耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

認知症

2013年03月14日 11時11分59秒 | 都会の人たち
 老母の誕生日が近づいた。

 例年のことだが、フラワーギフトのネットサービスで、カードを添えて花を贈った。



 残念ながら、母はこのカードを読めない。見ても、認識できない。
でも、母の世話をしてくれているホームの職員さんに対する、家族は忘れてないよ、
というメッセージにはなるだろう。

 私の母は、認知症だ。グループホームに入居して10年になる。
今は、要介護度4の重症だ。




「認知症は水で治る!」という本を読んだ。



 「水で治る」という、素人受けを狙ったようなセンセーショナルなキャッチコピーは、
眉唾臭い感じがするが、、本の中で言ってるのは、水、栄養、運動、排泄で体調を
管理するという、至極当然の話であった。


 書いてあったのは、大まかに次のようなことだった。

・認知症は、脳の病気というより、認知の障害で、慢性混乱症とも言うべき症状のこと。

・認知とは、認識と理解と判断の力のこと。
  認知に必要な要素は、意識と注意。興味や関心が無くなると認識しようとしなくなる。

・物忘れは生理的な記憶力の低下、生理的なボケで、正常な老化現象。認知の障害とは
 全く別。

・認知の障害という症状の、原因を排除したら、治る。
  それは、孤独、寝たきり、トラウマ、精神的ショック、重病、体調(水、栄養、
  運動、排泄)

・体内の水分が不足すると、意識に障害が出る、





 母は、元々社交的で物怖じせず、人付き合いが良かったが、父の死後、とても活動的に
なった。

 ホトトギス同人になり、俳句・俳画を良くした。吟行を兼ねて、あちこち旅行もしていた。
近くのプールに通い、泳ぎ続けた。蕗の佃煮や鰯の糠味噌炊き、チリメン山椒などを作って、
いつも送ってくれた。書道教室に通い師範の免状を取った。市民大学の常連で、市民音頭を
踊りにハワイまで行った。社交ダンスを習い、毎年競技会で踊った。フラダンスを習得し、83歳
の時に孫の結婚式で披露した。

 なんでこんな人が認知症になったのだろう?

 この本には、答えはなかった。





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