8月28日付の朝日新聞の朝刊の1面によると、米アマゾンドットコムは電子書籍販売で出版社に対して、アマゾンがもうかるような条件を出しているかどうかで出版社を格付けしているという。そのうえで、アマゾンがもうかる条件を出す出版社の電子書籍を検索やサイトでより目立つようにする一方、アマゾンがあまりもうからない条件を出してくる出版社の電子書籍をサイトで目立たないように差をつけて、圧力をかけているという。
http://www.asahi.com/articles/ASG8P5RP8G8PUCVL01F.html
独占や売る力といった優越的な立場を利用して、出版社という書物のコンテンツ、いわば日本の文化の作り手を破壊しているのに等しい行為と言えるだろう。
政府はクールジャパンと称して、漫画などの日本の出版物を世界に売り出そうとしているが、クールジャパンも日本文化の作り手があってのこと。この前の「カカクコムが雇用を奪う」の考察でも書いたが、消費者に直接接する小売りが独占や大型化で力を増し過ぎると、商品やサービスの作り手の力や余裕がなくなって、結局は産業が衰退し、雇用も奪われる。現在、経常赤字が定着したのは、原発が動かずに石油の輸入が増えたことだけでなく、かつては輸出産業だった家電メーカーがダメになったからだ。家電メーカーがだめになった大きな一因の一つが、カカクコムやヤマダ電機などがそのバイイングパワーに任せて値段だけで消費者に訴えるようになったためと言えるだろう。
一方、自動車産業はまだカカクコムの対象になっておらず、メーカー系列のディーラー網で売れているので、利潤が残り、それが再投資や技術革新にもつながると考察したが、それをつぶしにかかったのが中国による日本の自動車部品メーカーのカルテル違反処分だ。日本は部品が強いので、日本メーカーをたたいて自国の部品メーカーを育てようという国家戦略は感服する。
いずれにしても、朝日新聞が1面でアマゾンの傲慢さを暴いたのは、この問題を放置しておけば、日本の文化や知的財産も、家電のように1円で売り飛ばされることになりかねない、という危機感からではないか。国粋主義の外資たたきという観点からすれば、中国政府が日本の自動車部品メーカーをカルテルで100億円超の罰金をとった際に、政府の意を受けた中国の報道機関が一斉に外資をバッシングするという構図と似てなくもない。しかし、実態は大きく異なると思われる。なぜなら、朝日新聞は政権べったりの読売と違って、安倍政権批判を繰り広げて、安倍政権とは対立しているからだ。政府の意を受けてという可能性は低いだろう。それだけに、記事はなおさら信用がおけるというものだ。
そもそもアマゾンは海外配信をいいことに、電子書籍の販売では8%の消費税を支払っていないという。これは楽天のKOBOも同様のようだが、これは日本からの配信で消費税を払っているイーブックなど国内の電子書籍会社の経営を圧迫しており、不公平と言わざるをえない。
こうしたことを総合的に考察した人は、アマゾンからの不買という形で行動を起こすかもしれない。東京人が1度不快な思いをした飲食店から文句は言わずに黙って立ち去り、2度と足を運ばないのと同じように。
隗より始めよ。アマゾンは即日配達などで、便利なのでこれまでも使ってきたが、今後はアマゾンが悔い改めて、こうした横暴をやめたことが確認できるまで、ネット通販は他のサイトを使うこととしたい。家族にも厳命したいと思う。
http://www.asahi.com/articles/ASG8P5RP8G8PUCVL01F.html
独占や売る力といった優越的な立場を利用して、出版社という書物のコンテンツ、いわば日本の文化の作り手を破壊しているのに等しい行為と言えるだろう。
政府はクールジャパンと称して、漫画などの日本の出版物を世界に売り出そうとしているが、クールジャパンも日本文化の作り手があってのこと。この前の「カカクコムが雇用を奪う」の考察でも書いたが、消費者に直接接する小売りが独占や大型化で力を増し過ぎると、商品やサービスの作り手の力や余裕がなくなって、結局は産業が衰退し、雇用も奪われる。現在、経常赤字が定着したのは、原発が動かずに石油の輸入が増えたことだけでなく、かつては輸出産業だった家電メーカーがダメになったからだ。家電メーカーがだめになった大きな一因の一つが、カカクコムやヤマダ電機などがそのバイイングパワーに任せて値段だけで消費者に訴えるようになったためと言えるだろう。
一方、自動車産業はまだカカクコムの対象になっておらず、メーカー系列のディーラー網で売れているので、利潤が残り、それが再投資や技術革新にもつながると考察したが、それをつぶしにかかったのが中国による日本の自動車部品メーカーのカルテル違反処分だ。日本は部品が強いので、日本メーカーをたたいて自国の部品メーカーを育てようという国家戦略は感服する。
いずれにしても、朝日新聞が1面でアマゾンの傲慢さを暴いたのは、この問題を放置しておけば、日本の文化や知的財産も、家電のように1円で売り飛ばされることになりかねない、という危機感からではないか。国粋主義の外資たたきという観点からすれば、中国政府が日本の自動車部品メーカーをカルテルで100億円超の罰金をとった際に、政府の意を受けた中国の報道機関が一斉に外資をバッシングするという構図と似てなくもない。しかし、実態は大きく異なると思われる。なぜなら、朝日新聞は政権べったりの読売と違って、安倍政権批判を繰り広げて、安倍政権とは対立しているからだ。政府の意を受けてという可能性は低いだろう。それだけに、記事はなおさら信用がおけるというものだ。
そもそもアマゾンは海外配信をいいことに、電子書籍の販売では8%の消費税を支払っていないという。これは楽天のKOBOも同様のようだが、これは日本からの配信で消費税を払っているイーブックなど国内の電子書籍会社の経営を圧迫しており、不公平と言わざるをえない。
こうしたことを総合的に考察した人は、アマゾンからの不買という形で行動を起こすかもしれない。東京人が1度不快な思いをした飲食店から文句は言わずに黙って立ち去り、2度と足を運ばないのと同じように。
隗より始めよ。アマゾンは即日配達などで、便利なのでこれまでも使ってきたが、今後はアマゾンが悔い改めて、こうした横暴をやめたことが確認できるまで、ネット通販は他のサイトを使うこととしたい。家族にも厳命したいと思う。