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【長編連載小説】 千代能比丘尼物語 第一回

2023-06-20 | エンタメ

水桶に月は宿らじ

 

  • 前書き

 鎌倉時代、臨済宗尼僧、安達千代能(ちよの)が、

「千代能が抱く桶の底ぬけて 水たまらねば 月もやどらず」

 そう謳ったと言う。

 水桶に写る月とは、いったい何の暗示なのか?  すでに知っている読者もいるかも知れないが、もし本当の自分の自分が出現すれば、この世界は水面に映った月のようなものかも知れない。 

 幕府の有力御家人安達泰盛(鎌倉幕府第八代執権・北条時宗の外戚)の一族郎党が霜月騒動で滅びた。だが、その生き残りの一人の娘、千代能が無学祖元禅師のもとで出家して、日本女性として初めて悟りを開くまでの物語である。

 ただ、千代能の生涯、資料は少なく言い伝えは諸説あり、史実を追えていないことを最初に御断わりしておく。悟りを表現するのは難しいが、想像することはできる。それがわが師の導きにより、正しく伝わることを願うものである。

  • 出会い
  • 安達家の姫の受難

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【長編連載小説】 千代能比丘尼物語 第一回

前書き  鎌倉時代、臨済宗尼僧、安達千代能(ちよの)が、 「千代能が抱く桶の底ぬけて 水たまらねば 月もやどら […]

 

 


 

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