福島第一原発の処理水保管タンク。2023年1月20日撮影。(Photo by PHILIP FONG/AFP via Getty Images)
ウィーンで開かれている2026年核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第一回準備委員会で8日、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出への理解を示す声が多数派を占めた。発言した57か国・組織で明確に反対姿勢を示したのは中国のみ。中国代表はワーキングペーパーを提出し、処理水について「日本は領土内で産業や農業で利用しないのか」と批判した。日本代表はこれに応じて「いくら説明しても中国は政治的な主張を繰り返す」と反論した。
委員会に出席した国々は「国際的な安全基準に合致している」と認定した国際原子力機関(IAEA)の報告書への支持を表明した。米豪伊などは明確な賛意を示し、英国代表は「偽情報の拡散を防ぐため、日本はIAEAと緊密に協力している」と述べた。韓国代表は、IAEAによる監視の実施に期待するとし、放出を容認した。
いっぽう、中国代表は反対表明のワーキングペーパーを委員会に提出。中国の環球時報9日付によれば、処理水の海洋放出は「世界の海洋環境および公衆衛生に関わる問題だ」と批判。「東京電力は数字を隠蔽し偽装している」「IAEAは限定的な日本からの提出情報しか分析していない」などと論じた。
これに対し、ウィーン日本政府代表部の引原毅大使は......
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