・遍羅 倍良Wrasse べら
ベラ科、べらには多くの種類がありキュウセン、ササノハベラ、ニシキベラ、オハグロベラ、カミナリベラ、ヤナギベラ、ムスメベラなど100種ほど確認している。単にベラというとキュウセン(求仙・九仙)を差すことが多く温暖な海域で特に瀬戸内海、海中の砂地と藻の点在する岩間に生息する。
幼魚時はすべて雌で性転換すると雄になり体表の色彩が鮮やかで雌と雄との体表の色の違い、斑紋(はんもん)で識別する。体型は長卵形で鑑賞魚としてもよく、体長20~35cmで雌は赤みがが強くアカベラ、雄は青みが強くアオベラとも呼ばれる。
口は小さいがかなりの貪食(どんしょく)で歯が発達し相当固いエビ、カニ類の小さいものは餌とする。辺(あた)りが暗くなってきたり、水温15℃以下に下がってくると砂に潜って眠る習性のある昼行性の魚。
キュウセンは、流通量は少ないがベラの仲間で一番おいしいといい関西以南で好まれ雄のほうがひとまわり大きく雌より食用とされ、6~8月を旬とする。
表面がヌルヌルしているのでよく塩で揉み洗い、下処理してから調理するとよい。肉質はややブルーがかった白身でやわらかく刺身、塩焼き、煮付け、南蛮漬け、カマボコの原料にしている。
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