大紀元エポックタイムズ・ジャパン

「真実と伝統」をモットーに、明日を生きる上で判断材料となる有益な情報を日々発信しております。

【長編連載小説】 千代能比丘尼物語 第二回

2023-06-27 | エンタメ

千代能比丘尼物語 第一回

 

建長寺

厳しい入山試験を経験する二人。その中で再びあの狂気の叫びをあげる千代能。だが二人は修練の行く末を左右する「時間」という存在に直面する。千代能は自らの過去を乗り越えられるのだろうか?

 

 宋という国は、すでになかった。蒙古から来た異なる民族に、もはや滅ぼされていたのだ。

 戦に次ぐ戦であったと聞き及ぶ。その風雲乱れる間隙を突いて、禅という新しい教えが、必死にこの日本国に伝えられたのかも知れぬ。そう、千代能が道々語った。

 建長寺の山門をくぐるのに、遮る者はいない。見渡すと、伽藍を守るように低い里山が新緑を連ねている。

 掃き清められた参道を歩き、静けさの中で玉砂利が軋んだ。千代能の足音は軽く、顕日のは重く。

 仏殿の手前を右手に折れてしばらく回廊を行くと、小さな門を再びくぐる。

 僧堂らしき藁葺きの伽藍が正面に見え、その手前左には知客寮と書かれた建物があった。千代能がためらうことなくその玄関に足を入れる。

 式台の一隅に腰を掛け、体をひねって一段高い床に両掌をそろえ、頭を下げて「頼みましょう」と、涼しい声をかけた。

 顕日もその姿勢を習う。

【続きはこちら】

 

【長編連載小説】 千代能比丘尼物語 第二回

千代能比丘尼物語 第一回 建長寺 厳しい入山試験を経験する二人。その中で再びあの狂気の叫びをあげる千代能。だが […]

 

 


 

大紀元日本 LIFE

 
暮らし】 【健康・美容】 【文化・歴史】 【教育・道徳】 【自然・科学】 【エンタメ】 【コラム
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« LGBT商品の撤去は「社会進歩... | トップ | 雨中の卒業式 学長の粋な計... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

エンタメ」カテゴリの最新記事