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サイコは白い服に薄茶色のスカート、首元には黄色いスカーフを巻いていると聞いていた。
実際に目の当たりにするサイコは、彼女が言った通りの格好に、大きな麦わら帽子をかぶっていた。
赤賀はサイコの出で立ちを見るなり、すぐにあることが浮かんだ。
『黄色、白、薄茶、さすが香川県だな。色合いがうどんのようだ』
黄色は揚げ玉、白は麺、薄茶色は出汁・・・といった感じだ。
サイコの座る席に着き、警察手帳を見せると、サイコは
『うーっわ!警察手帳!ってか、本物ー!』と興奮を隠せない感じだった。
『それで、多加田の件なんですが・・・』
赤賀が話を切り出すと、サイコは今まで見せていた顔つきがガラリと変わり、眉間にシワを寄せながら
『なんで銀さんが殺されなきゃいけないんですか?』
と、赤賀と石原に食って掛かった。
その声があまりにも大きかったため、店の中の他の客がギョッとした目でこちらを見ている。
石原が周りの客に軽く会釈をし、サイコに『声を抑えて』とジェスチャーで示す。
サイコは我に返って、小声で『ごめんなさい』とつぶやくと、改めて
『どうして銀さんみたいないい人が殺されなくちゃならないんですか?』
『刑事さん、犯人を早く捕まえてください!』
と訴えてきた。
『もちろん、全力で犯人逮捕に向け努力しますよ。ただ、あなた方・・・多加田の知人である、あなた方の協力は必要不可欠なんです』
『多加田氏が殺された日、あなたはどこで何をされていましたか?』
赤賀はストレートに聞いてみた。
『あの日、私は同級生と食事していました。善通寺市で、です。その同級生に会うのも久しぶりだったので、
夕方の18時頃から日付が変わるまで飲んで食べてしてました』
サイコは淀みなく答えた。
この証言が嘘でないなら、サイコはほぼ間違いなくシロになる。
死亡推定時刻の23時〜24時に善通寺市から、もっと言えば香川から広島まで来て、
更に多加田を殺すなど、まず不可能に近い。
サイコとはその後も多加田に関する情報を聞き出そうとしたが、やはり広島と香川と言う距離差のためか、
会うことも少なくこれと言った情報を聞き出すことはできなかった。
サイコと別れ、再び松山観光港からフェリーに乗り、広島を目指した。
『とりあえずは、サイコはシロで良いかもな』
『私もそう思います』
赤賀と石原の意見は一致した。
広島港に着くと、安倍刑事と鈴木刑事がパトカーで迎えに来てくれていた。
車中、赤賀は鈴木刑事に
『誠子さん、こっちの聞き込み状況はどうだ?』と聞いてみた。
鈴木誠子刑事は女性刑事だ。
女性に対し、下の名前で呼ぶのは、下手するとセクハラ扱いされるが、鈴木刑事の場合は自ら望んで誠子さんと呼んでほしいと言ってきていた。
はじめは戸惑いもあったが、今は戸惑いもなく、むしろ名前で呼ぶ方が妙に気を使うことが無くなっていた。
『どちらかと言うと芳しくないですわ』
鈴木刑事は助手席から身を動かすこともなく返事をしてきた。
やはりそうか。
赤賀は失望しなかった。
むしろ、最初っから希望が持てる方がおかしいからだ。
『まず、花吉こと花本博史ですが・・・』
『あぁ、誠子さん。すまんが今は良いよ。本部に帰ってゆっくり聞かせて貰うよ』
と、誠子の報告を遮った。
そう言うと赤賀は目を閉じた。
日本一の栄冠を手にするその日まで、期間限定ランキング復帰中ww
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サイコは白い服に薄茶色のスカート、首元には黄色いスカーフを巻いていると聞いていた。
実際に目の当たりにするサイコは、彼女が言った通りの格好に、大きな麦わら帽子をかぶっていた。
赤賀はサイコの出で立ちを見るなり、すぐにあることが浮かんだ。
『黄色、白、薄茶、さすが香川県だな。色合いがうどんのようだ』
黄色は揚げ玉、白は麺、薄茶色は出汁・・・といった感じだ。
サイコの座る席に着き、警察手帳を見せると、サイコは
『うーっわ!警察手帳!ってか、本物ー!』と興奮を隠せない感じだった。
『それで、多加田の件なんですが・・・』
赤賀が話を切り出すと、サイコは今まで見せていた顔つきがガラリと変わり、眉間にシワを寄せながら
『なんで銀さんが殺されなきゃいけないんですか?』
と、赤賀と石原に食って掛かった。
その声があまりにも大きかったため、店の中の他の客がギョッとした目でこちらを見ている。
石原が周りの客に軽く会釈をし、サイコに『声を抑えて』とジェスチャーで示す。
サイコは我に返って、小声で『ごめんなさい』とつぶやくと、改めて
『どうして銀さんみたいないい人が殺されなくちゃならないんですか?』
『刑事さん、犯人を早く捕まえてください!』
と訴えてきた。
『もちろん、全力で犯人逮捕に向け努力しますよ。ただ、あなた方・・・多加田の知人である、あなた方の協力は必要不可欠なんです』
『多加田氏が殺された日、あなたはどこで何をされていましたか?』
赤賀はストレートに聞いてみた。
『あの日、私は同級生と食事していました。善通寺市で、です。その同級生に会うのも久しぶりだったので、
夕方の18時頃から日付が変わるまで飲んで食べてしてました』
サイコは淀みなく答えた。
この証言が嘘でないなら、サイコはほぼ間違いなくシロになる。
死亡推定時刻の23時〜24時に善通寺市から、もっと言えば香川から広島まで来て、
更に多加田を殺すなど、まず不可能に近い。
サイコとはその後も多加田に関する情報を聞き出そうとしたが、やはり広島と香川と言う距離差のためか、
会うことも少なくこれと言った情報を聞き出すことはできなかった。
サイコと別れ、再び松山観光港からフェリーに乗り、広島を目指した。
『とりあえずは、サイコはシロで良いかもな』
『私もそう思います』
赤賀と石原の意見は一致した。
広島港に着くと、安倍刑事と鈴木刑事がパトカーで迎えに来てくれていた。
車中、赤賀は鈴木刑事に
『誠子さん、こっちの聞き込み状況はどうだ?』と聞いてみた。
鈴木誠子刑事は女性刑事だ。
女性に対し、下の名前で呼ぶのは、下手するとセクハラ扱いされるが、鈴木刑事の場合は自ら望んで誠子さんと呼んでほしいと言ってきていた。
はじめは戸惑いもあったが、今は戸惑いもなく、むしろ名前で呼ぶ方が妙に気を使うことが無くなっていた。
『どちらかと言うと芳しくないですわ』
鈴木刑事は助手席から身を動かすこともなく返事をしてきた。
やはりそうか。
赤賀は失望しなかった。
むしろ、最初っから希望が持てる方がおかしいからだ。
『まず、花吉こと花本博史ですが・・・』
『あぁ、誠子さん。すまんが今は良いよ。本部に帰ってゆっくり聞かせて貰うよ』
と、誠子の報告を遮った。
そう言うと赤賀は目を閉じた。
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