富士山や箱根に生える日本原産のバラ「サンショウバラ」。箱根バラとも呼ばれ、箱根町の花に指定されている。まさしく「箱根の花」である。名前は葉の形が山椒の葉にそっくりなため。どこか山茶花を思わせる一重のシンプルな花の形がすばらしい。
(2020-06 神奈川県 箱根)
サンショウバラ
山椒薔薇 バラ目/バラ科/バラ属 花期/5月中旬~下旬 結実期/9月
稀少
富士山および箱根にのみ分布がみられる落葉低木ないし小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。園芸品種ではなく、元から日本にあった野生のバラ(薔薇)の一つで、日本固有種。名は、葉の形状がサンショウの葉にそっくりなことから。富士・箱根・丹沢西端を原生地とし、ハコネバラ(箱根薔薇)とも呼ばれ、ハコネバラとして箱根町の花に制定されている。ただし箱根でお目にかかれるのはだいたいはホテル入口などに象徴的に植えられたものくらいで、そこかしこに自然に生えているというわけではない。湘南・鎌倉・三浦半島に自生なし。人工的に作出されたボリューム豊かなバラの花に比べればどうしても見劣りしてしまうため、一般的にはあまり栽培されていない。