日曜日のだいどころ

台所に立つのは結構好きだ。

若い頃は「フェミニズム」とか「ジェンダー」とか「差別」とかなんかそういうことにアンテナが向いていたせいで、「は？料理？別に好んではしませんね。必要にせまられればやりますけどね。」みたいなことを言っていた。料理が好きな女はいい奥さんになれるみたいなコト、私に向かって言わないでくれる？かに座のO型は良妻賢母だって？バッカじゃないの？

今はあまりそういうことを言う必要がなくなっているのは、私が年をとったせいか、それとも世の中が変わったせいか。
まあなんにせよ突っ張らからなくていいっていうのは楽である。

というわけで、言おうじゃないか。
台所に立つのは結構好きだ。

特に日曜日の午後はいい。
外は静かで、車も通らない。
子どもが出かけていればなお結構。
静かにひとりでこねたり切ったり洗ったりしていると、少し寂しいような気持ちになる。
するとネコが冷蔵庫の上からにゃーと言ってのぞく。

なに？おなかすいたの？まだだよー。

夕暮れてきて、周りが薄暗くなってくると、だんだんと風の音や車の音が聞こえてくる。お隣からタイマーの鳴る音。電話の声。ざわざわ、がやがや。子どもも帰ってくる。ネコもうるさくなる。ごはんーごはんー。


うまいことできてるなあと思う。