12月9日、成功を夢見てカナダにやってきた多くの移民が、生計の維持に苦しんでいる。写真は飼い犬を散歩させるリトアニア出身のジャスティナス・スタンカスさん。トロントで11月撮影(2023年 ロイター/Wa Lone)
Wa Lone
[トロント 9日 ロイター] – 成功を夢見てカナダにやってきた多くの移民が、生計の維持に苦しんでいる。生活コストが上昇し、賃貸住宅が不足しているためだ。国外流出人口は増加しており、移民たちが第2の故郷にしようと選んだカナダを再び後にせざるを得ない状況がうかがわれる。
人口増加の減速と高齢化というカナダが抱える大きな課題への対策としてトルドー首相が重視するのは、経済成長の加速にもつながる移民受け入れ推進だ。カナダ統計局によれば、今年、カナダの人口は移民の流入により過去60年以上で最も大幅な増加を見せた。
だがここに来て、このトレンドに逆行する動きも出始めている。公式統計によれば、2023年1─6月にカナダを離れた個人は約4万2000人。2022年は9万3818人、2021年には8万5927人だった。
移民に関する啓発団体「カナダ市民権研究所(ICC)」が最近発表した報告書によると、カナダを離れる移民の数は2019年、20年ぶりの高水準に達した。カナダ統計局のデータでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けたロックダウンが導入された当時は流出は減少したものの、再び増加の傾向が現われている。
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