
「はい、血圧計左手に巻きます。点滴始めます」と、一旦寝てしまうと、皆さんやる事の早い事!
「では、右手に麻酔しますね。ちょっとチクッとしますよ~」とおっしゃったが、「チク」じゃなくて、ぐいぐい押される圧の方が勝っていた。
「ではカテーテル入れていきます」
「先生、お尋ねしたいのですが」
「はいっ、何でしょう?」
「くしゃみ出そうになったら、どうしましょう」
「あ~、我慢せずにやっちゃって下さい~」「はい・・分かりました」
「じゃ、入れて行きますよ~、くしゃみ出そうだったらしていいですよ。痛かったら言って下さいね」
手首の辺りに、先生が、ぐいぐい押している感じが分かる。そして、腕の中を、何か氷のような冷たいミミズのような物がうねうねを這って行くのが分かる。
でも、肩付近になると、ふっと何もかもが消えた。
静寂に包まれた手術室。聞こえるのは心電図の「ピッピッ」という音と血圧計のプシュープシューという音だけ。
薄目を開けて辺りを見ると、私めがけて、大きなアームロボットの先にiPadみたいなのが付いている機械が、グイーンと寄って来る。
少し経つと、それは3本アームで、あちこちから、私の胸めがけて、規則正しくズームして来る。
つまりが、あれだ、私は「自動車工場のセット中の車」なのだ。
車だとベルトコンベヤーで動いて行って、ロボットが固定されていて、ドアつけたり、ハンドル付けたりしていくのだが、私の場合、私は固定されていて、ロボットアームが、私の上でメリーゴーラウンドのように回っているのだ。
特にハプニングもなく、手術は1時間半ほどで終了。車椅子で部屋に帰ったのが7時頃だった。
右手のカテーテルを入れた所は、「お子ちゃまの浮き輪」みたいなので、きっちきちに絞められている。
看護師さんが、今から2時間毎に6CCづつ空気を抜いて行くのだそうな。
「まあ、一気に抜く訳に行かないのね」
「そんな事したら、大出血しますよ」「あらま」
そこから彼女は律儀に2時間おきに空気を抜きに来てくれて、結局終わったのが午前零時。
「ご苦労様でした、お休みなさーい」と言ったんだけど、待てよ、彼女今日夜勤じゃん、寝られへんやん。ああ、私だけ寝ていいのかしら・・と小心者の私はくよくよしながら、爆睡するのだった。
翌朝7時頃先生やってきて「どうですか?痛いとか気分悪いとか無いですか?」
「はいっ、ありません」
「mioさんの心電図ね、はい、これ」とパソコンに表示して、「ここ、枝分かれしてるトコ分かる?ここ狭窄してるよ」
「あちゃ~」
「数字で言うと、ボクは70だったら、そのまま何もしなくていいよと言います。
80だったら、即手術を勧めます。 で、mioさんはね・・・・・78なのです。
どうする?」
と私を覗き込んで回答を求める先生。そんな今すぐ返事できないですってば。
「一度帰宅して、家族と相談してから決めます」とお返事した。
退院する時当然「浮袋」は外してもらえた。
術後1週間、右手はこんな感じ。痛くも何ともないけど、痛々しい。
さあ、手術やりますか、やりませんか?と選択を迫られているけれど、「78」とは悩ましい数字だなあと、後一歩が踏み出せないのであります。