遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

松岡和子訳「から騒ぎ」

2010-03-01 23:16:46 | シェイクスピア
2010/3/1

松岡和子訳「から騒ぎ」を読む。
昨日は聞き逃していたけど、ツンデレの男のほう・ベネディックがいきなりひげを剃ったのは、脚本に書いてあった。面白かったんだけど、演出じゃなかったのね。読み返してわかることもいろいろある。
恋愛劇だけど、このくらいなら学校演劇でやってもいいんじゃないかなあ。
BBCの役者のよかったイメージが残ってるんだけど、ツンデレな二人のやりとりは読んでも面白い。戯曲なら引用ができる。
ベネ「あなたほどぼくが愛している人はこの世にいない。こんなこと言うの変じゃない?」ベア「変よ。見たことないくらい変。私だって、あなたほど私が愛している人はいないと言えないこともない。だけど本気にしないで--嘘でもないけど。私、何も打ち明けてないし、打ち消してもいません。」…いい加減にしろ、とハリセンで突っ込みを入れたくなる。
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シェイクスピア 30/37

2010-02-28 19:12:43 | シェイクスピア
2010/2/28

BBC「から騒ぎ」を見る。
すでに一回は見ていたかと思っていたけど、全然知らない話だった。恥ずかしい。
ごく真っ当な恋愛劇。独身主義者の一組の男女がツンデレにツンデレを重ねつつ、結ばれるという話。シェイクスピアの話のわりに脱線もないし、相当わかりやすい部類に入る話ではないだろうか。
んで、BBCシリーズの得意技である直球勝負が見事に合っていた。ツンデレの男のほうベネディックがひげをそっていることとか、二度の「聞き耳」シーンのわざとらしくコミカルな様子とか演出面がよかったと思う。
ツンデレの女のほうベアトリスは美人であった。ツンデレ同士の恋愛モノというのはこんなに昔からあったものなんだな。
それにしても、シェイクスピアの世界観では貞潔であることが女性の美徳とされているんだけど、証明のしようがないことでずいぶんみんな振り回されてしまうもんだな。

※ ツンデレの女のほう。
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シェイクスピア 29/37

2010-02-25 22:55:04 | シェイクスピア
2010/2/25

BBC「ヘンリー4世・第2部」を見る。
ヘンリー4世が死に、放蕩息子のハル王子が後を継いでヘンリー5世になるまでの話。展開は地味。途中、内乱があるけどあっさり和睦するし。
ヘンリー4世の死に際、呼吸の途絶えた王を見てハル王子は死んだと勘違いする。傍らの王冠を手に取り、父の跡取りとして生きていく決意をする。ところが、息を吹き返した父親は王冠を手にしたハル王子を見て激怒。王子をコソ泥呼ばわりしたりする。コメディでもないのにずいぶんなドタバタ。王子は半べそになるし、よくわからない。ちょっとかわいらしかったけど。
でも、デヴィッド・グウィリム演じるハル王子は負けない。そんなグダグダな状態から後を継ぎ、雰囲気が激変する。演技レベルの高さに感心。トレヴァー・ピーコックに並んで、ここまでのBBCシリーズの主演男優賞候補だと思う。

※ 傷物ハル王子。
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シェイクスピア 28/37

2010-02-24 22:42:48 | シェイクスピア
2010/2/24

BBC「アントニーとクレオパトラ」を見る。
クレオパトラと言えば、その美貌を武器に男を誘惑して政治に利用する計算高い女というイメージがある。自分だけかしら。
ただ、この作品に出てくるクレオパトラは思いのほか一途だった。
アントニーのほうが、クレオパトラを信頼し切れず、さんざん独り相撲を演じた挙句、二人とも死んでしまう。結局、「疑りぶかい男に翻弄される女」というシェイクスピアにはよくある話になってる。
当然なんだけど、アントニーとクレオパトラがたくさん出てきて、散々いちゃいちゃしているので、戦争もその勢いでやっちゃってる感じがする。なんだか下々の兵士がかわいそうだと思ってしまうのは仕方ないか。
「国を失ってもかまわない。それだけ愛しているのだ」と言えば美しいけど、それならさっさと降伏してくれたほうが、死人も減ると思うんだけど。ただ、シェイクスピアの登場人物は「名誉」という言葉が大好きだからなあ。

※ シーザーは少年のようだったけど大物感もたっぷり。
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シェイクスピア 27/37

2010-02-23 22:59:05 | シェイクスピア

2010/2/21

BBC「冬物語」を見る。

シェイクスピアの晩年の話。

嫉妬深いシチリア王がいて、疑念のあまり妻と親友を殺そうとたくらむ。

この辺は「オセロー」に似ているんだけど、この王様は誰にそそのかされたわけでもなく、ただ嫉妬深い性格というだけで凶行に及ぶ。

実際はすべて未遂に終わり、ハッピーエンドになるんだけど、なんだかなだからに話は進み、のどかな印象。

後半にある感動の再会のシーンはすべて現場にいたという男たちのせりふのみで説明。

この辺は鉄板の感動シーンを見せ付けた「ペリクリーズ」と間逆の書き方。上品と言えば上品かな。

演出的には「役者ドアップ→一人語り」が長くって、ちょっと飽きた。シチリア王のアップが長く続くと不快。

つまんなくもないけど、インパクトもない。

別の演出で見てみたい作品。

※ 衣装はロシア風。

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シェイクスピア 26/37

2010-02-19 23:53:03 | シェイクスピア
2010/2/19

BBC「終わりよければすべてよし」を見る。
元からこのことわざはイギリス産らしい。「All's Well That End's Well」ですって。
お話は身分違いの恋。身分低めの女医師ヘレナがフランス国王の病を治す。よろこんだ王は、ほうびとしてヘレナをずっと片思いをしていたバートラム(身分高い)と結婚させる。今の感覚だとすごい話。手柄を立てた男が身分の高い女に求婚するという話なら腐るほどあるけど。逆転してる。
このヘレナが一途というか健気というか恐ろしい執念で、バートラムと一夜をともにする。演出しだいでヘレナがどうにでもなるというところがおもしろい。バートラムもヘレナがいやで戦争にまで行っちゃうのに、結局つかまってしまう。どっちにも感情移入できるけど、BBCはへレナびいきだったかな。
シェイクスピアの芝居で、ヘレナのように複雑な人間性を持つ女性は珍しいと思った。
あとペローレスを見てヘイポーを思い出した。

※ ふけ顔。ただし不美人でもない。
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シェイクスピア 25/37

2010-02-07 18:20:59 | シェイクスピア
2010/2/7
BBC「シンベリン」を見る。
タイトルはシンベリン王から。ただ、この王様は話にあんまり関係していない。
相変わらず美しい衣裳や風景にうっとり。今回は季節が冬で屋外のシーンもきれい。
古典なのに話の筋はけっこう複雑で、「間違いの喜劇」なんかを髣髴とさせる。複雑だけど、伏線がつながったときの気持ちよさもある。ヒロインの男装やベッドルームトリックなど、これまで見てきた作品でおなじみのテクニックが総動員。
古典だけど初めて見たので、最後がどうなるか最後まで気になりながら見ることができた。
ニューヨークタイム紙がこのBBC版「シンベリン」の演出を絶賛してたらしいんだけど、納得。生首の使い方がインパクト大。
ただ、しょうがないんだけど、ヒロインの名前がイモジェン、言い寄ってくる悪者がヤキーモー。おなかがすいてくるのはいたしかたのないところ。

※キーパーソン、忠義者の「ピザ」ーニオ。
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シェイクスピア 24/37

2010-02-04 00:15:44 | シェイクスピア
20210/2/3

BBC「ペリクリーズ」を見る。
タイアの領主ペリクリーズが最愛の妻と娘を亡したと思って絶望する。が、実は生きてて感動の再会を果たすという話。
「テンペスト」と比べても、こっちのほうがよりテンペスト(=嵐)という感じがする。劇中、ペリクリーズは船上で二度の大きな嵐に遭遇する。でも、彼自身の人生の浮き沈みも相当なものだ。「絶望→歓喜→絶望→歓喜」と大変忙しい。娘マリーナとペリクリーズの再会は、誰がどうやったって鉄板の見せ場だ。
あと変わってるなと思ったのが、善人が多いこと。今まで見たシェイクスピア作品は、打算的な登場人物ばかりで、善人はそんなにいなかったような。義理の父、サイモニディーズ王は善人で、しかも明るくて賢いタイプ。こういう登場人物がいるとほっとする。
あと、他のBBCと同様、宴会のときのダンスや女郎屋の雰囲気が本場じゃなきゃできない魅せ方をしていてよかった。

※ 美男子という感じではないペリクリーズ。
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シェイクスピア 23/37

2010-01-26 23:33:59 | シェイクスピア
2010/1/26

BBC「テンペスト」を見る。
シェイクスピアの戯曲の中で唯一魔法を使える主人公。
時間も短いし楽勝かと思ったけど寝てしまった。ああ。
タイトルどおり、最初のシーンは嵐の船上。
自然現象が話題ではなく、実際に舞台上に出てくるのは珍しい。シェイクスピアは上演を前提にした戯曲を書くから、面倒くさいなあと思いつつ書いたんだろうな。いい演出家がいたのかもしれない。
主人公の存在も異色。ほとんど万能の魔法使いなので、人間味はうすい。娘を溺愛するけど、いい男がいればあっさり譲ってしまうし。
自ら魔法を捨てるあたりもずいぶん人間ができてる。
主人公プロスペローと空気の精霊エアリアルの関係が面白かった。「最後の命令だ。…自由になれ」はかっこいいです。
ただ、エアリアルはもう少し布をつけてほしかったな。精霊のくせにえろいんですわ。

※ 良識派の魔法使い。
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シェイクスピア 22/37

2010-01-24 21:09:07 | シェイクスピア
2010/1/24

BBC「リア王」を見る。
シェイクスピアの四大悲劇は三つめ。
タイトルから歴史劇のように淡々とした話なのかと思ったけど、そんなことはない。
王には三人の娘がいた。退位するにあたって、うまく立ち回った二人の姉に対し、三女のコーディリアは正直さが災いして王の怒りを買ってしまう。
上の二人の名前はゴネリルとリーガン。まるでアメプロの悪役タッグのような名前。彼女たちは、財産をもらったらあとは用済みとばかりにリアに冷たくあたる。
でもBBC版だとリアのほうも厄介なもうろくじじいとして描かれているので、どちらかと言うと「介護に悩む娘たち」という感じにもなってた。リアの家来が100人から50人に削減されたりとか、今の日本社会の縮図を見ているよう。かなり終盤までいかないと彼女たちが悪く見えない。むしろ三女のバカ正直さがうっとうしく感じる。

※ かなしいリア王。
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