印鑑登録

印鑑登録証明が必要になったので
「印鑑登録をしなくては」と思っていたら
ぽろっと印鑑登録カードが出て来た。
無記名のカード。
わ、わたしのか？
しかし、いつ／なんのために印鑑登録なるものをしたのかまるで思い出せない。

ひょっとしてわたしではない誰か＝夫のではないか。
「名前と住所を間違って記入したら交付できません」
と書いてある。
夫のカードを持って行ってワタシの証明を出してもらおうとしても交付はされない。その時に「これご主人のですよ」と言ってくれれば「あらあら」で済むが、そんな親切はないかもしれない。個人情報がうんぬんとかで。ただそっけなく「交付できません」と言われるかもしれぬ。そしたらどうしたらいいのだろう？「夫のでしょうか？」と聞くか？そしたら市役所の人は「これは個人情報にかかわりますから」とか言うかもしれぬ。

そんなことになる前に当の夫にきくと
「え？オレのはあるよ？ほら」
と夫の登録カードを見せてくれた。
こういうことにはめっぽう弱い夫が今回だけはやたらと歯切れがよい。
しかし「いつ／なんのために登録カードを作ったのか」
ということに関しては、夫も覚えがなかった。

なんで私たちは印鑑登録などをしたのだ？

前の前のアパートを借りるときか？
前の家を借りるときか？
それともスタジオを借りるときか？
それとも町田に引っ越して来たときに「わたしたちも３０過ぎたし印鑑登録でもしましょう」なんて言って酔狂でしたのか？
酔っぱらっていたのか？
誰かに騙されてたのか？知らないハンコで印鑑登録されてていつのまにか多額の借金を負ってたり！！

さっぱり思い出せない。

しかし、多額の借金があるならさすがにもう表面化しているであろう。

ああでもでも！！ひょっとしてこのカードが家族のものではなく全くの他人のものだったらどうなるのだろう。「ご家族ですか？」とか聞かれてしどろもどろになっていたら警察がきて逮捕されたりしちゃったらどうしよう。町田市役所はすぐ隣に交番があるし。

かくなる上は、言い逃れが出来るように、色々な細工をして（カードにふせん「えこ」を貼っていく。それを受付でわざわざ見せてからはがす。あとで他人のものだった時に「あれ！？これが私のだと思ったんですけど！ふせんをはっておいたのにな～」という芝居をうつための伏線でアル）市役所に行ったら、
あっさりとれた（私のだった）。
印影も知ってるハンコだった。
どうやら自ら登録をしたようだ。
大きな犯罪にまきこまれなくてよかった。

妄想癖もたまには大変である。