心を捕まえておく修行。いったい懸日は心を捕まえられるのか? 加えて千代能と懸日の恋心、そして約束の指切り結ぶのだが(大紀元)
修行の日々
心を捕まえておく修行。いったい懸日は心を捕まえられるのか? 加えて千代能と懸日の恋心、そして約束の指切り結ぶのだが。
顕日は、成り行き任せのままに修行に明け暮れていた。
修行といっても肉体を酷使する苦行があるわけではない。むしろ仏祖の教えによれば、苦行では悟れないと教わった。
眠り時間の短さは辛いが、朝は天井が映るほど薄い粥、昼は米の飯が、そして夕は、朝昼の残りで作った雑炊が出る。
共同生活をしながら出来るだけ座禅の時間が持てるように、時間割が工夫されている。いわんや掃除や転座(食事係)、畑仕事も与えられた公案に立ち向かう修行であると教わった。これらも割り振りがしっかり決められて、だれもが平等に分担している。
無尽からもその後、再び教えをいただいた。それは奇しくもあの峠で、千代能が最初に言った事と同じだった。
──お経など、捨ててしまいなさい。それらは悟った後で読むものでござる。
京のお山では何千もの僧が、日夜、お経を読み、暗記して、さらに行を重ねている。その姿が顕日の脳裏に浮かんだ。無尽の言うことが正しければ、彼らは全て愚かにも、間違っていることになる。
同じ仏法でありながら、なぜそのような違いがまかり通るのか?
顕日は、無尽に素直に疑問をぶつけた。
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