セッコク系のシンプルなラン「デンドロビウム・カシオペ」。白が主体のセッコクによく似たランだ。ペタルは肉厚で少しぽってりとしてみえる。花弁の末端の淡い紫のグラデーションと花芯の濃い紫がよい対照をなしている。
(2020-02 東京都神代植物公園)

ラン「デンドロビウム・カシオペ」
デンドロビューム・カシオペ(シギサン)花
目:ラン目
科:ラン科
亜科:セッコク亜科
連:ポドチラス連
属:セッコク属 Dendrobium
種:デンドロビューム・カシオペ
Den. Cassiope
デンドロビューム・カシオペ1
これもデンドロビュームです。
そして、セッコク属で間違いない筈。
それというのも、
他の方も「ノビル属」の方が近いかもしれないという意見だったから。
植物園で見た【デンドロビューム・カシオペ】の花弁は、
少し肉厚のような感じで美しかったのですが、
他の方の画像を見てみると野生蘭と言われるノビル属の花にも似ています。
先頁の掲載した【ガットサイレン】は1919年に世界的に品種登録された蘭の一種でしたが、
コチラの【デンドロビューム・カシオペ】というのは、
もっと、古い1890年に登録された蘭の品種です。
そして、コチラも古典種。
デンドロビューム・カシオペ2
この蘭も園芸目的で交配した品種のようで、
元々はノビルとセッコクの原種を交配させ生み出された品種のようです。
蘭のお花の事を考える時、
いつも品種数の多さに愕然としてしまうのですが、
日本の菖蒲のように、他の国(特にヨーロッパの植物学者達)の人達は、
ある一種の花に掛ける情熱が物凄く、
生物の中でも成長の著しく遅い植物の交配に何年も何年も時間と労力と、
そして気力を費やして新しい品種を生み出して来たのを考えたら、
少し気の遠くなる思いがします。
そして、更に個人で成し得なかった目的(品種交配)は、
次の代に受け継がれ師弟や団体や、
その昔は植物園も一丸となって取り組んで来た事柄になりました。
アシッドフリーペーパP・ヘッケル
(アシッドフリーペーパP・ヘッケル蘭)
~デンドロビューム・カシオペ~
デンドロビュームの交配種の中では、
一番開花が早い種で、12月頃から咲き始めるそうです。
このデンドロビュームの開花に成功した時、
改良に関わった人達は、どんなに嬉しかっただろうか?と想像してみます。
植物園のカシオペは花弁のグラデーションが少し薄かったですが、
流通しているモノは、もう少し鮮やかな色をしています。
蘭シリーズ・リスト
「エピデンドラム・プリティーレディーミスミ」(蘭シリーズ 20-01)
「スリーピング ルナグラード 」(蘭シリーズ 20-02)
「シンビジウム・アリス・ルナ」(蘭シリーズ 20-03)
「オンキディウム・アンプリアツム」(蘭シリーズ 20-04)
「エピデンドラム 'スター・バレー'」(蘭シリーズ 20-05)
「デンドロビウム・スペルバウンド・ミュー」(蘭シリーズ 20-06)
「シンビジューム・スウィートワイン」(蘭シリーズ 20-07)
「カトリアンセ ジュエル・ボックス シェヘラザード」(蘭シリーズ 20-08)
「カトレヤ・ウェンディーズ・バレンタイン」(蘭シリーズ 20-09)
「カトレア・コッキネア」(蘭シリーズ 20-10)
「デンドロビウム・フォーミディブル」(蘭シリーズ 20-11)
「ファレノプシス・サクラコ・ファレノ」(蘭シリーズ 20-12)
「ファレノプシス・シレリアナ」(蘭シリーズ 20-13)
「ファレノプシス・メモリア・アン・フェジェン」(蘭シリーズ 20-14)
「ファレノプシス・リトル・メリー・チェリー・ソング」(蘭シリーズ 20-15)
「ファレノプシス・シルク・オレンジ」(蘭シリーズ 20-16)
「ドリテノプシス・シティーガール モリタNo.2」(蘭シリーズ 20-17)
「ファレノプシス・ビーチアナ」(蘭シリーズ 20-18)
「ドリテノプシス・リビングストンズ・ジェム」(蘭シリーズ 20-19)
「ファレノプシス・オトヒメ」(蘭シリーズ 20-20)
「ファレノプシス・ゴールデン・エンペラー "スイート"」(蘭シリーズ 20-21)
「ホンコンシュスラン」(蘭シリーズ 20-22)
「エピデンドラム・コスモ・ドリームカラー アスカ」(蘭シリーズ 20-23)
「エピデンドラム・カショクサイサイ」(蘭シリーズ 20-24)
「デンドロビウム・アオヤマ」(蘭シリーズ 20-25)
「デンドロビウム・ラウシー・ビカラー」(蘭シリーズ 20-26)
「オンシジウム・トゥインクル」(蘭シリーズ 20-27)
「デンドロビウム・ロイ・トクナガ」(蘭シリーズ 20-28)
「マキシラリア・ポルフィロステレ」(蘭シリーズ 20-29)