我が国の100%エネルギー自給計画

我が国のエネルギー源を自然エネルギーで100%まかない、純国産エネルギー100%の国づくりを国家100年の計として目指す

アマゾンで買うのをやめますー朝日報道、日本文化の破壊容疑

2014-08-29 07:51:14 | 日記
8月28日付の朝日新聞の朝刊の1面によると、米アマゾンドットコムは電子書籍販売で出版社に対して、アマゾンがもうかるような条件を出しているかどうかで出版社を格付けしているという。そのうえで、アマゾンがもうかる条件を出す出版社の電子書籍を検索やサイトでより目立つようにする一方、アマゾンがあまりもうからない条件を出してくる出版社の電子書籍をサイトで目立たないように差をつけて、圧力をかけているという。
http://www.asahi.com/articles/ASG8P5RP8G8PUCVL01F.html
 独占や売る力といった優越的な立場を利用して、出版社という書物のコンテンツ、いわば日本の文化の作り手を破壊しているのに等しい行為と言えるだろう。
 政府はクールジャパンと称して、漫画などの日本の出版物を世界に売り出そうとしているが、クールジャパンも日本文化の作り手があってのこと。この前の「カカクコムが雇用を奪う」の考察でも書いたが、消費者に直接接する小売りが独占や大型化で力を増し過ぎると、商品やサービスの作り手の力や余裕がなくなって、結局は産業が衰退し、雇用も奪われる。現在、経常赤字が定着したのは、原発が動かずに石油の輸入が増えたことだけでなく、かつては輸出産業だった家電メーカーがダメになったからだ。家電メーカーがだめになった大きな一因の一つが、カカクコムやヤマダ電機などがそのバイイングパワーに任せて値段だけで消費者に訴えるようになったためと言えるだろう。
 一方、自動車産業はまだカカクコムの対象になっておらず、メーカー系列のディーラー網で売れているので、利潤が残り、それが再投資や技術革新にもつながると考察したが、それをつぶしにかかったのが中国による日本の自動車部品メーカーのカルテル違反処分だ。日本は部品が強いので、日本メーカーをたたいて自国の部品メーカーを育てようという国家戦略は感服する。
 いずれにしても、朝日新聞が1面でアマゾンの傲慢さを暴いたのは、この問題を放置しておけば、日本の文化や知的財産も、家電のように1円で売り飛ばされることになりかねない、という危機感からではないか。国粋主義の外資たたきという観点からすれば、中国政府が日本の自動車部品メーカーをカルテルで100億円超の罰金をとった際に、政府の意を受けた中国の報道機関が一斉に外資をバッシングするという構図と似てなくもない。しかし、実態は大きく異なると思われる。なぜなら、朝日新聞は政権べったりの読売と違って、安倍政権批判を繰り広げて、安倍政権とは対立しているからだ。政府の意を受けてという可能性は低いだろう。それだけに、記事はなおさら信用がおけるというものだ。
 そもそもアマゾンは海外配信をいいことに、電子書籍の販売では8%の消費税を支払っていないという。これは楽天のKOBOも同様のようだが、これは日本からの配信で消費税を払っているイーブックなど国内の電子書籍会社の経営を圧迫しており、不公平と言わざるをえない。
 こうしたことを総合的に考察した人は、アマゾンからの不買という形で行動を起こすかもしれない。東京人が1度不快な思いをした飲食店から文句は言わずに黙って立ち去り、2度と足を運ばないのと同じように。
 隗より始めよ。アマゾンは即日配達などで、便利なのでこれまでも使ってきたが、今後はアマゾンが悔い改めて、こうした横暴をやめたことが確認できるまで、ネット通販は他のサイトを使うこととしたい。家族にも厳命したいと思う。

カカクコムは日本の雇用を奪う

2014-08-16 03:27:49 | 日記
日経新聞が1面のトップで報じた「ソニー「車の目」参入 自動運転車に弾み 15年から量産 」の記事を見て感じた所感を記したい。モーターの日本電産をはじめ、自動車向けに伸ばしている企業は業績がいい。そのため、パナソニックをはじめ、土俵際に追い込まれている企業ほど「今後は自動車向け」を大合唱しているように映る。自動車は成長産業なのか。自動車はすでに50年前からあり、燃費などはよくなっているのだろうが、人を運ぶという機能としては10年1日本質的な
違いはない。ではなぜどの企業も「宝の山」として群がるのか。
理由を端的に言えば、自動車が本質的な価格競争力があるとか言うわけではなく、自動車の新車だけは「カカクドットコム」の対象になっていないことが本質だと思う。自動車系列のディーラーがローンをつけてがっちり価格を統制している。かつて日本の電気メーカーが系列特約店経由での販売が主流で、利益が出ていた時代と合致する。別にカカクコムでなくてもよく、ヤマダ電機でもヨドバシカメラでもイオンでもいいのだが、小売り企業が販売価格の主導権を握った瞬間にメーカー(あるいはレコードなどコンテンツメーカー)は死滅する言えるのではないか。
電機はリストラの嵐となり、目端の利く有能者はサムソンに去り、頭脳(製造技術)流出が実現した。もちろん、電機の株式時価総額が小さくなる一方で、利潤が移転したビッグカメラなどの専門小売の時価総額は増大し、マクロ的にみれば行って来いかもしれない。
 ただ、小売りの3Kの雇用拡大に比べれば、中小企業のねじのおやじまで雇用の裾野が広かった電気の製造メーカーには及ばないだろう。
「お客様は神様です」とい世界一の接客はサービスのイノベーションだと高く評価したいが、自動車など物が海外で売れるのに比べて、人のノウハウは輸出できず、外貨を稼げていないのが実態だ。地球上ならどこでもトヨタの自動車はトヨタだが、ラテン系のスペイン人に付加価値が高いからといって日本の接客サービスを「輸出」しようとしても価値観も人的能力も違うのでうまくいかないだろう。
カカクコムを時価総額3700億円にした経営陣には敬意を
表したいが、雇用数は491人(うちアルバイト69人)にすぎない。
現在、人手不足なのは介護や建設現場やすき家の牛丼など3K職場ばかり。求職数が最も多い事務職の求人は1倍を大幅に割り込む。無理もない。簡単な事務作業はコンピューターやロボットに置き換わっているからだ。ロボット(コンピューター)は不平不満を言わず、労働災害も訴えず、セクハラ・パワハラだと声高に叫ぶこともない。労働者が「人間賛歌」を唱えたところで、サラリーマン化が加速する雇用者側が同じコストならロボットと人をどちらを雇うかは火を見るよりも明らかだ。
 以上、日本が唯一稼げる自動車産業は、技術革新力があることが本質ではなく、消費者の販売価格を握っている(楽天やカカクドットコム、ヤマダ電機、イオン、セブンイレブンなど小売りなどに握られていない)ことが最大の事の本質だと今頃気が付いたのは20周回遅れだろうか。