「お盆にウチに来た叔父さんに、夕飯のリクエスト訊いたんよ」
「ほうほう、叔父さんは泊まるからね。ほいでなんて言われたん?」
「ビーフなんとかが食べたいって言うたんよ」
「ほう、牛ね」
「豚のが安いから豚でもいいとも言うたんやけどね。でもまずビーフなんとかってなんやねんとなるやんけ」
「せやな、で、なんやったん?」
「正確な名称が出て来そうになかったんで品種で訊いてみたんよ、普通の生肉か味付き肉かってな」
「せやね、お盆だとバーベキュー的な肉も売場にはよう見るからね」
「ほいで、赤身肉か内臓かと重ねて訊いたんやけど、どうやらそれは乾燥してるらしいんよ」
「……『ビーフなんとか』で乾燥しとったらそらビーフジャーキーやないかい」
「そう思うやろ?それがビーフジャーキーちゃうんよ」
「そうか、そらビーフジャーキーちゃうなぁ」
「せやけど、味が付いてて乾燥した肉らしいんよ」
「そしたらビーフジャーキーやないかい」
「けどビーフジャーキーではないらしいんよ」
「せやったらビーフジャーキーちゃうんやろなぁ」
………などと言うミルクボーイみたいなやり取り(含む大幅な脚色)の果てに、正解だったのはローストビーフだったある日のお盆。皆さま如何お過ごしでしょうか。
尚、夕飯の席にはローストビーフとローストポークとペッパーローストビーフを出しておきました。少量のしかなかったんで。