良寛異聞 (河出文庫) | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
2011/8/9
再読。良寛さんの初恋の人が弥々。
「売り言葉」の高村智恵子もそうだし、「なにわバタフライ」のミヤコ蝶々もそうだけど、女性の生涯を追うと一人芝居になりやすいんだろうか。もう少し具体的な説明ができそう。「役者」である弥々の娘が、16歳から72歳までの弥々を演じる。
この三人の女性に共通しているのは、若いうちはハキハキして元気な女の子。
晩年は割と悲惨な終わり方ということ。ミヤコ蝶々はちょっと違うかな。
でも、悲惨なほうが盛り上がるのはたしかだな。このパターン、他にもありそう。
弥々の娘という設定だが、ほとんどすべての時間を弥々として見せている。弥々と娘の二重構造は、最後の最後で活きてくる。
目の前には良寛がいる設定。つまり、観客は良寛目線。これも最初にそう置かれるわけだけど、これも最後まで目立たせない。
凝ってる。
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