実を言えば特に興味もなかったのだが、
子(下)が行こうよというので、横浜にバンクシー展を観に行ってきた。
子(下)はさすがの第二子で「お母さんと一緒に行けば、入場料も、ごはんも交通費も出してくれんじゃん?」と公言している。(上)には出来ない芸当である。
コロナ対策で、チケットは全てWEB販売。
さらに、日にちと時間が区切られている予約チケット制。
我々は「昨日の17時〜18時までだけに入場できる」チケットを購入する。
ケツは決まってないので、ゆっくり見ることはできる。
これは、いい。
コロナ終わっても、こういうのが普通になったらいいなあ。
「17時から18時」のチケットを持っている人はみんな張り切ってくるので、ちょっとずらして17時半くらいに入るのがいいかもしれない。もちろん我々も張り切って17時に行ったのだが、全部見終わってから、全然やってこない子を「今どの辺にいるのかなあ」と思ってちょっと逆に遡って行ってみたら、超ガラガラになっていて「小部屋に一人」状態の時もあった。
ちなみに遡っても遡っても子は現れず、もういいやと思って外に出て待つことにした。
そのあと1時間くらい待つ。
夫もそういう人(展覧会などは舐め回すように一個一個みるので私の5倍くらい時間がかかる)なので慣れているのだが、子がこういう人だったとは知らなかった。しかし子に待たされてもイライラしないのに、夫に待たされると微妙にイライラするのは何故か?どこかで「夫には気を配ってもらって当然」とか思っているのだろう。最近ちょっとそれがわかってきた。
「当然なこと」などは存在しないのだよ。
さてさて、バンクシーである。
壁に絵を描きたくなるね。自分ちの塀とかにネズミを描きたくなる。なんかメッセージがある風のやつ。
あとシルクスクリーンもやりたくなる。出来ないけど。
There's nothing more dangerous than someone who wants to make the world a better place.
ワールドをベタープレイスにしようとする人ほど、デンジャラスなやつはいない
って書いてあった。
そりゃそうかもしれないけど、
Make a better place っていうのは私にとってはMJ(マイケルジャクソン)なわけで、
MJだって頑張ってたんだよって、ちょっとしょんぼりした。
っていうか今気がついたけど、デンジャラスって単語も使ってるのか。これは完全にMJのことなのかな?
だけど、あらためて この文章だけ見ると別にディスってるわけでもないのかな?って見えるなあ。
展覧会では非常に鋭角な批判って感じで展示されていたように感じたけど、実際のところはどうなのだろう。バンクシーってもうちょっと「おもしろがり」の人なんじゃないのかなあって思ったけども。
消費社会、商業主義に対抗し、批判し、壁に落書きをして、メッセージを発信したら、それを切り取られ勝手に売られちゃったりしてるのは、ちょっと「なんかいいなあ、ドタバタしてて」とか思った。これも「バンクシーはきっとおもしろがりの要素を多く持っているに違いない」と見込んでの話なんだけどさ。
あと面白かったのは、観客たちがみんなスマホを見ていたこと。
スマホを使うと解説が聞けるらしいんだけど、そして多分解説が文字でも出てくるみたいなんだけど、それを読んでいるのか何か、とにかく展示の版画の前でスマホをみんなで見てる。これはなかなかシュールでよかった。これがもう一つの作品なのではないかとか思ったね。深いなバンクシー。
商業主義に本人は反対しているのにも関わらず利用されちゃってる様子だったので、これは売店に期待。ミッキーとドナルドに手を繋がれているベトナム戦争の女の子のTシャツがあったら買うか否か、いやいや、やっぱ猿(Laugh now・・・)かしらね。でもおばさんが着てたらイタいかなあ。ティーシャツなくてもポストカードだったらどれを買おうかなあとか、超消費者視点でワクワクしていたら、売店は目録や雑誌のほかは「banksy」と書いてある白Tシャツと、白い靴下と、スマホケースとスタンプが売っているだけというラインナップだった。えっまじすか。商業主義反対っすか。
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その後横浜でチーズ三昧のできるお店にご飯を食べに行く。
チーズフォンデュ、にく、チーズのパスタ、ティラミスというチーズだらけコースを頼んだら、「肉」の時点で二人ともお腹いっぱいになるという悲劇が始まる。
そこに濃厚なチーズのパスタが到着・・・。美味しいのよ?美味しいんだけど5種類のチーズのパスタは厳しい。せめてタコのペペロンチーノにしておけばなんとかなかったかもしれないのに・・・
「頑張るよっ!」と目を三角にしてパスタを食べてたら、お店に流れていた曲がマイケルジャクソンになる。beat it のイントロである。おお、すごい巡り合わせ。MJが僕のこと思い出してくれてありがとうって言ってるのかな。と思って頑張って食べ始めてたら、ちょっと様子が違う。微妙にMJじゃないのだ。ん?これ違うよね?あれ?でもなんかこれ聞いたことあるよ・・・
と思ったら、皆さんご存知だろうか、Beat Itの替え歌でEat itという歌があったことを。
なんと、その時かかってたのはEat it だったのだ。
なんという運命か。
現代に批判的なメッセージを浴びた後に、非常に商業的なお店にやってきて、自分で頼んだくせにお腹いっぱいになって、カロリーオーバーのパスタを頬張る我ら母娘に「Eat it!eat it!」とアルヤンコビックがたたみかける。なんてこった!これをアートと言わずになんというか!!
私の素晴らしい教育によって、子(下)もアルヤンコビックの存在も「eat it」の歌のことも知っていたので、二人で笑いが止まらなくなる。いやはや。生きてるっていろんなことがあって楽しいね。
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ということで、旅行などもってのほかって感じになっている中、ちょっと旅行気分な半日だった。
ドタバタするのも、これまた人生。
洗練さているのも素敵でいいけど、こういうのも悪くない。
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