観劇三昧:KPR/開幕ペナントレース『あしたの魔女ョー【或いはRocky Macbeth】』
2018/3/9
シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『マクベス』を、『あしたのジョー』のフォーマットで見せる話。
シェイクスピアの派生作品もここまでやらないと新鮮な表現にならないんだと、気が遠くなる思いで見ていたら、やっぱりウトウトする。
みんなの心の中にも、ボクサーにも、マクベス的なるものがいるという理屈はわかるけど、なんで混ぜちゃったんだろうという素朴な疑問が消えず。
自分にとっては、マクベスとジョーの共通点より相違点のほうが大事みたい。
マクベスとジョーが戦うなら楽しそうなんだけど、違う話になってしまうし。
ボクシングのリングを模した舞台美術が美しい。
マットに沈んでいくマクベス的な者たちの表現は怖いし、字幕や鯉の水槽の映像もスマートな見せ方でかっこいい。
ただ、実験としての面白さは感じつつ、前評判との温度差に居心地が悪くなってしまった。
※劇評家の藤原央登さんによる「コンセプチュアルな『マクベス』読解と、小ネタによる笑いがもたらす幅」 。ここまで熱意を持っては見れず。
■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:KPR/開幕ペナントレース
公演時期 2017/08/16
上演時間 01:02:34
地域:関東
出演者:高崎拓郎/G.K.Masayuki/森田祐吏
スタッフ :
作・演出:村井雄
音楽:Tsutchie/照明:沖野隆一/音響:前田マサヒロ/美術:竹邊奈津子/映像:ワタナベカズキ/演出助手:渋木のぼる/舞台写真:池村隆司/当日制作:武藤香織/票券:伊藤沙耶・星島佳代/特設WEBサイト:樋口徹/宣伝イラスト:しりあがり寿/宣伝美術:秋澤一彰/英語字幕・ドラマターグ:青井陽治
あらすじ
そこに三人の魔女がいる。そして、欲深き誰の心にもマクベスは在る。魔女の声はマクベス自らの心の声だ。マクベスが死に、新たなチャンピオンが誕生しても、魔女は別のマクベスに預言を囁くのをやめないだろう。死した全てのマクベス達は、リングの中で新たなマクベスを待つ。そして、私たちは預言に過ぎない安全神話を信じてきた。バーナムの森はすでに動いている。気づかぬふりをしてきた私達に、魔女は何を囁くのだろうか。そして、私たちは次なるマクベスに何を囁くのだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます